諫山創のレビュー一覧
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ネタバレヒストリアがミカサに対して、
「私たちは生まれのことで重い荷物を背負う者同士なんでしょ
ミカサが一緒ならこんなに頼もしい人いないよ」
と言うのは微笑ましいものがあった。
ジークは両親を憎み寝返る為に密告したのではなかった。
両親は正しかったしかし甘かった。
この島と世界には約100年の隔たりがある。
その遅れを埋めるのに50年は必要になる。
それはつまり、50年は地ならしが島を守るため機能しなければならないということ。
島国であるからこそどうしても日本の状況と
重ねて考えてしまう。
ハンジもアルミンもよくやっているとは思うのだが
やはりエルヴィンに比べて優しさが見える気はしてしまう。
それがこうした極限の状況では甘さにもなってしまうのが辛いところだ。
ハンジが順番、と言われたことを思い出し
疲れた、と思っているところがとても気の毒で
見ていられない。
リヴァイが
「『その村』じゃない、『ラガコ村』だ」
と訂正するのが、目立つところではないかもしれないが
リヴァイがいつも命に対して真摯に向き合っているからこそ
出てくる言葉だなと感じた。
あれはエレンに見えなかった、
俺たちより腹違いの兄貴の側につくことがあるなら俺たちは奴を切る覚悟しておく必要があるというジャン。
巨人の力は永遠に使えるものではないことがわかって、
一年前は
「俺はお前らに継承させるつもりはない
お前らが大事だからだ 他の誰よりも」
と言っていたエレンを信じたいところだが。
ミカサに憧れて調査兵団になったという
ルイーゼ。
サシャが助けたカヤも登場する。
カヤに対して、ガビはまだ見えていないが、
実情が見えてきているファルコは
カヤが巻き込まれた事態は威力偵察だったと語る。
「お母さんには何の罪もありませんごめんなさい
何も悪くないのに」
そんなファルコに、
「ありがとうベン、教えてくれて。
でも謝るのはおかしいよマーレ周りで生まれただけなのに」
と言えるカヤが達観している。
大人たちの争いに巻き込まれた子供同士、
仲間という感覚がこのときは強かったのだろうか。
兵団による政権内でのクーデター。
真意のわからないエレン。
ここにいる我々は歴史が変わる瞬間に立ち会っている
2人の兄弟によって世界は生まれ変わる
その変化は果たして正しいものなのか
未だ見えてこず混沌としている。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ巨人が町の中で入り乱れる迫力の戦い。
ジャンは相変わらず冷徹になりきれていない感じが
人間らしく魅力のひとつとも言えるかもしれない。
屋根に光をつけていたのが滑走路の誘導灯替わりだったのは滾る展開。
戦鎚の巨人の水晶化を味方の巨人の顎で砕くとは
合理的なのだがえげつない展開過ぎる。
為す術もなくくるみ割り器のように使われては
立つ瀬がなかろう。
ライナーにまたな、と言う言葉がまた
複雑な気持ちになる。
新生エルディア帝国の初陣、という言葉もまた
この先激化しそうな戦いを予感させる。
エレンが出していた手紙はリヴァイたちに対してで
やはりみんなが来てくれるという確信が持てていたわけではなかった。
やはり、自分の身柄を盾に取った強硬策だったのだ。
サシャの件は流石にきつかった。信じたくなかった。
イェレナの登場も色々思うところがある。
反マーレ義勇兵で、目的はエルディア人の解放。
明かされるジークの要求。
腹違いの弟エレンと引き合わせること。
ジークのエレンに対する感情を信じて良いのだろうか。
エレンはどう考えているのだろうか。
時間をかければきっとわかりあえる。
本当にそうなのだろうか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレエレンが徹底して冷静な態度なのが、
成長と言いきって良いのかどうか。
心情がいまいち読みきれない。
手を怪我した状態の無言の脅しが恐ろしい。
もしかして何か対話で模索できるものがあるかと
微かに期待してしまったが、飽く迄も冷徹な兵士だった。
平和への反逆者その名はエレン・イェーガー。
凄い二つ名である。
今まで必死で駆除してきた巨人は人間で、
実は壁の外では自分たちこそが駆除すべき存在と思われているというこの世界。
本当に、「敵は世界」なのだ。
「一体何が出来たよ、子供だったお前がその歴史と環境を相手に」。
