福原美穂子のレビュー一覧
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購入済み
特捜部Qの2作目です
1作目を読んで、このシリーズは意外な動機に、意外な殺し方を読ませるミステリーだと(勝手に)思って今作を読むと、動機も殺し方もありふれていてちょっと残念でした。おもしろくて読み始めたら止まりませんでしたが。次作はどんな話になってるのか気になるので早く電子書籍化してください。
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Posted by ブクログ
イラク戦争における「コラテラル・マーダー」の衝撃的な映像から、アフガン戦争軍事日誌の公開、イラク戦争軍事日誌の公開、米外交公電文書の公開まで国家機密という概念自体にも大きな衝動を与えてきたウィキリークス。その創立者で主宰者であるジュリアン・アサンジ自身の生誕からの物語を中心として、その足跡を辿っている。
その物語は、"情報公開(リークス)"の話を軸として、情報提供者としての面が割れてしまったブラッドリー・マニングの話や、アサンジの強制わいせつ事件の話を絡めて進んでいく。情報公開プロジェクトに直接深く関わり、アサンジ氏にも近かったドイツ・シュピーゲル紙の記者がその経緯を綴っているため、臨場感が感じられる。
一連の情報公開において、既存マスメディアであるニューヨークタイムズ紙、ガーディアン紙、シュピーゲル紙などの大手ジャーナリズムとウィキリークスが互いにメリットを享受する形で深く手を組んで情報活用の最大化を図った事実は、その成功の鍵となった戦略として興味深い。
一方、その存在が既存のジャーナリズムの役割に与える影響について当事者である著者らも無自覚ではない。
「実際にウィキリークスは、マスメディアとのあいだで互いに影響を与え合うような、変化し続ける組織だ。つまり、ウィキリークスはジャーナリズムを変え、ジャーナリズムもウィキリークスを変えたのだ」(P.371)
ジャーナリズムの情報を取捨選択するゲートキーパーとしての機能は果たしたとはいえ、やはり特権の一部をはぎ取られた思いがあるのではないのか。上記の「ウィキリークス」を「インターネット」などと言い換えても成立しそうな言葉だ。
ウィキリークスの行動は、国家機密という公有情報の所有権というものについても考えさせることとなった。それは国家安全保障上の問題でもあるのだが、国家というものを所与のものとしないものにとっては意味をなさないのだろう。
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ウィキリークスによって実際に何が行われたのかを知るのに非常に有用な書籍。またそれは知っておくべきことでもあるのだろう。テクノロジーの進化による必然的な流れのようにも見えるが、やはりそこには毀誉褒貶まみえる強烈な個性が存在することが分かる。 -
Posted by ブクログ
ウィキリークスのメディアパートナーとして活動をともにするドイツ「シュピーゲル」誌のトップ記者によるドキュメント本。ジュリアン・アサンジの信頼を勝ち取り、密着取材を許可されて描かれた内容は、明らかに他のウィキリークス本と比べ距離感が近く、非常にダイナミックである。
◆本書の目次
弟一章:「国家の敵」ウィキリークス
第二章:ジュリアン・アサンジンとは誰か
第三章:ウィキリークス誕生
第四章:「コラテル・マーダー」ビデオの公開、マニング上等兵の背信
第五章:大手メディアとの協働、アフガン戦争記録のリーク
第六章:内部崩壊の危機、イラク戦争日誌四〇万件公開の衝撃
第七章:世界が震えたアメリカ外交公電流出
第八章:包囲されたウィキリークス
第九章:ウィキリークスの未来、世界の未来
マーク=ザッカ―バーグがFacebookを生み出したのと同じ2006年に開設されたウィキリークスは、評判経済におけるもう一人の主人公である。透明な社会を指向する彼らの行為は、その類まれな技術力で情報の共有を促進し、国家間のソーシャルグラフに大きな影響を与えてきた。
たびたび投げかけられる、ウィキリークスはジャーナリズムか、情報テロかという問いかけは、ジュリアン・アサンジという一人の男が放つ言動の二面性によるところが大きい。
◆情報テロ寄りの発言
・「大物たちのもくろみを台なしにするのが大好きなんだ。こんな面白い仕事はないよ。」
・「我々は人類の天空に新しい星を輝かそうとしています。」
・「ちょっとひと騒ぎおこそうじゃないか。」
・「僕はこの組織のハートであり魂なんだ。創設者でスポークスマンで、最初のプログラマーで主宰者で、出資者で、残り全部。君がそれを問題だというんなら、失せろ。」
・「CNNは恥を知れと言いたい、ラリー、あんたもだ!」
・「僕の結論は、国際メディアをとりまく状況がどれも悪く、ゆがんでいるから、メディアがないほうがましなくらいだ、ということだ。」
◆ジャーナリズム寄りの発言
