TAGROのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
西尾維新は好きか嫌いかと聞かれれば、「かなり積極的な方で好き」と答える存在だ。ただ、本格的に活動を始めた時期が大学院~社会人になりたてのころで、その後は海外にいたので、その速筆に追いつくのを途中であきらめてしまいすっかり距離が遠くなってしまった。本書の表現を使えば「はぐれてしまった」感じ。
この作品も実際に読むまではシリーズものの3つ目と言うことも知らなかったし、そもそもなぜ手に取ったのかもよくわからない(wishlistに入れた理由ってなんだったったっけ?)。で、実際に読み始めるといつもの雰囲気で、あっという間に読み終えることが出来た。
基本的には入れ子構造というか、章立てごとに作品を楽 -
Posted by ブクログ
二面性がない人間は何を求めているか。あやふやな自分の定義ってなんだろうと悩まされました。
自分は何人いるか。加藤あんなの話でも出てきましたが、人間はいくつもの内面性を持っているようで確実に一人の人間でもあります。今回も色んなカサブタや痴漢のような変態の話をしていましたが、共感できるようで、拒否感もわりとあるし、それをなんとなく受け入れている自分スゲーと自画自賛してみたりとただ作品読んでいるだけでも自分の色んな面が出てきました。そういうのが普通の人間なんじゃないかなと自分を正当化もしていますが、蒔子のような人物に会ったとき自我を保てるか心配になります。複数の内面性をもたない人間に話かけて、そ -
Posted by ブクログ
かなり良かった。西尾維新の素晴らしい一冊。
物語は、近親相姦ぎりぎりの兄である様刻と妹夜月そして、様刻のクラスメイト三人との人間関係を通じて世界と自分がどう関わって行くかを問い直す物語。
西尾さんが意識して確信犯的に漫画的表現を作品の中に取り入れているのでしょうが、これが凄くイイ!
会話のテンポ、主人公の情景描写など、リズムのある動的表現が独特の世界をつくっている。
特に妹である夜月の台詞のセンスがいい。
台詞だけで、内面から表情に至まで全て言い尽くしてしまうような、表現力のセンスは秀逸。
途中、殺人事件が唐突に出てきて、トリックを解明していく話になるのだけど、これは非情に平凡。
ただし、