高橋知子のレビュー一覧

  • レヴィンソン&リンク劇場 皮肉な終幕

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    ブラックジョークの詰め合わせみたいな一冊で、死体がごろごろ転がっているっていうのに何度かうっかり爆笑してしまった。とりわけ『強盗/強盗/強盗』や『ジョーン・クラブ』みたいな天丼ネタが面白くてお気に入り。アリバイ作りが失敗したミステリとしての『愛しい死体』も、ものすごく良かった。ブラボー!

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    2022年10月28日
  • ひとの気持ちが聴こえたら 私のアスペルガー治療記

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    注意して読んだのは、TMSを施されたあとのジョンを含む被験者の変化がどのように現れ、それらが彼らの言葉でどう表現されるかということ。
     この表現に使われる言葉が抽象的であればあるほど私の想像はクリアになっていく様に感じたし、それを脳科学的に解析するアルバロをはじめとする医師たちの言葉はその想像を実際に脳の構造を描きその機能を理論だててくれた。
    既に観た映画『アルジャーノンに花束を』は本書を映画化したものと思って読み始めたがそれは違った(よくある原作と映画化の相違みたいなものかもしれない)
    どちらも良い作品であるだと思うが。

     やはりこの本の優れているのは何と言っても、日本語訳。ジョンのTMSの受け入れ揺れに動く切ない心情や、アスペルガーとしてもって生まれた過敏な感覚が更に研ぎ澄まされていく様子がジョン自らが語る言葉の繊細さで見事に伝えてくれているところにある。

     TMSを受けた自分を想像して、自己の感覚の拡張世界に入り込んでみたり、逆にアスペルガーになった自分が、失うことになった感覚で生きる世界に入り込んでみたりしながら読んでいる自分がいた。現実にいながら、隔絶したカプセルの中の時空を味わった。映画でなく本でこんなトランス状態になれたのは久しぶりだ。
     
     素晴らしい時間をくれた  本。
     

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    2022年08月30日
  • ひとの気持ちが聴こえたら 私のアスペルガー治療記

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    「普通の人」の定義ってなんだろう。
    そう考えさせられるお話。
    病気は治すことが良いとされていて先天的な精神障害もその例外ではない。しかし、筆者の体験からは必ずしもそうではないと思い知らされた。
    もっとも、筆者は病気という認識はなくひとつの個性として受け入れてきた時間が長いことが功を奏していたのだろうけども、自閉症と診断された子供はかつての筆者のように学校や親からはそれは悪いもので治さなければいけないものとして認識しなければいけなくなる。
    病気として定義づけることはマイナスの要素を孕んでいて、治療することはその人の個性を奪う可能性もあることを周りの人間は知っておかなければならない。
    試しにこの治療をやってみました、「普通の人」みたいに人の心が分かるようになりました、ハッピーエンドです、で終わらないのはノンフィクションの良いところ。
    様々なことを考えさせられるこの作品は多くの人に読んでもらいたい。

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    2022年02月21日
  • ひとの気持ちが聴こえたら 私のアスペルガー治療記

    ネタバレ 購入済み

    聴こえることの長所短所

    私は自閉症スペクトラム障害(ASD)があるので、ASDでない人が見ている世界と自分の世界にどれくらいの違いがあるのか知りたくて読みました。

    人の気持ちが分からなくても、分かるふりをして生活することはできます。ですが、著者の体験を読むと、共感能力があることがいかにカラフルな世界なのか分かりました。もちろん共感能力があるが故に辛いこともあるようです。

    「幻覚と現実」の章にTMSの女性被験者の体験が記載されています。アスペルガーの人が社交不安を抱えている理由を「よその国にいて、現地の言葉もろくに話せない状況に置かれているようなものです」と書いていて目から鱗が落ちました。今後、ASDのことを誰かに説明するのに役立ちそうです。

    人の気持ちが聴こえるようになることには、メリットもデメリットもあるというのが著者の主張だと思います。
    TMSを私も受けてみたいですが、しばらくは「しゃべる犬」として頑張りたいです。

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    2020年04月26日
  • ひとの気持ちが聴こえたら 私のアスペルガー治療記

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    実体験からなる魔法のような体験を書いた本で、脳の働きについて考えさせられました。