と言うエレンの台詞には憐憫を感じる。
自分が逆の立場でも同じことをするだろうと思っているのではないか。
ここでだから憎み合うのはやめよう、というお花畑展開には
けっしていかないのがこの『進撃の巨人』の良いところなのだと思う。
やはりこのライナーの姿を見て、憎みきることはできない。
かと言って、止まることもない。
対人だけでなく民間人を巻き込むことすら、最早躊躇しない。
タイバーの演説の最中巨人化してからの怒濤の展開には戦慄を覚える。
ここは敵国で、巨人の数も多い。いくら急襲でも有利とは言い難い。
2巻を経て登場した調査兵団には
それだけで胸が躍るが、作戦の一貫だったわけではなく
エレンの単独行動というのには驚きである。
自分の身柄を人質に調査兵団を動かしたということだ。
『不戦の契り』をして死ぬまで壁の中に閉じこもることは
本当に幸せと言えるのだろうか。
パラディが島国であることも相俟って、色々考えてしまう。
「家畜の安寧」よりも「地獄の自由」。
共通の敵を持たなければ人々は連帯できない。
しかしそれでは争いがなくなるわけではない。
どうあっても平和は訪れないのではないのだろうか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの巻からマーレ編に突入する。
主人公から見た敵国の事情を書いていく手法は
よくあるものかもしれないが、
進撃の読者にとってはライナーの事情になるわけなので
冷静な気持ちではとても読めない。
しかも違う道を選択した同種族が敵というのが辛い。
悪魔だと思っていた敵国に侵入して
相手も同じ人だとわかってしまったライナーにとって
「あいつらは悪魔だったんだろ」と問われて
思い出すのは仲間たちとの日々。
「地獄だった」と返す言葉はある意味では真実なのだろう。
楽しかったこともあった。だからこそ地獄でしかなかった。
巨人の力が継承者を決めて継承されていく世界観や
獣の巨人であるジークはグリシャの息子であることなどが
次々に描き進められていく。
ジークは生まれのことを秘密にしていて、
王家の血を引いてるわけでもないのになぜか特別
ということになっているのが、この後大きく影響してきそうだ。
巨人化学の副産物がアッカーマン一族である
というのも複雑な気持ちになる事実。
物語が始まった頃の設定が好きで
こうなってくると面白くない、という人の気持ちも
わからなくはないが、
善悪の物語ではないところが自分は非常に気に入っている。 -
Posted by ブクログ
ネタバレエレンのお母さんを食べた巨人がダイナだった
というのは衝撃の事実。ダイナとしては意識がないなりに
グリシャの血に反応しているのだろか。
巨人の脊髄液を吸収して化け物になるなんて同じ人間じゃない。
人は自分と違う物を嫌悪する。それは動物としての本能でもある。
だからこそなんとも言えない気持ちになる。
気になったのは3-4mの巨人に調整するからという台詞。
摂取量などで調整できるものなのだろうか。
フクロウの正体にも驚いた。
9つの巨人の力を継承したものは13年で死ぬというのも驚きの事実。
これが自由の代償だとわかっていたなら払わなかった、という台詞が悲しかった。
自由のために戦った進撃の巨人。
だからその力を引き継いだエレンは自由を追い求めるのか。
届けられたユミルの手紙も悲しい。
届けてくれたことも、大した内容が書けない事実も辛い。
ユミルがエレンに言いかけていた言葉は『敵は世界』だった。
エルディア国の中でも巨人になれる特殊な人種ユミルの民。
マーレが大多数のエルディア人を収容区で生かしているのは
無垢の巨人として軍事力の頭数に加えられるから。
酷い話なのだが、その条件があるからこそ生かされているとも言える。
フリッツ王は始祖の巨人と不戦の契りを交わし、
壁の王は民を道連れにエルディアの滅亡を望み受け入れていると言う。
記憶を奪い外の人類は滅んだと思い込ませ、束の間の幸せを作り出す。
まるでエデンの園のようだ。
何も知りさえしなければ幸せだったのだろうか。
どちらが幸せなのだろうか。
臆した王から始祖の巨人を取り上げるのがイェーガーの使命。
王家の血を引くものを巨人にして接触すれば
始祖の巨人の力を扱えるかもしれない。
巨人にしなければならない時点であらゆるリスクがつきまとう。
壁の向こうには海があって海の向こうには自由がある。
ずっとそう信じていたエレン。
「でも違った海の向こうにいるのは敵だ
