高橋知子のレビュー一覧
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本書の刊行に関する政治的なゴタゴタはともかく、帯にあるとおりヘイト本ではなかった。むしろ、都市化による個人の孤独化やSNSによる子供への精神的な影響、実体を無視して暴走する観念、ネット上でカルト化する人権運動、資本主義経済が倫理を踏み潰して暴れている様などが読み取れるアメリカ現代社会の病理を描いたルポとして非常に興味深い内容だった。トランスジェンダリズムの流行とは現代社会の問題点が集約された社会現象だったのだなと改めて思わされた。
現在アメリカで「トランスジェンダー」を自認する人の多くが、かつて性同一性障害と診断されてきた人々とは違って、思春期に突然性別違和を感じはじめた少女たちだと言う。本 -
Posted by ブクログ
日本での刊行にあたり発売が、反トランスジェンダー本で有害だからという理由で抗議があがり、一旦中止に追い込まれた本書。反トランスジェンダー本でもなんでも無かった。アメリカでも日本でもどこでも有害な活動家(医者をはじめとする専門家も含む)はいるし、彼らを信じて感情的になり事実に目を背ける大衆がいる。本書が日本でも刊行され書店で手に取ることができ、読むこと、知ることの権利が奪われなくて本当に良かった。性別違和、急速発症性性別違和(RODG)に悩み性別適合手術(乳房を切除するトップ手術)を受けた後に、自らの選択、行動を後悔している彼女(少女)らの心のケアは誰が行うのだろうか。日本での本書刊行に反対した
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Posted by ブクログ
注意して読んだのは、TMSを施されたあとのジョンを含む被験者の変化がどのように現れ、それらが彼らの言葉でどう表現されるかということ。
この表現に使われる言葉が抽象的であればあるほど私の想像はクリアになっていく様に感じたし、それを脳科学的に解析するアルバロをはじめとする医師たちの言葉はその想像を実際に脳の構造を描きその機能を理論だててくれた。
既に観た映画『アルジャーノンに花束を』は本書を映画化したものと思って読み始めたがそれは違った(よくある原作と映画化の相違みたいなものかもしれない)
どちらも良い作品であるだと思うが。
やはりこの本の優れているのは何と言っても、日本語訳。ジョンのTMS -
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「普通の人」の定義ってなんだろう。
そう考えさせられるお話。
病気は治すことが良いとされていて先天的な精神障害もその例外ではない。しかし、筆者の体験からは必ずしもそうではないと思い知らされた。
もっとも、筆者は病気という認識はなくひとつの個性として受け入れてきた時間が長いことが功を奏していたのだろうけども、自閉症と診断された子供はかつての筆者のように学校や親からはそれは悪いもので治さなければいけないものとして認識しなければいけなくなる。
病気として定義づけることはマイナスの要素を孕んでいて、治療することはその人の個性を奪う可能性もあることを周りの人間は知っておかなければならない。
試しにこの治 -
ネタバレ 購入済み
聴こえることの長所短所
私は自閉症スペクトラム障害(ASD)があるので、ASDでない人が見ている世界と自分の世界にどれくらいの違いがあるのか知りたくて読みました。
人の気持ちが分からなくても、分かるふりをして生活することはできます。ですが、著者の体験を読むと、共感能力があることがいかにカラフルな世界なのか分かりました。もちろん共感能力があるが故に辛いこともあるようです。
「幻覚と現実」の章にTMSの女性被験者の体験が記載されています。アスペルガーの人が社交不安を抱えている理由を「よその国にいて、現地の言葉もろくに話せない状況に置かれているようなものです」と書いていて目から鱗が落ちました。今後、ASDのこと -
Posted by ブクログ
ハードボイルドの翻訳で有名な小鷹信光が編集した、全編本邦初訳の短編集。「謀」「迷」「驚」「戯」「怪」という切り口から、さまざまな味わいの良作をセレクトしている点も面白い。
短編の名手リッチーが、文字通りあの手この手を駆使して繰り出してくる球は、鮮やかなどんでん返しが小気味よい「消える魔球」系から、じわりと温かい気持ちになれる人情譚、この作者には珍しいSFホラーめいた怪作まで、実にバラエティ豊か。
「謀」に三篇収録の名探偵・ターンバックル物は、とぼけた味わいとミステリーの常道を茶化すような描写、予想を裏切る展開が楽しくてしょうがない。
「怪」の巻に収録の「猿男」は、人生いいことばかりじゃないけど -
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購入済み
ヒューマンホラー
洋書はあまり得意ではないですが、SNSで評判が良かったため購入。
口コミなどからある程度の予想はついてましたが、さらにその一枚上を行かれた感。
やられた。面白かったです!
刑務所に入っていたとか母乳とか青いバケツとか、日本ではなかなか触れないようなことを何のためらいもなく表現する感じがアメリカだなぁと思いました。日本の価値観からするとちょっとギョッとするというか新鮮というか。
先述のポイントもふまえて、面白いけど映像化は難しいだろうと思ってたら訳者解説で映画化の話されててびっくり。これを映像化しちゃうところもアメリカ!って感じですね。
アマンダ・セイフリッドのヒステリックな演技気になる…