大森望のレビュー一覧
-
50代からのアイドル入門
- カート
-
試し読み
-
50代からのアイドル入門
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
SF翻訳やアンソロジスト、「文学賞めった斬り!」シリーズや書評でお馴染みの大森望さんが…という意外性とタイトルのインパクトで読んでみた。
ライブ評は、ロッキングオンジャパンのそれによく言われる「毎月日本のロックに革命が起こる訳ないだろ」の対極みたいなクールさがいい。現場主義の極地。聴いたことない曲の連呼に戸惑う。ライブの同行者にこれまた斯界では有名なミステリ評論家の香山二三郎さんが頻出して笑った。
ハロヲタぶりは微笑ましい。本業もこなしつつ妻子もおありになるのに良く時間あるなあと思ったけど、洋楽殆ど聴かないのかも。日本の音楽市場はつくづく特異だなあ、とも思わざるを得ない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人類が宇宙の星々へ飛び出し、新たな文明を切り開いた時代の話。カアエン人という服飾文化を奉る人々がいた。彼らの存在を異端および脅威とみなしたザイオード星団の人間は、カエアン人を仮想敵とみなし、弱点を探るべく調査団を送る。そのいっぽうで、高価格で闇取引されるカエアン製の衣装を密輸するザイオード人の悪党。彼らの陰謀に巻き込まれ、さらにカエアン製の衣装の秘密にせまることになるひとりの「服飾家」。
衣装が人を操るという発想だけでも面白いのに、さらに踏み込んで衣装の材料となるとある植物に知性があって、彼らが人類の制覇を狙っているという設定がぶっ飛びすぎている。
アイデアの面白さはそれだけではない。カエアン製の衣装を満載した船が墜落したという惑星は「インフラソニック」恐竜(強力な低周波で敵を粉砕する)がいるため、専用の防護服が必要だとか、一生をロボットスーツの中で過ごし、ロボットのボディを本物の体だと認識するソヴィヤ人、彼らの敵として登場する、肉体を改造してサイボーグ化することで宇宙に適応した種族。他にも使い捨ての面白すぎる小ネタ満載で、湯水のようにネタを使い捨てにしながら力強く本筋が展開してゆく。この手の小説を「ワイドスクリーン・バロック」と呼ぶという。
アイデアの展開が主眼になっているせいか、キャラクターはあまり作りこまれていない。主役級の服飾家ペデルにしても、社会学者のアマラにしても、話をすすめるための駒のような扱いだ。あたかもフラショナール・スーツに操られた人々のように。
かろうじて人間臭さがにじみ出ているキャラクターといえば、悪党の頭のマストと、これはある意味皮肉かもしれないが、ロボットスーツの肉体を持つソヴィヤ人のアレクセイぐらいだったりする。 -
Posted by ブクログ
「ブラックアウト」の続き。続篇の「オールクリア2」まででひとつの物語になる。本書は物語の途中なので、中弛みを感じてしまうが、第二次世界大戦中の英国で3人が元の時代に戻れなくて奮闘するのに興奮してしまう。3人が予定通りのタイムトラベルができなかった理由は徐々に明らかにされていく。もしかしたらどんでん返しがあるのかもしれないが、ラストに向けて怒濤の展開を期待せざるをえない。そもそも時空で迷子になった3人は元に戻れるのだろうか。戦時中の一般市民の情景をリアルに表現したこの物語は、長いけれどそれほど無駄はないストーリーだ。これからどのようにまとめられるのか楽しみである。
-
Posted by ブクログ
映画の公開に合わせて出版されたアンソロジー。伊藤計劃さんが書いたエピローグに円城氏が長編作品として仕上げた「屍者の帝国」。この作品をもとにしたシェアード・ワールドものである。屍者が登場するのはすべての作品で共通しているが、役割や生者との関わりが異なる。この作品集を読んで、改めて「屍者の帝国」を読みたくなった。円城氏のインタビューも屍者の帝国を読む上で役に立つだろう。面白かったのは、「小ねずみと童貞と復活した女」「屍者狩り大佐」「海神の裔」。
以下、個別作品の感想。
◎従卒トム(藤井 太洋)
江戸城無血開城とアンクル・トムと屍者を絡めた物語。奴隷だったトムであるが、屍者になってしまっても元主人への忠誠が変わらないところは日本的で素晴らしい。江戸時代の武士が持つ主君への忠誠心ともリンクする。
◎小ねずみと童貞と復活した女(高野 史緒)
読みはじめは、笑えるという意味の面白さであったのが、エンディングに向けて、物語自体の面白さを感じるようになった。驚きの結末が見事。
◎神の御名は黙して唱えよ(仁木 稔)
宗教(特にイスラム教)と絡めた屍者の物語。あまりのめり込めなかった。
◎屍者狩り大佐(北原 尚彦)
「屍者の帝国」のパスティースュであり、シャーロック・ホームズのパスティースュでもあり、その他の作品のパスティースュでもある。こんなことは関係なく単純に面白い。
◎エリス、聞えるか?(津原 泰水)
コミカルであるが、どこか哀しげな感じがする物語。いくつもの作品で、屍者は死んでいるのか生きているのか議論になるが、本作品を読むと、屍者は生きていてくれと思いたくなる。
◎石に漱ぎて滅びなば(山田 正紀)
夏目漱石が登場する英国での屍者の物語。似たような舞台の「エリス、聞えるか?」が哀しい感じがするのに対し、こちらは冒険活劇といっていいと思う。登場するものが現実にあるものとリンクして、「なるほど、こうきたか」とくすりと笑わせる部分もあり、楽しく読めた。
◎ジャングルの物語、その他の物語(坂永 雄一)
前半はゆったりとした展開でなかなか物語の中に入って行けなかった。それが最後はトントントンと展開し、スピード感があって楽しく読めた。物語の背景にある別の作品をよく知らないからなのか、あまり面白味を理解できなかった。作品末に挙げられている本を読めば楽しめるようになるのだろうか。
◎海神の裔(宮部 みゆき)
いい話だ。屍者が漁村でひっそりと活躍する話はほっこりしていい感じ。おばあさんの証言という形式なのもいい。
◎『屍者の帝国』を完成させて 特別インタビュー(円城 塔/述)
『屍者の帝国』が書かれた背景を作者本人が語るインタビュー。円城氏の苦しみや『屍者の帝国』と伊藤計劃の関係を知ることができる。 -
Posted by ブクログ
相沢沙呼「フレンドシップ・シェイパー」あるあるネタですね!まあ登場人物も少ないしすぐ予想はついたけども、正直百合百合筆ペンプレイが気になってそれどころではなかった。
七尾与史「学園諜報部SIA」これは…ミステリではないですね、情報が後出しすぎるし。チューヤさんはなかなかいいキャラだと思った。
深緑野分「血塗られていない赤文字」多分これが初深緑さん。キャラクターがいいなあ。シリーズ化してるのか、ちょっと読みたい。
田丸雅智「E高生の奇妙な日常」
「自転車に乗って」「E高テニス部の序列」「友人Iの勉強法」の三本。おお、これは…なんだか懐かしい。清く正しいショートショートの香りがする。特に、めちゃくちゃなカリスマ部長がいるテニス部の話は、語り手の信頼ぶりが何とも奇妙に面白い。
辻村深月「踊り場の花子」辻村さんの本は大体読んでると思ってたけど、『ふちなしのかがみ』は読んでいなかった模様。ううんこわい。読みたい。