向こうにいる敵全部殺せばおれたち自由になれるのか?」
折角念願の海を見たはずなのに、悲しい現実ばかりが立ちはだかる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ父親に洗脳されてる
俺達はあの父親の被害者
いつかお前を救い出してやるからな
猿の巨人の人の気になる言葉。
ジャンがハンジさんを助けたけれど
ライナーは奪われてしまった。
猿の巨人を倒す為の突撃で倒れたエルヴィン。
団長を見つけたときは止めをさそうとした
でも生ぬるい、地獄が必要だと思った
という言葉が、酷いと言うのも違うし
ある意味で情なのかもしれない。
エレンは海を見に行こうという夢は
子供の頃のことで実は覚えていなくて、
憎むことしか頭になくなっていて、
でもアルミンは戦うだけじゃない、夢を見ている。
涙なしにこのあたりは読めなかった。
エルヴィンとアルミン、どちらを生き返すべきか。
そして大型巨人の能力を手に入れさせるべきか。
やはりミカサとエレンの気持ちはわかるが
ここはエルヴィンだとは思う。
リヴァイが、
「こいつを許してやってくれないか?
こいつは悪魔になるしかなかった それを望んだのは俺達だ」
という言葉も染みる。
ミカサとエレンは同情の余地はあるものの
軍隊で上官に対してあの態度は流石に無い。
勿論、アルミンを助けると決めていたのに
直前でひっくり返されたのはキツイ。
だが結局、リヴァイが選んだのはアルミンだった。
ハンジのエルヴィンの命と巨人の力が託されたという言葉も、
リヴァイの
「誰も後悔させるな 俺もこいつらもお前自身も
それがお前の使命だ」
という言葉もとても重い。
いよいよ地下室。そこには本があった。
ここで、子供の頃したエルヴィンの質問が明かされる。
「壁の外に人類がいないってどうやって調べたんですか」。
素朴だが確かに真実を突いた質問である。
食い尽くされたと思われる、じゃなく
断言しているのは思い込ませたい意図が
王政側にあるということ。
エルディア復権派の話や
息子ジークが7歳で両親を政府に密告するなど
息のつけない重苦しい真実が続いていく。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ猿の巨人の投石がえげつない。
エレンが必死でくらいついても、軽く
ひょいと壁の上に蹴り上げられてしまう。
理屈ではわかってた誰かがやらなきゃ
勇敢な兵士は誰だってきかれて俺だって思った
でもそうやって死んでいくことが
こんなになんの意味もないものだと思いもしなかった
なんで自分だけは違うって思ったのか
この一連の台詞も読んでいてきつかった。
「俺は選ぶぞ 夢を諦めて死んでくれ
新兵たちを地獄にみちびけ
獣の巨人は俺が仕留める」
「どうせ死ぬのに人生に意味はあるのか
死んでいった兵士に意味を与えるのは我々だ」
リヴァイの言葉もエルビンの言葉も胸にくる。
壮絶な言葉たち。
ここまで苦労して相手に致命傷を負わせても
注射を使ってそいつにくわせる必要があるから
すぐには殺せない。
それがこちらのピンチを招きかねない恐ろしさ。
折角手中にあった猿の巨人が、四足歩行に取り戻され
「待てよ俺はあいつに誓ったんだ
必ずお前を殺すと」
と言うリヴァイの気迫と悔しさ。
一方のアルミンは、エレンの言葉を思い出しながら
僕は外の世界のことを考えると勇気がわいてくる
という。
この作戦がうまくいけば僕はもう海を見に行けない
という不吉で悲壮な決意。しかしはっきりと、
エレン起きろ、海を見に行くよ
と言うアルミン。
ずっと何を捨てられるか考えていたアルミンが
この局面で捨てることを選んだのは
夢と命。
「エレンに託すんだ僕の夢命すべて
僕が捨てられるものなんてこれしかないんだ
きっとエレンなら海を見てくれる」
唯一の救いとも言えるだろうか、
ハンジが無事だったのは幸いだった。
アルミンが誰よりも勇敢なことくらいわかっていた
というエレンの台詞が息苦しくなる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ教官の回想、まさかこんな内容だとは。
生まれてきてくれただけで偉いとエレンを抱きしめる母の姿が切ない。
立体機動の訓練がうまくいかないエレンが
実はベルトが壊れていてのにあそこまで頑張った、
という表現かと思いきや
更に教官がベルトに細工していたという
事実が明かされるとは。
グリシャは壁の外からきた可能性があるという壮大さも凄い。