・「ウィキリークスはすべての人の友と見られなければならない。なぜなら我々はすべてのに人の個人に、それまで存在しなかった道を発見できるように、我々の知識を提供しようとしているからだ。」
・「コンテンツはそれ自身が語るのであり、説明を必要としない。誰もが検討し分析できるように、開放しなければならない。勝利、自由、真実。」
・「おそらく正義の戦争とやらを始めるよりも、まったく参戦しないほうが、多くの人命を救えるだろう。」
・「戦争の悲惨さと日常化している残忍さへ強い光を当て、僕らの戦争を見る目を変えるだけでなく、現代のすべての戦争を見る目も変えるだろう。」
・「公表は透明性を高め、その透明性がよりより社会へとつながっていく。チェック機能がうまく働けばそれだけ腐敗が避けられ、民主主義は強固になる」
この二面性は数奇な生い立ちによって形成された彼自身の性格によるところも大きいが、意図的にそのように振舞っているようにも思える。つまり、彼は自分自身に色がつくのを恐れているのだ。自分を理解されたくないし、縛られたくもない。政治的にあらゆる傾向を持つ内部告発者に開かれている存在であるために、そして得体の知れなさで注目を引き、リークの影響をさらに大きくするために。
本書はジュリアン・アサンジの、こんな台詞で幕を閉じる。「組織としてのウィキリークスは、非常に安定している。僕たちはそれほど簡単には排除されないよ。でも、ぼく自身自分から仲間はずれになりたがる性格なんだ。これが僕たちの最大の問題だよ」。情報の機密を公開することで、世の中を動かしてきたウィキリークス。その影響で彼らの存在自体も脚光を浴びていくことは、ウィキリークス内部の情報もリークされつつあることを意味する。そしてそれは、ジュリアン・アサンジのさらなる変節を生み出していくだろう。ある意味我々は、勝者なき時代の中へと、突入しているのではないだろうか。 -
Posted by ブクログ
▼特捜部Qのシリーズ第2弾。デンマークの警察小説。第1作はオモシロかった。何といっても、これはバディものなんです。
〇デンマーク警察の腕利き現場たたき上げ中年刑事・カールさん
(妻に逃げられ仕事中毒、腕っぷしが強く昔気質、、、という昔ながらの男っぽい刑事)
〇デンマーク警察に雇われている、助手(雑用係)の、アサドさん。
(アラビア系の人。デンマーク語はしゃべれるけれど、不法移民なんじゃないかという疑惑。ところどこに能力が高いが、いろいろが不明)
という奇妙な男ふたり(刑事と、助手)のバディもの、というのがいちばんの魅力です。
▼ということはこのバディがオモシロければ、ひとつひとつの事件はそれほどでもなくても愉しめてしまうわけですが、今回は個別事件としては、「変態エリートたちの長年の殺人趣味を暴く」ということになります。そして、きらり輝くのが、キミーという名の、40台?くらいかの女性です。
<悪者たち(男性たち)の昔からの被害者でもあり>
<同時に共犯者として加害も繰り返してきた>
という存在で、キミーは変態エリートたちがまぎれもなく殺人に何件も加担してきたということを証明できる動かぬ証拠を握っている。そして、とある理由から、変態エリートたちを皆殺しにしようとしている。
▼よくある手法ですが、
A 主人公たちの動き
B 悪者たちの動き
C キミーの動き
この三つが交錯して語られながら、「過去になにがあって、この人たちはこーなってるんだろうか」ということが読者に暴かれて行きます。
▼落ちのありかたは、それほど斬新でも衝撃でもなかったんですが、結局はするすると読めてしまったのでそこはありがたく満足。
あと、物語内で変態殺人嗜好エリートたちが、映画「時計仕掛けのオレンジ」に多大な影響を受ける、ということが描かれるんですが、やっぱりあの映画はすごいインパクトがあるよなあ、とあらためて。さすがキューブリック。そして、「時計仕掛けのオレンジ」と「if…もしも」の2本でしか見たこと無いんですが、その2本で強烈な存在感を放ったマルコム・マクダウェルさんってすごかったなあ、と久々に思い出しました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレデンマークの警察小説、特捜部Qシリーズ第二弾。
いつの間にか置かれていた資料には、数十年前に解決し、犯人も収監中の兄妹殺しのことが。調査を開始するカールとアサドだったが、捕まらなかった者たちの存在を知る。
うーん、疾走感とハラハラ感は前作の方が上か。カールたちの捜査パート、ホームレスの女性のパート、逃げ切り社会的に成功した三人のパートの視点があるが、逃げ切った三人のパートが胸糞すぎて…捜査パートも、前回ほど犯人をじわじわ追い詰めるものでもなく。
更には、ラストもそこまで爽快感のあるエンディングではないので、総じて一作目が良かったなと。次作はガラスの鍵を受賞したとのことで、楽しみにしている。
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Posted by ブクログ
ネタバレとても面白かったです!
