中島たい子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
編集者的には「フランス人は料理に時間をかけない」とかなんとか、某ベストセラー本に寄せたタイトルにしたかったのかもしれないけど、著者が「フランス人」という言葉を入れたくなかったのかもしれない。
なーんて仮定に次ぐ仮定で勘ぐってしまうくらい、「フランス人」と一括りにすることを避け、丁寧に「自分の見たフランス」を追求されている著者の中島さん。お料理に詳しく、アメリカ留学経験がおありだからか異国ぐらしの解像度も高くて、読んでいてとても心地よかったです。
(外国だというだけで何でもかんでも珍しがって書く旅エッセイも多い中で)
でもロズリーヌやソフィーらの個性をどれだけフランス人という国民性に結びつけ -
Posted by ブクログ
題名を見て読んでみたいと思い、手に取りました。
パリのおしゃれな話なんだろうなと読み始めだけど、違ってた。おしゃれはおしゃれなんだけど、
大事なことに気づかさせてくれる、ためになるエッセイでした。中島たい子さんのフランス人の叔母ロズリーヌさんとのやり取りの話なんだけど、このロズリーヌさんが素敵、カッコいい。ロズリーヌさんに教えられる事が多かったな。
私が思っているフランス人て何をやってもおしゃれ、というイメージ。でもフランス人にはただの日常の出来事。常にやっていることなんで、おしゃれということではない。逆にフランス人が日本人をそう思ってたりと、結局無いものねだりなのかな。
自分がいいと思った -
Posted by ブクログ
異文化を感じれる旅と、お料理が好きな人にはドンピシャに刺さる本。最高に楽しめた。
著者の中島たい子さんは、素敵なパリジェンヌをお手本にというような、いかにもフランス人を過剰評価している日本(とくに女子)風潮を斜に構えた印象をずっと抱いていたようで、親戚がフランスにいて滞在できるき機会があるのに積極的な興味を抱いてこなかったそう。
私もフランス人の生活に興味を持った事もなく、フランス人は10着しか服を持たない系の本が流行った時、読んでみようかと思ったけれど、フランス人の気質とは自分は合わない気がしてこの手の本を手に取ることはなかった。
でも、この本に出てくる著者のフランス人の叔母さんが本当 -
Posted by ブクログ
初読みの中島たい子さん。とっても良かったです。
著者にはフランス在住の叔父さんがいて、そこで暮らしたときのことが綴られていました。
たい子さんの叔父夫婦、叔母のロズリーヌさんや娘のソフィーさんとのエピソードを楽しく読みました。
文字を追っているだけなのに異国の空気を感じたし、ロズリーヌさんがいつも軽やかで自然体で素敵。
ほんのちょっとしたエピソードが、著者の特別な思い出なんだと感じられたし、そんな小さなエピソードの1つ1つがすごくいい。
料理がたくさん出てくるのでお腹が空いてきます!
ロズリーヌさんの作る「四角いバゲット」がめちゃくちゃ食べたい。
他にもマロンアイスや手摘みの苺で作ったジ -
Posted by ブクログ
フランスに素敵なしんせきがいる
って素敵ですね‼️
ただ ひと月も遊びにこられるのは 大変!
フランス人は 洋服を10着しか持っていないんだ
と私も思っていましたけど そんなことはないんだね。
ロズリーヌの四角いバケットは 魅力的です。
美味しそうです。
木綿の可愛い柄のついた寝袋は 合理的だし 可愛らしいし いいですね!
この本を読んで フランスのお母さんたちも 家族と一緒にのんびりご飯が食べられないんだ。
テレビで イタリアのママたちは パスタを茹でたり ソースをあっためたりして 家族に食べさせ 自分が食べる前に 家族が食べちゃう。
そういうのは 嫌だな!お手伝いさんじゃないんだから -
Posted by ブクログ
とても薄い本なので読みやすかったです。作者がパリ郊外に住んでいる叔母の所に居候する物語です。驚いたのは、アイスクリームの保存は、ガラス瓶、フランスの人達は、プラスチックは、使わない。トマトソースも手作りをし、バツケットを作る事。洋服もすぐに買わずに何件も回る事など、日本人には、覆す事があるので、逆に新鮮です。フランスの人達は、物をすごく大事にすることを見倣いたいです。日本は、埋め立てゴミに、まだ使えそうな家具を持ってきたら、法律が問われますが叔母さんは使えそうな家具を、持ってきて使う精神は、あっぱれです。思わずクッスと笑いたくなりました。
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Posted by ブクログ
現代医療の主流とされているとも言われる西洋医学と対置される東洋医学。本書はその東洋医学たる漢方に主眼を置いた物語です。
主人公みのりの視点に立ち、淡々と描写されていく少し癖のある文体に、最初は戸惑うかもしれません。
しかし、1頁、1頁とめくるたびに、まるで漢方が徐々に身体のバランスを調えてくれているかのように、身体に馴染み染み渡っていくような感覚を受けることでしょう。
物語自体にそれ程の起伏はありませんが、それこそ本書の主眼とするところの漢方の性質をよく表しているように感じました。
分量もそれほどなく、漢方についての基本的知識も身に付けられるので一読をおすすめしたい作品です。 -
Posted by ブクログ
新聞の書評を読んで、読んでみたいと思った本。
初めての作家さんだったが、想像していた以上に心に響いた。
登場人物の一人である朝子の年齢が自分と近いためか、彼女の置かれた状況や考えること(年老いていく両親の変化を諦観しながらも、やりようのない憤りを感じているところなど)、共感せずにはいられなかった。
また、院内カフェでバイトする鳴かず飛ばずの作家、相田亮子の働きぶりが素人くさいのだが、その目線は客観的でありながら、ちょっと意固地なところもあって好ましい。バイトのバリスタ、村上君もかなりいい味だしている。
来院の理由、滞在時間の長短に関係なく、病院という所は本当に精神的エネルギーを奪う…私の -
Posted by ブクログ
主人公は30代の女性。ステキな男性と出会った瞬間に「この人と結婚するかも」と、感じてしまう直感の豊かさです。しかし実際は結婚どころか、デートも出来ない生活をしています。
この感覚、妄想系恋愛に走るタイプですね!!妄想力が強い人は、何も始まらないウチから、自らのストーリーを作ってしまう傾向にあります。しかし、現実の恋愛はストーリー通りにいきません。そんなとき、残念無念な気持ちが先に出てしまい、軌道修正しながら、仲を築いていくことが出来ない性格だと思います。その性格のもどかしさが、読んでいてクスクスします。
この本は表題作のほか、「ケイタリング・ドライブ」という作品が収録されています。こちらは