人が人と違うのはきっと
こういう時のためだったんだと言うアルミンの台詞は、素直に良いなと思える。
話をこっそり聞いてたリヴァイは何を思っていたのだろう。
調査兵団を街の人が見送ってくれるシーンは
胸が熱くなった。
アルミンの楽しそうな目を見てオレは不自由なんだと思った、と言うエレンの告白。
広い世界の小さな籠で自由を奪われてると知って許せないと思った
自由を取り返すためなら力が湧いてくる。
自由を追い求めるエレン。これも重要なキーワードだ。
エルヴィンの
隠し事があるのは彼らだけではない
我々は互いに望んでいる
ここで決着をつけようと
という件も圧倒される言葉だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレオレをあの巨人に食わせれば良いと言うエレン。
ヒストリアが「選択肢はもう一つあります」
と言うところや
あなたのお父さんは初代王から私達人類を救おうとした、とエレンに言うところが良い。
本当にヒストリアは強くなった。
弱いのはオレだった、
どこかで自分は特別だと思ってた
だから他の兵士がオレのために死ぬことも仕方がないって受け入れた
というエレンのモノローグ、
しかしあんな状況に追い込まれたらそう思っても仕方ないだろう。
自分の肩に国民の命がかかっていると
あの時は『単純』にそう思っていたはずだ。
そんなプレッシャーの中で次々襲い来る状況の中
エレンに与えられた選択肢は本当に少なかった。
親に逆らったのこれが初めて
私が始めた親子喧嘩 という
ヒストリアの表現が可愛らしい。
リヴァイがケニーの妹クシェルの子供であることも明かされる。
ヒストリアに殴られて、笑いながら
「お前らありがとうな」と言うリヴァイが堪らない。
二ヶ月経って、ヒストリアの状況がそこまで孤立するわけでなく
孤児院の院長に収まったことにも安心した。 -
Posted by ブクログ
ネタバレフリーダのことを思い出すヒストリア。
妻子はグリシャに五年前殺されたというのは衝撃の事実です。
アッカーマンという名字に親戚関係などなんらかの理由があるのか
と思っていたら、一族が都市部で迫害を受けていたという展開とは。
対人立体機動装置はアンカー射出機と散弾の射線が同じ方向なのが弱点で、
かつ銃に対して刀が有利になる距離での戦いも描かれたのは
刀好きとしてはおっと思いました。
折角の力もレイス王家の血を引くものでないと真の力が発揮されない
というのがまたなんとも言えない設定です。
かつてのアッカーマン家は王側近の武家だったということも明かされます。
王が記憶を改竄できるのは全員ではなく、
少数派の血族は自らの意思で真実について黙秘している。
王の思想に異を唱え地位を捨て旺盛に背を向けたのが
東洋の一族とアッカーマン家。
ミカサの名字と生まれにここでこのような答えが出されるとは
思ってもみませんでした。
オレはいらなかったんだと嘆くエレン。
ヒストリアがあのときは私のことを普通のヤツだったって言ってくれて嬉しかったよという言葉。
そして父の手を振り払うところが恰好良いです。
その後の台詞も可愛い。
「人類なんか嫌い巨人に滅ぼされたら良い
つまり私は人類の敵 最低最悪の超悪い子
だけどエレンの味方
自分なんかいらないって泣いてる人がいたら
そんなことないよって伝えに行きたい」
可愛いし、やっぱり女神だったんだなと思わずにはいられない。
リヴァイがエレンに対して、
「毎度お前にばかり……すまなく思うがエレン好きな方を選べ」
という台詞も良かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めて人を殺す描写がなんとも生々しい。
頭ではわかっていても、中々咄嗟に切り替えられないだろう。
リヴァイがアルミンに、もう汚れたんだ、以前のお前には戻れない
と言うのが厳しいようでいて相変わらず優しい。
もし今もお前の手が綺麗なままなら今ここにジャンはいない。
聡いからあの状況じゃ半端なことができないとよくわかっていた。
アルミン、お前が手を汚してくれたおかげで俺たちは助かった。
ありがとう。
リヴァイは常に対等というか、事実だけを伝えてくれていると思う。
ジャンが、人に手を下すのが怖かった、間違っていのいたのは自分でした
次は必ず撃ちますと言うのも立派なのだが、
リヴァイが
何が本当に正しいかなんて俺は言ってない。
そんなことはわからない。お前は本当に間違っていたのか?
