中島たい子のレビュー一覧
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ネタバレ病院内に併設するカフェを舞台に、入院・通院する患者、介護する人、見舞い客、医者・看護師等の病院スタッフ等々、総合病院を利用する様々な立場の人間模様を垣間見る連作短編集。
病院の中にあるけれど、そこは誰もが気軽に利用できる憩いの場。
そこに足を踏み入れた人は、医者も患者も関係なく、誰もが等しく「客」となり全く同じサービスを受ける。
病院内でありながら、中立的な立場で全ての「客」に接する貴重な場なのだ。
特に、両親と夫の介護に翻弄される朝子の話には身につまされた。
私も他人事ではない。
近い将来こんな苦労が待っているのかと思うと憂鬱になってきた。
ラストで朝子が感じたように、上手く割りきれれば -
Posted by ブクログ
ネタバレ軽い読み口ながら、「結婚=幸せ」というテーゼへの疑問に徹底的に向き合った作品。
小さな違和感をすくい取る視点に、なるほどなぁ、と思わされました。
なるほど、とは思ったけど、「結婚=幸せ」ではないのと同様に、「結婚=人生を型にはめてしまうこと」でもないのになぁ、とも思わずにはいられませんでした。
まぁ、6年も前の小説なので、著者の中島さんが今の世相を踏まえて書けば、また違う形になるのかもしれませんが><
最後が結局日本の社会批判で終わってしまった感じなのも、ちょっと残念。
日本の社会に問題がないとは思いませんが、社会というものがどうあろうが、そんなのはほっといて、勝手に自分たちらしく幸 -
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病院の中にあるチェーン店のカフェ。今では多くの病院にある。最初はそこだけが妙に明るく健康的で違和感を感じることが多かった。でもこの本に書いてあるように、院内カフェってとても特殊だけど、ある意味「救い」になっている部分もある。患者にとっても、家族にとっても、医療関係者にとっても、自分をリセットできて外とのつながりを感じられる場所のように思う。病院という建物の中でそれぞれが窮屈に演じている役割から開放される場所といってもいいかもしれない。どんな自分でも受け入れてもらえるという安心感がそこにはある。
ひとつの章が長く感じられ、リズムよく読み進むのが難しい作品だった。印象に残ったのは「みんな神様に選ば -
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ネタバレ*気になる男性と出会うたび、「この人と結婚するかも」って直感する。けど、結果はいつも外れ。このままじゃ私、ただのイタい妄想独身女!?二度と変な直感は抱かないと反省したのも束の間、英会話教室で出会ったケンのことが早速気になって…。その他、迷走する男の勘ちがいを描く『ケイタリング・ドライブ』を同時収録*
女子なら誰でも一度はやらかしてしまいそうな妄想がリアル過ぎて、思わず噴き出してしまいました。なんだろう、あの全くアテにならない直感。と言うか思い込み。で、現実とのギャップと折り合いの悪さにがっくり落ち込んでしまうアホらしさ。若さの特権ですね。 -
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病院の中のカフェ。
タイトルに妙に魅かれて読みました。
アンテナの高いまーちさんのレポがもうあります。
ストーリーもかなり詳しく書かれてありますので、
私はほんの感想だけ、書くことにしましょう。
病院の中のカフェでパートをする女性視線で
語られるある日のカフェの様子から始まります。
精神障害のような男性の常連客、
いつも時間をさいて来るフリをしているような毛深い研修医。
そして入院患者の夫をみまう妻とおぼしき夫婦者。
カフェでそれぞれくつろいでいたのですが、
ある出来事で平穏な空気が一変します。
次からの章は、
研修医や夫婦、精神障害者、それぞれの立場から
カフェに来るに至るまでのエピ -
Posted by ブクログ
ネタバレ短編。
大泥棒の通称「会社員」は、愛する人と出会って空き巣から足を洗おうとするものの、過去は拭えない苦悩。
車販売の営業の男が見た過去と未来の出来事。
高機能の機械に支配される日常で、ふと昔のロボットとの出会いときっかけ。
人工臓器を移植して人格が変わってしまった男の真相。
貧しい国で開催されることになった競技で成功した国民たちの力。
昔の人を未来に再現してしまった男の恋心と彼も知らない本当の正体。
進化しすぎた未来を救うのは過去の人間だとタイムマシンを使って救世主を探す一悶着。
SFか。
だけども超絶退屈だったのは、なぜだろう。
あまりに過去と未来を主張しすぎだからかな。
そう考えると