今回も、変わらず嫌なヤツが犯人でしたが、テンポ良く、先の気になる展開に、どんどん惹き込まれ、あっという間に読んでしまいました。
テーマは新興宗教。そして信者のこども達…。犯人の過去も、可哀想な描写はありましたが、それでも非道な犯行を繰り返し、犯人に対する、哀れみの気持ちは消えました。
几帳面で、犯行もぬかりなく行なってきた犯人でしたが、最後の最後に凡ミス連発?で少し拍子抜けしました…。まさかのボーリング愛好家とは…。ここまで犯罪を繰り返してきたなら、一般人と戯れるのはリスクが高すぎる…!と私は感じました。
私的には、もう少し犯人の苦しむ最期が見たかったです。そして、いまいち最期の展開が、理解が出来なかったのですが、イーヴァ達は捕まった?のかな…
次回作も楽しみにしてます。 -
Posted by ブクログ
子は親のものでは無い。
親の信仰を子に押し付ける、生まれながらにして一つの枠の中に閉じ込められた子は、親に見放されることを恐れて従う。
やがて思春期に矛盾した感情に苦しむ。
ミステリーはその国の闇を背景にする。
弱者である子と強者である親の関係がねじれる。
子供の頃の心の歪みは成長とともに社会の歪みに埋没していく。
デンマークではなくても、この国でも共通する。
こんなに重いテーマにも関わらず、思いっきり「暗い」北欧ミステリーとは一味違い、相変わらずの騒々しさがクセになるほどに良い。
主人公らしく無いカールや不思議なアサドとローセ、上巻で感じたストレスは下巻に入って一気に吹き飛んだ。
それにしても「なんでみんな、お尻のことで例えるんだ」って……。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読んでいる間、ずっと眉間にしわを寄せていたと思う。
そのくらい嫌な事件。
最初から最後まで暴力的な、救いのない話だった。
寄宿学校時代の友人グループ。
男子5人女子1人といういびつなバランスで、学友や教師たちを性や暴力で蹂躙していく。
しかしそのバランスが崩れたとき…。
まず男同士のつながりが気持ち悪い。
深い友情とは無縁の自己中同士なのに、互いの欲望を満足させるためにつるみ、学校を卒業して20年たった今も、その容赦ない暴力への嗜好を満足するためにつるんでいる。
金持ちだから、そして暴力に関しても容赦ないから、敵はいない。
ただ一人、仲間の前から姿を消した唯一の少女・キミーを除いては。
男たちは探偵を雇ってキミーを追いかける。
キミーは見つからないように姿を隠しながら、男たちの動向を探る。
ところが、いつの間にか追う者と追われる者が逆転して、キミーが男たちを追い詰める。
キミーの抱える心の闇と、哀しい事件、喪失については同情を禁じ得ない。
けれど、たった一人の信じられる友であったティーネに対して行ったことは、許されることではない。
たとえ自分の命と、命より大切なものを守るためであったとしても。
そして、カールの絶体絶命の時にキミーが現れてすべてがひっくり返るのだけど、どうしてそううまくいくのかがちょっとわからなかった。
だって相手は武器を持っていて、だからカールは絶体絶命だったはずなのに、狩の武器を携帯している男3人に対してキミーの登場だけで逆転できるもの?
何か読み落としたかな。
特捜部Qという組織は、一名増員もしたことだし、しばらくは安泰だろうけれど、アサドの秘密が明らかにはなっていない。
カールは、別居中の妻や同居している義理の息子との関係は直接ストーリーに影響を与えないのなら、退場願っていいのでは。
無駄に煩雑。
それよりも、捜査中の大けがの後遺症で肢体不自由になった元部下をうまくストーリーに絡めて事件を解決に導いていくほうがスマート。
どうせ捜査中の大けがの真相もそのうち解明しなければならないのだから。
で、主人公のカール・マークの上司がマークス・ヤコプスンなの、混乱するって前作の感想で書いたのに、今度は同じ警察の中にマーク・ヤコプスンとは無関係のヨハン・ヤコプスンが出てくるの、やめて~。
最後にキミーについて。
彼女は誰からも本気で愛されたことがない人生だったけれども、愛することはできた。
それが唯一の救いだと思った。