と返すところが如何にもリヴァイなのだ。
確かにこれは人気が出るのも当たり前なキャラクターだ。
マルロとヒッチとのやり取りも好きだし、
フレーゲルが男になったなぁと思う。
聞屋さんたちも頑張っていて、ほっとする。
確かにピクシス司令官の言うとおり、
巨人の壁を築き人類の記憶を改竄する力を永久に失ってしまう危険性が
この革命にはある。
エルヴィンが、
これで良かったのだろう。
この人類を救うのが我々であるとは限らないのだから。
と言う言葉は鳥肌が立った。
ここまで重い”人事は尽くした”な中々見ない気がする。
ピクシス司令にあることを委ねた。
もしその時が来ればだがその時俺はただ見ている。
選ぶのはお前だ。そして彼らだ。
ぞくぞくする場面だった。
ベルク社の号外が配られ、
変えたのは私たちじゃない一人ひとりの選択がこの世界を変えたんだ
という台詞に感動する。
「質問をどうぞ。あなた方の言動を妨げていた者たちも現在は牢屋の中です」
という台詞も恰好良い。
人類を思えば王政に全てを託すべき。人よりも人類が尊いのなら。
人と人類、同じようでいて違う。厳しい選択が続き
読んでいても複雑な気持ちになる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレエルヴィンの過去。父は王政に殺されたのだと言う。
私の人生の使命は父の仮説を表明すること。
そういった過去を背負っていたから、
ああした謎に挑む姿勢だったし、なにかヒントがあれば嬉しいということだったのか。
この壁に逃げ込んだ当時の人類は、
統治しやすいように記憶を改竄されたという仮説。
巨人についての知識が無い自分たちより、
知識を持つ王政サイドに託すという選択肢は
自分の中ではありえないものだった。
エルヴィンはそれも考えた上で、
王政に託してはならないと決意する。
なぜ父は真実に近づいただけで死ななければならなかったか、
王政の役人にも彼らなりの正義があるはずだと思っていたが
彼らが守りたいものは人類ではなく彼らの庭付きの家と地位だけだ
と悟る。
父は人の持つ欲と愚かな息子によって殺されたのですという言葉は
かなり重苦しいものだ。
目の前の正しいと思うことを選んでいたら
いつの間にかクーデターをやることになってしまうというのは
混乱する事態だ。104期生の気持ちになると肌が粟立つ。
100年以上続いてる体制を変える。
自分を食べようとしてくる巨人ではなく、考え方が違う人間を
倒す。「僕らはもう犯罪者だ」という言葉がきつい。
サネスが言う、この狭い壁の中でなぜ今まで戦争が起きなかったのは
俺たちが火種が生まれるたびに消していったからだというのも
ひとつの真実ではあるのだと思う。
技術が進化しないように、真実に気が付かないように。
それは、エデンの園で林檎を食べてはならないといった神とどう違うのか。
ハンジとリヴァイは機転を利かせるわけだが
悪魔と罵られる。これもきついが仕方のないことだ。
ニックにもあんたらがそう見えただろうね、ざまみろばか
というハンジを見て、思った以上にハンジがショックを受けてきたのだなと感じる。
こういう役には多分順番がある、
役を降りても誰かがすぐに代わりを演じ始める、
頑張れよ、ハンジ というサネスの言葉が
これもまた真実であり、家具にあたるハンジの姿が見ていて苦しい。
ヒストリアを女王に即位させるという計画。
ヒストリア感想言え
私には無理ですてきません
だろうなだからそんな事はどうでもいいやれ
というリヴァイとヒストリアの会話は印象に残る。
リヴァイは、わかったじゃあ逃げろ 俺たちから全力で逃げろ
俺たちも全力でお前を捕まえてあらゆる手段を使ってお前を従わせる
と言う。
逃げるな従え、ではないのがリヴァイらしい。
「お前らは明日何をしてると思う?
