あらすじ
どんな難問・奇問・珍問にも答える住職、シャク先生が、絶妙の回答で仏教の思考法を教えてくれる一冊。みんなが感じている悲しいこと、耐えがたいこと、ヘンなこと、納得のいかないこと……を仏教的に一刀両断。まさにこの人は「仏教の白石さん」だ!文庫版。
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Posted by ブクログ
この本はほとんどあらゆることを言い切っていない。わざとそういうふうに書いている。つまりそれが、答え、というか姿勢である。
実家には大抵仏壇があって、墓参りにも行き、親族を仏教の葬式で見送っていても、無宗教だと語る人は多い。
本書の印象的な言葉に、簡単に無宗教を標榜できるのは、生前仏教になんの関わりもなかった人が、死んで儀礼をうければいきなりブッダに、という安心感というか帰着感というか、それがあるのでは、というものがあった。自分も含めて、そうなのかもしれないなあ、と思った。
宗教とは、とくに仏教とは、折り合いを付けるためのものであり、また関係性を考えるためのものであると。
その他気になったのは、「明日と来世はともに経験できない」「きちんとした時刻表があうからこそバスが遅れているのがわかる、という感覚」など。仏教の話ではないけど、お天道さまが見ている、という気の持ちようは、結構好きなんだ。