    特に「脳の一部の機能が劣っているとき、その部分が別の能力のために使われている」という点に納得感がありました。

    そうなると平均を求めるよりは、そういったものも個性として受け入れる社会にすることが人類全体として目指す方向なのではないかと思いました。


    しかし脳をいじっただけで一瞬で「人の気持ちが分かる人」になるということは、察するスキルって後天的に得られるものというよりはほぼ才能なんですね。

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    2019年06月11日
  • ジャック・リッチーのあの手この手

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    ハードボイルドの翻訳で有名な小鷹信光が編集した、全編本邦初訳の短編集。「謀」「迷」「驚」「戯」「怪」という切り口から、さまざまな味わいの良作をセレクトしている点も面白い。
    短編の名手リッチーが、文字通りあの手この手を駆使して繰り出してくる球は、鮮やかなどんでん返しが小気味よい「消える魔球」系から、じわりと温かい気持ちになれる人情譚、この作者には珍しいSFホラーめいた怪作まで、実にバラエティ豊か。
    「謀」に三篇収録の名探偵・ターンバックル物は、とぼけた味わいとミステリーの常道を茶化すような描写、予想を裏切る展開が楽しくてしょうがない。
    「怪」の巻に収録の「猿男」は、人生いいことばかりじゃないけど、悪いことばかりでもないと思わせてくれる名短編。希望の持てるラストが胸を打つ。
    「三つ目の願いごと」も「リヒテンシュタインの盗塁王」もいいなあ。
    全編が「買い」、大満足。

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    2014年01月28日
  • ハウスメイド

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    途中までは辛い気持ちで読むのをやめようかと思いましたが、後半からどんどん面白くなりました。映画化に向いているストーリーです。

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    2026年11月01日
  • ハウスメイド

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    ☆4.0【Audible】

    ハリーポッター以来の海外小説だったけど主要な登場人物が少ないし翻訳も全然気にならなかったので違和感なく楽しめた

    1部でミリーがどんどん追い詰められていく様子、色々な違和感、不穏な空気感を2部で綺麗に回収し、ネタバラシしていくのが最高

    正直、ミステリー好きの人ならある程度は予想できるだろうなとも思ったし結構ベタっちゃベタだがエンタメとして充分に楽しめる作品だった

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    2026年10月31日
  • ハウスメイド

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    ネタバレ


    想像以上に読みやすく、想像以上に面白かったです。

    これまで海外の翻訳小説は苦手意識がありましたがこの作品は本当に読みやすく新しい体験でした。

    1章のラストにかけて、アンドリューがおかしいのでは?疑ってはいましたが、そこからの立て続けにストーリーが進んでいく中でミリーの過去であったり、実はアンドリューのお母さんも同じことをしていたことだったり。
    予想外すぎてとても楽しめました。ホラーというよりもミステリの要素が強かった印象です。

    ラストもミリーが次のお家で雇われる展開で最後まで面白く読めました!海外の小説もおもしろいと思えた出会えて良かった作品です。

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    2026年10月30日
  • ハウスメイド2 死を招く秘密

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    ネタバレ

    めちゃくちゃ読みやすくて、続きが気になる!
    ミリーがどんどん窮地に追われて、どう巻き返すのか、楽しみにしながら読んだ。

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    2026年10月30日
  • ハウスメイド3 最後の秘密

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    ネタバレ

    さて今度はどんな家でハウスメイドやってどんな問題が起こるのだろうか...と読み始めたら、まさかのミリーが40代になっていて、エンツォと結婚して子ども2人だってところでまず驚いた。
    一軒家も購入し、いざ住み始めたら隣家は曲者ぞろい。なんかミリーらしい。彼女の行く先々、事件は起こるんだよね(笑)

    エンツォとスゼットのいざこざで思ったんだけど、こういう風にあることないこと勝手に想像してしまうというのは怖いなと思った。夫を愛してるからこそ、奪われるんじゃないかと焦る気持ちが物事を悪い方へ考えてしまう。
    でもエンツォがちゃんと全部ミリーに話していてくれれば、いろいろ勘違いすることもなかったのにな。言葉が足らないのよ。

    ラストはこれまた予想外の展開だった。エンツォの優しさと強さに拍手を送りたい。
    私ももし娘が罪を犯してしまったのなら、しかもそれが正当防衛であれば当然娘を庇いたくなると思う。
    ただ、エンツォのように名乗り出ることが果たしてできるんだろうか。

    エピローグが凄かった。うわ、あなただったのね...という驚愕。殺らなければ殺られてたかもしれないのだから、彼女の行為も許容範囲か?と一瞬思ったが、やはり野放しにすべきではない。でも誰も真相は知らないんだよね。怖いわ、ほんと。

