大野舞のレビュー一覧
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ネタバレこの本は、自分がこれまで持っていた価値観をかなり大きくゆさぶってくれる本でした。自分は、この本を読むような人の多くとおそらく共通して、日本でエリート層に属しているとおそらく言えることと思います。一方で世界情勢についてはこのような本を読んだことはなく、新聞に書いてある物の見方を受け入れてきました。すなわち、次のような考え方です。ウクライナはその全土に対して権利があり、その全土をロシアに対して守り切るのが望ましい決着である。米国を中心とした「グローバル化」の進行は受け入れるべき望ましいことであり、また必然として世界を覆っていくだろう。彼らの文化の一つである同性愛やトランスジェンダーの容認についても
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Posted by ブクログ
西洋の敗北とあわせてエマニュエル・トッド。日本では西側フィルターの情報が多い中で、アンチ西側、フィルターをできるだけ外して世界を見た時、ウクライナ問題とは何かをズバリと。
良い本。
ロシアウクライナ問題。西側諸国に都合のいい目線ではない切り口。そう、つまるところ、西側諸国の資本主義は寿命を迎えつつあって、NATOは自分たちの食い扶持のために侵略していっているのだ。ロシアがウクライナに戦争をしかけたのは、ウクライナという小国を侵略したいのではなく、西側諸国、アメリカにもう勘弁してくれと手を上げたわけだ。
第三次世界対戦となるかは分からないけれど、中国が台湾をどうにかするのは時間の問題だろうし、 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ実家に帰ると、よく「お兄ちゃん」と飯を食いに行きます。
血はつながっていないけれど、小さい頃からいろいろとお世話いただいた人です。
ちょっとアウトローなところがありますが、気のよい人です。
少し前の話になりますが、お兄ちゃんはウクライナ戦争に触れて・・・
「プーチンの○○○○が・・・」
「あいつはほんとに××だな」
と、まぁプーチンのことを口を極めて罵ります。
テレビのニュースを観てればそうなるのも無理はありません。
わたしもどっちかというとそっち側です。
このトッドさんの本には、ざっくり言うとこんなことが書かれています。
・おかしいのはロシアではなく、西側のほうだ
・西側は -
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いち大衆の立場からすると、正直ジレンマ。ウクライナ戦争に至った諸悪の根源が欧米にあるというのは確かにそのとおりかもしれない。ロシアが生存権をかけて戦っているのも事実であろう(それはイスラエルも同じこと)。じゃあ、本来あるべきはロシアに対する同情論か、というとそれも違うと思う。綺麗事に聞こえるかもしれないが、とにかく早く戦争をやめさせるのが先決。でないとベトナムの二の舞になる。気持ち悪いのは、ベトナム戦争のときは米国内で反戦デモが活発だったのに、今回はそういう動きが聞こえない。直接兵士を送ってないから?それともまだまだ世界は事実を知らないから?
