中島たい子のレビュー一覧
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しばらくレビューをお休みしておりましたが、少しずつ再開していこうと思います。
第一弾は病院内にあるチェーンのカフェを舞台にした様々な人間ドラマ。
カフェで土日だけ働きながら本業は(あまり売れていない)作家の女性・相田。
その病院に夫が入院している女性・朝子。
そして入院している夫本人・孝昭。
さらに病院で働く医師・菅谷(相田からは『ゲジデント』と呼ばれている。
彼らの視点が入れ代わり立ち代わりしながら物語が進む。
病院内のカフェなのでクセのある客がいる。
相田が『ウルメ』と名付けた扱いに困る客。
孝昭が遭遇した自分の中に別人格を作って病と闘っている少女。
そして朝子・孝昭夫妻も。
病を抱える本人と支える家族。
病でなくても何かを抱えている人たち。
夫婦関係に家族関係。
個人的には朝子の半生はとても響くものがあって読んでいて辛くなる場面も多かった。
この夫婦がどうなるのか特に気にしながら読んだ。
かと言って重苦しい話というわけではなく、文章はテンポよくコミカルな場面も多い。
『治療に関わるわけでもないし、お客が患者でも、医者でも、健康な人でも、全く同じサービスをする。(中略)
病んでる人が、いつでも入れるように病院に寄り添っていて、でも関わらず独立して、そこにある』
カフェの立ち位置を人に置き換えられるのがなかなか面白い。こうなれるかどうかはとても難しいけれど。
最後はちょっとアメリカのドラマか映画みたいな話だったが粋だった。
私の予想は一見嫌なヤツの…だが、さて。読む人それぞれの真相があって良い。
年明け一作目のレビューとしてはなかなか良い作品だった。 -
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先日、女性特有のなんとも言えない不調を感じ、婦人科にかかりました。ガン検診もして異常がないことを確認し、そのあと「ではその不調をどう治していこうか」というところで、先生が漢方薬を提案してくださり、飲み始めました。
先生に、「証に合わないと逆効果だから、合わないと思ったらすぐ来てね」と言われたのですが、私には合っていたようで、かなり好調です。
そんな話を大好きな同僚にしたら、この小説をすすめてくれ、読み始めました。
西洋医学的には、これといった病名のつかない主人公が、東洋医学の病院に行き着き、良くなっていく様子が面白く書かれています。西洋医学を否定しているわけではないところもいい。
東洋医学では病名に対してこの薬という感じではなく、「あなたはこういう人(証)だから、この漢方」というのが、オリジナル感があって面白いなぁと思います。
これから知っていきたい分野です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ病院内に併設するカフェを舞台に、入院・通院する患者、介護する人、見舞い客、医者・看護師等の病院スタッフ等々、総合病院を利用する様々な立場の人間模様を垣間見る連作短編集。
病院の中にあるけれど、そこは誰もが気軽に利用できる憩いの場。
そこに足を踏み入れた人は、医者も患者も関係なく、誰もが等しく「客」となり全く同じサービスを受ける。
病院内でありながら、中立的な立場で全ての「客」に接する貴重な場なのだ。
特に、両親と夫の介護に翻弄される朝子の話には身につまされた。
私も他人事ではない。
近い将来こんな苦労が待っているのかと思うと憂鬱になってきた。
ラストで朝子が感じたように、上手く割りきれればいいのだけれど。
また、持病のある、まだ幼いさやかちゃんが自分に別の名前をつけて現実逃避する気持ち、よく分かる。
それに合わせるさやかちゃんのお母さんも、また辛いよね。。
私も地元の総合病院内にも院内カフェがある。
どんなメニューがあるのかな…等と思いつつも、つい横目で素通り。
なんとなく敷居が高かった。
今度近くへ行った時に思いきって立ち寄ってみようかな。
なにしろ、院内カフェの飲み物はみんなカラダに良くて、元気になれるそうだから。 -
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ネタバレ軽い読み口ながら、「結婚=幸せ」というテーゼへの疑問に徹底的に向き合った作品。
小さな違和感をすくい取る視点に、なるほどなぁ、と思わされました。
なるほど、とは思ったけど、「結婚=幸せ」ではないのと同様に、「結婚=人生を型にはめてしまうこと」でもないのになぁ、とも思わずにはいられませんでした。
まぁ、6年も前の小説なので、著者の中島さんが今の世相を踏まえて書けば、また違う形になるのかもしれませんが><
最後が結局日本の社会批判で終わってしまった感じなのも、ちょっと残念。
日本の社会に問題がないとは思いませんが、社会というものがどうあろうが、そんなのはほっといて、勝手に自分たちらしく幸せになっちゃう、という選択肢がいくらでもあるような気がするのになー。。。
そもそも自分は社会というものに、そこまでの期待をしていないのかもしれません。
「結婚しなかった=自分たちらしい、めでたしめでたし」みたいな結論に見えなくもなかったのが、唯一の引っかかりでした。
(著者の中島さんは、そんなことを考えていたわけじゃないかもしれません) -
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病院の中にあるチェーン店のカフェ。今では多くの病院にある。最初はそこだけが妙に明るく健康的で違和感を感じることが多かった。でもこの本に書いてあるように、院内カフェってとても特殊だけど、ある意味「救い」になっている部分もある。患者にとっても、家族にとっても、医療関係者にとっても、自分をリセットできて外とのつながりを感じられる場所のように思う。病院という建物の中でそれぞれが窮屈に演じている役割から開放される場所といってもいいかもしれない。どんな自分でも受け入れてもらえるという安心感がそこにはある。
ひとつの章が長く感じられ、リズムよく読み進むのが難しい作品だった。印象に残ったのは「みんな神様に選ばれてるんだよ。この世にある全てのものは、誤作動を起こすものでも、絶滅するものでも、必要なものなんだよ、きっと」という言葉。こんなふうに悟れたら素敵。 -
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ネタバレ*気になる男性と出会うたび、「この人と結婚するかも」って直感する。けど、結果はいつも外れ。このままじゃ私、ただのイタい妄想独身女!?二度と変な直感は抱かないと反省したのも束の間、英会話教室で出会ったケンのことが早速気になって…。その他、迷走する男の勘ちがいを描く『ケイタリング・ドライブ』を同時収録*
女子なら誰でも一度はやらかしてしまいそうな妄想がリアル過ぎて、思わず噴き出してしまいました。なんだろう、あの全くアテにならない直感。と言うか思い込み。で、現実とのギャップと折り合いの悪さにがっくり落ち込んでしまうアホらしさ。若さの特権ですね。