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    2026年10月28日
  • ハウスメイド

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    ネタバレ

    オーディブルにて耳読。
    久しぶりの海外ミステリーめちゃくちゃ面白かった!映画化するのも頷ける。あとがきによればシリーズ化して3作目まであるとか?
    ラストの雇い主とミリーの会話が次作を予感させたもんね。私を助けて、はダブルミーニングだよね。
    ミリーが過去にずっと勘違いされてきたこと、いつか疑いが晴れたらいいなって思う。

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    2026年10月27日
  • ハウスメイド3 最後の秘密

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    ネタバレ

    今回も、読みやすく、前半はなかなか展開しなかったが、後半は楽しめた。エイダの犯行と思ったが、結局、致命傷を与えたのはマーサだったのだろう。ただ、ミリーの家族は、みんな秘密だらけなのだな。

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    2026年10月27日
  • ハウスメイド

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    翻訳特有の不自然さが無く、読みやすい和訳でした。
    全部の結末を読み切ることは難しかったですが、なんとなくの方向性は見えたため、予想外という感じはありませんでした。
    登場人物が少ないので急展開があっても置いていかれることはなく、グイグイページを読み進めさせてくれます。
    一番好きなキャラと性格を記載するとネタバレになりそうなので差し控えますが、登場人物はどこか極端なところがあるのであまり入り込みすぎずに読むことができました。
    もう一度この世界に足を踏み入れたい気持ちはありつつも、読み始めると一気読みになる(かつ一気読みするにはページ数が多い)こともわかっているので、第二作を読むか非常に悩ましいです。

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    2026年10月26日
  • ハウスメイド

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    オーディブルで。

    初っ端から笑えるぐらい不穏さ全開!

    朗読の方のおかげで、スリラーっぽさもわかりやすく楽しめてよかった。
    その割にグロいシーンはないので、グロ耐性皆無の私でも楽しめた。

    終わり方も好きだった。

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    2026年10月24日
  • ハウスメイド

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    刑務所上がりの女性が屋敷の住み込みハウスメイド(家政婦)として働き始めるも、幸せそうな家族に違和感を覚える。
    主要な登場人物は僅か5人。どこか不穏めいた日常が淡々と続き、先の展開が全く読めない、と思った矢先の衝撃。あまりの面白さに頁を捲る指が止まらず一気に読破。

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    2026年10月24日
  • ハウスメイド3 最後の秘密

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    ネタバレ

    ハウスメイドシリーズの第三弾
    一弾目は読んだが、二段目はまだ読んでいない
    それでも十分楽しめた
    著者は秘密を解き明かす過程が巧みなので、飽きずに読み進められる気がする
    この著者の作品はまた読んでみたい
    もちろん第二弾も

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    2026年10月22日
  • ハウスメイド

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    おもしろかった!
    1・2部の展開はなんとなく予測できても、予想以上に膨らむ物語。そして3部でさらにギアチェンジ。
    短い章とテンポのいい展開で、次々に明らかになる仕掛け。
    これは映画かドラマ向けだと思ったら、既にされてたw

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    2026年10月21日
  • ハウスメイド

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    う~ん、まあおもろかったかな。ちょっとやっぱ意表はつかれましたね
    丁度映画をやってるけど、観に行きたいっていうかんじでもないかな
    2,3と出てるけど、どうなんでしょう 同じような展開なら飽きると思うんだけど、それとも違う展開の仕方なのかな?

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    2026年10月21日
  • ハウスメイド

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    読みやすくおもしろかった!
    どの人もかなり個性が強いしみんなある意味性格や行動に問題があるのに、なぜだか読み終わったあとどの登場人物も憎めなくてちょっと愛着がわいてくる不思議…(ぜんぜんそんな悠長なこといってられるような話ではないんですが)

    展開も一筋縄ではいかなくてハラハラドキドキ引き込まれます。

    ネタバレ↓
    最後にニーナは「ミリーには申し訳ないことをした、もう巻き込みたくない」って思っていたはずなのに、
    エピローグでニーナは「ヤバい家を救いにいくダークヒーロー」としてミリーを召喚するようになってたの笑った!めちゃくちゃ巻き込んどるやんけ!って(笑)

    いや、でもいいんです、新たなヒロインの誕生です!強い家政婦は見た!シリーズができそう。
    なんというか、暴力の頼もしさや面白さを知れました。

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    2026年10月20日