明日も飯送ってると思うか?
明日もベッドで十分な睡眠を取れると…思っているか?
隣にいる奴が…明日も隣にいると思うか?
俺はそうは思わない」
リヴァイが今まで送ってきた日々を彷彿とさせる言葉である。
確かに地獄が始まるのが明日からではない根拠はどこにもない。
なんとかしたい。
「俺なら巨人に食われる地獄より人が殺し合う地獄を選ぶ
少なくとも人類全員が参加する必要は無いから」
こうした台詞も、リヴァイらしい。
キツイことを言っているようでいて、どこか優しいのだ。
計画は 実質的最高指導者のロッド・レイスを捕らえ
対話をし、その結果相手に正義があると思えば
全てを失うべきは我々かもしれないという壮絶なもの。
しかし答えが明らかになるまで
我々の信じる価値観と倫理観に基づいて突き進むまで。
確かに、そうするしかないのだ。たとえあとから間違っていると気づくことになろうとも。
そうして民衆の前で神の王冠を譲らせ
そこまでしてもようやく「ウォール・マリアの穴を塞ごうとする」
ことができるという遠い道のり。
リーブス商会の件は好きだし、会長がリヴァイを
不器用でお人好しで律儀と評価しているのはほっとするところだ。
筋を通しているのは、きっと地べたから這い上がってきた人間。
ヒストリアに、「あんたの上司は恐ろしい男だが悪い奴じゃない」と、
女王になったらぶん殴ってやれば良いと冗談を言い、
エレンも笑う。
しかしそんなささやかな希望の会話も長くは続かない。
巨人と人の戦いの物語かと思っていたものが
人と人との戦いに展開していく。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ戦の後の心理状態の描写もリアルだ。
エルヴィンが意識もなく重傷というのもショックである。
みんながボロボロになって、心と体に傷を負っている。
自分が攫われたから大半が死んだ。
最中に微かに見える希望、エレンが巨人を操ったかもしれない
という事実。
「お前を取り戻す為に死んだ人たちを活かすか殺すかは
お前次第」。ジャンは本当に成長したと思う。
図らずも今回で、一週間しか壁内の”最後の平和”はもたないことが
証明されてしまった形になった。
エルヴィンが部下を何百人と巨人に食わせてきたのだから
腕一本では足りないというのが気丈であるが
きつい台詞でもある。
判明する巨人の弱点の理由。
リヴァイの「俺が今まで殺していたのは人だった」という言葉も
なかなか辛いものがある。
確証は無いとは言え、胸糞の悪い仮説なのだ。
図らずもまた同期と行動を取れることになったエレン。
巨人の力で壁を塞げるなら、命懸けで大人数で
資材を運びながら進む必要がなくなる。
一日でウォール・マリアが奪還できる。
かなり凄いことだ。現実味がない。
比較的前向きで意欲的なハンジが弱気になるのも
きついものがあった。
ニックが憲兵団に拷問を受けて殺された。
中央の連中の考えもまた読めず、恐怖を感じる。
必死に動いていた壁の外をにらんでいる間に
背後から刺されて致命傷。正にそうなりかねない。
だからこそ、時間が経つほど追い詰められると言う
リヴァイの意見は正しいだろう。
クリスタの過去も壮絶だ。
開拓地に2年いて訓練兵になったというが
そんな過去を持つ割にはそれでも曲がってなさすぎるというか
本当に良い子なのだろうなと思わされる。
クリスタが、エレンはとても辛いだろうけど
やりたいことがいつもはっきりしていると言う。
エレンが何もしなきゃみんな食われておしまいなんだ
悩んでる余裕がないんだよ、というのも真実をついている。
クリスタ、もといヒストリアは、
クリスタ・レンズみたいな良い子はもういないと言うが
エレンは、前は不自然だった、今のお前は何かいい
別にお前は普通だと言ってくれるのが、飾らない
大した良い言葉でもないのが余計に伝わる感じがする。