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Posted by ブクログ
現在の日本における風潮であるリベラルの没落、外国人嫌い、ポピュリズム政党の台頭は広義の西洋諸国に共通の現象である。
その根っこにあるのは、宗教のゾンビ化から無し状態である。それを表す現象はLGBTや同性婚。その変化により国民国家を結びつけていた集合的意識が解体され、結びつきが希薄になり、人々の不安感が増大している結果である。経済的な側面から言えば、富裕層と貧困層への2極化。
それに真っ向から異を唱えたのがロシア。ウクライナ侵攻以降のグローバルサウスのロシアへの共感は西洋の欺瞞への反発の表れ。それに気付いていないのが、西洋国家のエリート層。
もはや西洋には、世界を支配する軍事力経済力宗教がない -
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ネタバレこのような、「現実をちゃんと見ろ」系でちゃんとした本は参考になる。
アメリカは国として行き詰っており、モノを作ることができない。(ウクライナ戦に武器を十分に供与できない)アメリカはまさに今(2025年7月)、貿易不均衡の是正を求めて関税をかけようとしているが、不均衡の解消といってもそもそもアメリカで製造されているモノはどんどん少なくなっている。著者は、「アメリカの最大の輸出商品はドルそのもの」とする。
アメリカやヨーロッパ諸国では乳幼児死亡率や男性の平均寿命などに悪化の兆しがしっかりと現れている。いろいろな指標をアメリカとロシアで比べると国家としての底力はロシアの方が、ある。
な -
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オーディブルだったので、基本的にはながら聞き。しかし内容量が多いので文字では挫折していたかも。
2024年11月発行で作家はフランスの人類学者。人口統計と家族累計型から、人類のあり様を思考している。
ロシア×ウクライナ戦争は、当初はロシアの戦車はボロだとか西側はウクライナの味方だとかでやたらと勢いが良かったが、なかなか収まらない。そもそもこの戦争は避けられなかったのか。妥協点は見いだせなかったのだろうか。ロシアにしろウクライナにしろ戦争を始めた人たちに命の危険はなくて、市井の人々、特に子供たちが犠牲になっている。自分が聞いていた情報がどこか違っていた…というより事象はそんなに単純ではないとい -
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Posted by ブクログ
ベース情報が既に1年前ではあるが、書かれている内容は古くなっておらず、新鮮な状態で拝読(つまりウクライナ戦争が膠着状態であるということだが)。タイトルの通り、ウクライナ戦争に至る過程は、まさにアメリカ中心世界の終わりの始まりで、アメリカの生産力低下・エリート層の劣化・民度の劣化等、総合的劣化が根本にある。分断が進む世界=不安定化ではない、という言説を信じたくはなるが、これは誰にもわからない。プーチン独裁のロシアが世界の覇権を握る未来像は想像もしたくないが、世界が行き過ぎたグローバリズムから緩やかな分断に移行していくことは間違いないように感じる。本書は池上氏の質問にエマニュエル・トッド氏が回答す
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Posted by ブクログ
ロシアと西側の代理戦争としてのウクライナ戦争に関する報道は、その量と内容についてジャーナリストが持つ信仰のようなものが影響しているという指摘は報道内容に対して自分の軸をちゃんと持たなければいけない、という気持ちを強くさせる。単なる戦争、軍事的な分析だけでこの争いを語るのではなく、多面的側面から読み解くからこそエマニュエル・トッドは先を見通すことができるのだろう。ジャーナリストとして中立的立場である池上彰も自身の軸を持って語っているので大変参考になる。
いずれにしても問題だらけだな、世界は。その問題を上手く利用してやろう、という国々の利己的な思惑は恐らくなくならないけど、勝ち負けだけじゃなく、も -
Posted by ブクログ
ネタバレ結構、面白かった。
インタビューをされる側が、ウクライナ戦争に関しては情報戦が行われてて、情報が錯綜してて何が本当か分からない。と言っていて、正直だなと思った。
攻め込んだロシアには非があるのは当たり前だが、アメリカも焚き付けたよね?という内容は、そういう面もあるのかなー。と思わされた。
この戦争が今終わる事でメリットを得る者は誰もいない。というのは、暗い想いになりつつ、そう考えている人がどちらの陣営の上層部にもいるのかな?と思った。
アメリカ側→ロシアの思ったより高い生産力に根負けしたと思われたくない。
ロシア側→このまま戦争して、アメリカ陣営に劣らない国力を見せつけたい。
以上の事 -
Posted by ブクログ
言われればそうかな、という、納得感はありました。たしかに。
エマニュエル・トッドが中立的な立場で書いたと冒頭にあります。
ウクライナ戦争はプーチンのせいであるが、真の原因は、アメリカとNATOにあると暗にいっている
第3次世界大戦はすでにはじまっている
ウクライナ戦争はそもそも、ロシアとドイツを引き離そうと、アメリカが始めた戦争だ。
パイプラインの爆破も、ロシアの仕業とあるが、トッドは、アメリカとイギリスがやったに違いないといっている
ロシアにとって、ウクライナがNATOに加盟することがどれほどの脅威であるのかを西側は理解していない、いや、アメリカは理解していたからこそ、ロシアにウクライナを侵 -