高橋知子のレビュー一覧
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ハードボイルドの翻訳で有名な小鷹信光が編集した、全編本邦初訳の短編集。「謀」「迷」「驚」「戯」「怪」という切り口から、さまざまな味わいの良作をセレクトしている点も面白い。
短編の名手リッチーが、文字通りあの手この手を駆使して繰り出してくる球は、鮮やかなどんでん返しが小気味よい「消える魔球」系から、じわりと温かい気持ちになれる人情譚、この作者には珍しいSFホラーめいた怪作まで、実にバラエティ豊か。
「謀」に三篇収録の名探偵・ターンバックル物は、とぼけた味わいとミステリーの常道を茶化すような描写、予想を裏切る展開が楽しくてしょうがない。
「怪」の巻に収録の「猿男」は、人生いいことばかりじゃないけど -
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うおー、騙された。本の半ばのあるポイントで普通に、え、あれ?!おー!!となった。ところどころで、あれ?っていう違和感があったはずなのに、軽快かつぐいぐい読ます文章だからするするとどんでん返しポイントに連れて行かれ、まんまと、うおーとなった。こういう読書体験は好きだ。
話は、刑務所から仮釈放で出てきたばかりのミリーが、富豪の家に住み込みの家政婦として雇われるところから始まる。そのミリーの目から見た、ヒステリックな女主人、嫌味な子供、そして、ダンディで紳士な夫の住む家での日々が描かれる。翻訳版家政婦は見ただ。
時折不穏な空気が流れる。英語が分からない庭師が何かを警告してくる。ミリーにあてがわれ -
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ネタバレ嫌な振る舞いをする登場人物が散見されて、好みが分かれるところではありますが(私は少し苦手)、
登場人物が少なく、話の筋が追いやすく、一気読みできる作品。
ハンサムで社会的地位がある好人物のようで実はサイコパス、という象徴は物語の中で消費され尽くされているようで、(ミステリーの枠組みの中で出てきた時点で怪しまれる)それでも本作のようにまだまだ一つの作品を引っ張る力がある。
ここに実は一番一筋縄ではいかない人物は主人公であり、サイコパスを作り上げた母親もまた常識の枠外で生きているという要素を入れて、意表をつかれたい読者の期待に応えるエンタメ作品になっていると感じました。辛い目にあった女性皆が人生 -
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これでもか、というほどの事例が提示され、それぞれの当事者や関係者の行く末が丁寧に描かれていました。この分量のデータを集め、形にされた筆者の熱意を感じました。
以下、印象的だった内容です。
・物理的には比較的不自由なく生きてきた中で、何らかの原因で周りに馴染めない自分に理由を見つけたくて、「自分は女の子じゃないのかもしれない」という思いに至るというケースが多いということでした。
・未成年からの一方的な主張だけで、身体改造に進んでしまうと、後戻りできなくなる、ということも書かれていました。
・そこまで熱狂的にTGになりたいと思う裏側には、「仲間が欲しい」「何者かになりたい、思われたい」という欲が -
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ネタバレ 購入済み
与えられた情報から答えを導く
与えられた情報から読者が答えを導くという本になっています。
中々面白かったです。
ただ、真相を見なくてもある程度推察できてしまうと感じました。
大抵の場合、怪しいと思った方の主張に矛盾点が紛れていて、どんでん返し的なものはありません。
怪しいけど証拠不十分なので無罪、なんてパターンがあればもっと良かったかと思います。 -
Posted by ブクログ
厚くて長い本なので、最初だけ読みました。後はパラパラと。
いわゆる、トランスジェンダーと言う概念が広がる中で、本来は医学的には性不一致ではない子供たちが、メンタルの状況によって、トランスジェンダーを自認して、テストステロン投与や、手術に踏み切ってしまうと言うことに、警鐘を鳴らす内容。
そうですね、個人的な、感覚的には、何かファッションの一環というか、考え方1つで、LGBTQになるみたいなところはあるような感じは持っていました。全く否定するわけでは無いですが。
とは言え、LGBTQコミュニティーからは、割と内容的に糾弾された物議を醸した作品だったようです。
LGBTQと言うラベルをつけな -
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