本田有明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
我が身を振り返り恥ずかしさを感じつつも、一気に読み切ってしまいました。
著者の考えと自分の考えとがここまで合致してしまうとは…
著者の本田さんは人材育成コンサルタントであり、冒頭から「人事部の方々がよく『最近の管理職は……』という嘆きを口にするのだ」というところから話は展開していきます。
「上司に対する不満調査」(こんなアンケート調査があるんだ!)の結果をもとに、部下の上司に対する不満をまとめると、「指示・命令が不明確なのに、部下が失敗すると感情的に怒る。そのくせ上司自身は立場に見合った仕事をしておらず、情報の共有もしない。上の人間ばかり見て仕事をし、部下の仕事ぶりを公平に評価することができない。挨拶・会話など基本的なコミュニケーションもとれていない。そんな上司をどうして尊敬することができるか」ということだそうです。
なんとも辛辣!ですが、残念ながらうなずける部分があるのも悲しいところ。
「上司として」という前に「社会人として」どう仕事と向き合っているのか、という点が上司への評価の大きな分かれ目のようであり、その意味では、人としてのあり方も大いに問われるところです。
報連相についても、最も重視すべきは相談であるという点には大いに同感。
そもそも悪いニュースは「報告」や「連絡」の前に、「相談」することでその芽を摘んでおくことが必要であり、「相談」のハードルを下げるためには常日頃からのコミュニケーションが重要なのですから。
「いまどきの部下は」と嘆く上司はたいてい「いまどきの上司は」と疎まれている、ってのもドキッとしました。
仕事に対し、部下の自発的な協力を引き出しつつ、その能力や行動を支援していくのが上司の務めなのですが、言うのは簡単でも実行するのは難しい。
けれども、組織をより良いものにしていくためには、部下よりもむしろ上司が変わっていかなければならないという点は、自分自身の戒めとしたいと思います。 -
Posted by ブクログ
冒頭───
帰りのそうじ当番をしていたとき、校内放送がかかった。
「六年三組の韮崎翔太くん。至急、職員室に来てください」
スピーカーで名前をよばれるのは、初めてのことだ。
モップを黒板の横に立てかけ、教室を出ようとして、ボスたちにぶつかった。
「翔太、なにをやらかしたんだ?」
ボスが大きなからだで前をふさいだ。
「さっき、警察のひとが職員室にいたぞ」
「おまえ、逮捕されるんじゃない?」
付き人のデカ丸とチビ丸が言った。いつものことだ。
──────
中学の卒業式のことは鮮明に覚えているけれど、小学校の卒業式はほとんど記憶にない。
僕らの時代、特に地方に住んでいた僕らには、小学校卒業といってもみんなが同じ中学に進学するので離れ離れになるという意識がなく、それほど悲しいイベントではなかったからだろう。
逆に、中学校ってどんな雰囲気なんだろう? 部活動は何をやろうか? というワクワク感のほうが大きかったように思う。
中学校はあくまで小学校の延長線上で、少し大人になっていく程度の気分だったのだ。
中学受験をするやつなんていなかったし、いじめもなかったし、本当にのんびりほのぼのした時代だった。
でも今は違う。
小学校高学年からいじめは存在し、不良と呼ばれるようなかなり危ない子供も結構いるようだ。
荒んだ公立中学を避けるために、或いはいい大学を目指すために、中学受験も当たり前になっている。
だから、中学進学を機にクラスメイトがばらばらになってしまうので、小学校の卒業式でも悲しさが募るのかもしれない。
この作品は、字も大きいし、表現も平易なので、児童文学の範疇に属すると思うけど、大の大人である私が不覚にも落涙してしまった。
純粋な子供たちの友情や、別れへの哀しみが描かれている姿に、感動してしまったのだ。
学年の中で一番駄目な組と思われている六年三組。
私立中学を受験する子が多く、みんなが好き勝手に行動し、順位付けのある学級対抗では最下位が指定席のクラスだ。
その三組が、あることをきっかけに合唱コンクールで一つになっていく。
コンクールの自由曲を主人公の韮崎翔太と帰国子女の細川が力を合わせて作ることになるのだ。
自分たちだけのオリジナルの歌を作る。
それは卒業の歌でもあり、出会いの歌でもあるという意味を込めて───。
こういう学校ものには弱い。
すぐにジーンと来てしまう。
六年三組の子供たちの未来に幸あれと願いたくなる。
児童文学ではあるけれど、大人が読んでもかなり感動できる良作だと思う。