リーブス商会は、物語の始めで荷馬車で塞いで
避難を遅らせていたのが会長だったとは。
まさか交渉成立するとは小気味好い展開だった。
確かに、このままわけのわからぬまま人類滅亡の日を迎えるわけにはいかない。
我々がこの壁に残された人類全ての実権を握るのだと説くエルヴィン。
こうした政治的な展開も織り込まれるとは予想していなかった。
リアルな問題描写だと思う。興味深い。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ流石のミカサも全く迷いがない訳ではない。
それは当たり前だ。苦楽をともにしてきた同期なのだ。
考えてみれば、ライナーはこの時点で既に
相当の訓練は受けてきていた訳で、対人格闘訓練も
エレンに対して手加減をしていたことになる。
エレンも巨人の状態でハンジの指示を聞けるようになっているのだが
それでも巨人になる練度で言ったら
ライナーとベルトルトには敵わないに違いない。
二人の連携能力もある。
エレンの身柄が奪われてしまうのは
予想できたこととは言えショックだ。
味方はハンジを始め満身創痍。
馬を運ぶ手段がないからすぐにエレンを追えないまま5時間。
絶望的状況である。
ミカサが泣き叫ぶ、怒り狂うというのではなく
「なんでエレンは私達から遠くに行くんだろう」
と静かに言うところがまた心にくる。
そんなミカサとアルミンのところにハンネスさんが来てくれて
「いつものことだ」と言ってくれるのが染みる。
「俺はヤクタタズの飲んだくれの兵士で十分だった」
「お前ら3人が揃ってねぇと俺の日常は戻らねぇからな」
泣ける台詞だった。
闘志を取り戻し糧食を食べるアルミンとミカサ。
彼らの予想通り森にいるライナーたち。
巨人の能力といってもやはり万能ではないのである。
そしてよくわからないのがユミルの立場だ。
エレンよりは知識がありそうだが、ライナーらの仲間ではない。
エレンが自分の母の話をしたときどう思ったのかと問うと、
気の毒だと思った、と答えるベルトルト。
エレンからすれば怒りしか無いだろうが、ベルトルトも辛くないわけではなかったはずだ。
「オレがまだ甘かった。オレは頑張って
お前らができるだけ苦しんで死ぬように努力するよ」
というエレンの言葉、少なくともライナーの胸には刺さっていたのだろう。
古城で一緒にいたユミルから齎される情報。
俺達とエレン、どちらがクリスタを助けるのに頼りになるか。
情報がないエレンにとっては、切れるカードがなさすぎる。
聞いているしかないのがもどかしい状況だ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私服で隔離される同期達が、事情が事情とは言え気の毒だ。
そして、コニーが「南に俺の村がある」と言うのが辛い。
いざ村に着いた時の衝撃たるや。
彼の家には手足の細い巨人が仰向けに倒れており
自力で移動ができないように見える。
村に人はおらず、食われた痕跡も無い。
家は壊されているが、逃げ延びたにしては馬もそのまま。
極めつけは「オアエリ」という言葉である。
母親に似ていた、と話すコニー。
話をそらそうとする仲間たち。
壁内を調べても巨人が侵入したと思われる穴が見つからない。
悍ましい予想しか成り立たない。
猿の巨人も恐ろしい。
体が大きく、頭が良さそうで異質感がある。
ウトガルド城で一夜を明かすことになるが、
どんどん追い込まれていく。
装備もなくこの状況は本当に辛い。どんなに恐ろしいか。
一方のエレン。
穴を塞げるかどうか、「やるしかないやれ」というリヴァイの言葉は
とても厳しいのだが、本当にやるしかないのだ。
そこまで人類は追い込まれている。
しかし司祭は、人類滅亡より重要な理由があって真実を話せないと言う。
ハンジ達もウトガルド城へ向かっていることが
せめてもの希望だ。