長谷川町子のレビュー一覧
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購入済み
是非おすすめする1冊です
この巻もとてもためになります。
巻が進むにつれて面白さが増してきます。
次回以降のお話の配信・購入がとても楽しみです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ当時としてはただの漫画であるが、今としては戦後の様子や文化がよく描かれた資料である。…という話を聞いて読んでみたが、なるほど、面白い。
まず、戦後の貧困の代名詞である、闇市・闇取引や配給の様子がたびたび描かれている。サザエは着物を出して米を買ったり、節米料理を作ったりしている。
世間では引き揚げ者や戦災孤児が憐れまれており、コレラが恐れられている。
また、アメリカ文化や英語、アメリカ人への憧れがところどころで窺える。街にはしばしばアメリカ人が登場し、MP (米国陸軍の憲兵) にも触れられている。
政治的な流行りも描かれている。戦時利得者が批判されたり、「男女同權とうろん大會」(男女同権討論大会) にサザエが参加したり、壁に「立て!! ゼネスト」と書かれていたり、通行人が民主主義を語っていたりする。(なおこの通行人は女性で、これを聞いたカツオら少年は「近頃の女は生意気だね」「女らしくないや!」と話す。女性に対するこのような価値観もところどころで描かれている。)
文においても、旧字体や古い送り字が各所で使われていて楽しめるほか、「フラッパー」「シャン」といった当時の俗語も登場した。
このように、1巻だけでも見どころ満点であった。漫画としての評価ではないが、戦後を手軽に覗き見られる点で素晴らしく、おすすめできる。 -
Posted by ブクログ
もはやサザエさんを読む事が「癒し」になってしまった。ぼくは「サザエさん」連載時の世相を知らないので、まったくノスタルジーを本作から感じるはずはないのだが、しかしどうやら感じているらしい。この不可思議さの源泉はなんだろう。
おそらくそれは、ぼくの身近な人間、具体的にはサザエさんと同世代人である祖母のバッグボーンに「サザエさん」的なものを感じていたからであろうと思う。
時間の流れは神秘的なもので、一人一人の体内にそれぞれの時間が流れている。祖母の体内で流れている時間を、当然ぼくは感じることはできないはずだが、なんとなく嗅ぎ取ってしまう。
その力が「サザエさん」の描写に現れているのだろう。これは「サザエさん」が傑作たる所以だと思われる。
世代の違う人々の時間を「顕在化」させるパワーが本作にはあるのだ。 -
Posted by ブクログ
本巻も波平愛が溢れていてとても良い。長谷川町子は夫(マスオ)よりも波平(父)が好きだったんだな。いや、そもそも磯野家にマスオを連れ込んでいる設定自体がそれを表しているのかもしれないけど。
ただ連載もおそらく10年くらい続いているだけあって、フォーマットが完全に定着してきているように思う。よく言えば定番ものになっていて安心感があるが、悪く言えばマンネリだ。特に「外部」として登場していたノリスケが結婚して磯野家から出てしまい、より内部の物語に閉塞したとも言える。
テレビアニメを参照するに、もうこれ以上磯野家内部で変化は起きない気がするので、これ以上読む必要があるかは微妙な問題になってきた。 -
Posted by ブクログ
本巻も面白かった。
いくつか取り上げたいコマがあるが、まずはサンガー夫人に対するサザエの反応からだろう。
サンガー夫人とはアメリカで「産児制限=女性の産む権利」を推進した事で有名な運動家だが、おそらく彼女の来日に合わせてネタにしたのだろう。
サザエと主婦友達が井戸端会議をしており、友達はサンガー夫人賛成!と声を上げており、一方サザエは反対!と言っている。
これをもってサザエの保守性を指摘するつもりはないが、1巻からウーマンリブにノレないサザエを見ていると、まぁサザエは急進的な主張には慎重になる女性であることがわかる。それは本巻でも一貫してサザエの思想として現れていて興味深い。
おそらくサザエはカツオのような少国民世代ではなく、戦中にはすでに20歳前後だったことも大きいだろう。敗戦後劇的に転換する社会を否定はしないが、全肯定はできないという態度。その中途半端さが一番知的なのである。
と、気がついたらたくさん書いてしまったので、あとは波平の愛らしさが本巻も爆発しているので見逃さないように、と書いて終わりにする。 -
Posted by ブクログ
本巻はカツオとワカメが静岡の親戚(?)の家に旅行に行く回が中心。いつもは4コマで終わるところ、今回は何ページかに渡ってストーリーが展開する。田舎の生活はあまりカツオとワカメには合わなかったようだ。また周辺にいる子供たちもカツオとワカメを都会の子として見物に来たりしている。のちにサザエが迎えに来るが、さすがはサザエでおじさん家でも堂々としており色々な田舎料理のレシピを仕入れたりしている。頼もしいことこの上ない。
また本巻終盤では、サンフランシスコ講和条約締結以降初めての衆議院選挙があり、その注目度の高さが話題になっている。第4次吉田茂内閣発足当時だが、鳩山一郎も国政復帰して喧々諤々の議論が交わされているらしい。(議論の内容までは不明) -
Posted by ブクログ
本巻も最高だった。ぼくは原作を読み始めてからずっと波平さんのファンなわけだが、本巻の波平さんも最高である。
本巻所収の波平さん主役の4コマで好きな作品は2つ。
一つは喧嘩しているサザエとカツオに波平さんが割って入り、サザエさんに「お前はいくつになる!」と問いただす。サザエは首をすくめ怒られていると勘違いするが、実は住民票登録のため聞かれただけだったというオチ。波平さんのおおらかな性格がよくわかる秀作である。
もう一つは、波平さんは外出するフネに手のひらを見せ「ここまでだな!」と念を押している。フネが外出するので米を研ぐため水の量を確認にしていたのだ。4コマ目で波平さんはちゃんと割烹着を着て米を研いでいる。とても可愛らしい姿である。
なぜ柄にもなく滔々と好きな作品を解説したかというと、それはぼくが波平さんに憧れているからだと気が付いたからである。ある一面は非常に古めかしい封建的な一面を見せながらも、決して時代の流れに逆らわず、家族を慈しみ日々を楽しんで生きている波平さんに、ぼくはなりたい。