釈徹宗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本はほとんどあらゆることを言い切っていない。わざとそういうふうに書いている。つまりそれが、答え、というか姿勢である。
実家には大抵仏壇があって、墓参りにも行き、親族を仏教の葬式で見送っていても、無宗教だと語る人は多い。
本書の印象的な言葉に、簡単に無宗教を標榜できるのは、生前仏教になんの関わりもなかった人が、死んで儀礼をうければいきなりブッダに、という安心感というか帰着感というか、それがあるのでは、というものがあった。自分も含めて、そうなのかもしれないなあ、と思った。
宗教とは、とくに仏教とは、折り合いを付けるためのものであり、また関係性を考えるためのものであると。
その他気になったのは、 -
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Posted by ブクログ
内田先生のお話が好きなので手にとって見た一冊。
タイトルを見て仏教の入門書だと思うと騙されてしまうので注意が必要。
仏教というテーマを書簡のやり取りという形で語り合うという内容。書簡という体裁はやはり宗教ネタだからか。
中身は内田先生の本らしく放談っぽい形になっていて、あまり厳密に仏教の話にこだわっているわけではない様子。日本における宗教のあり方や世界哲学全般、レヴィナス老師、キリスト教、イスラム教など、話は多岐にわたる。
中々面白かったのだけど、どうも内容が散逸的だったり、実は上下巻でずいぶん中途半端なところで話が途切れていたりと、色々と残念な点が目についた。
下巻は気が向いたら買おうかな -