長谷川町子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
サザエは終戦時に10代後半と思われるので、ぼくの祖母が同年代だと思うが、彼女たちの時代はなかなか複雑である。
戦前の封建的良妻賢母が女性の理想像としてあった時代に教育を受け、他方家庭を持ったときは女性地位向上運動の真っ只中。それは第一巻から読むとよくわかる。
またサザエの服装は始終洋装だが、母フネはほとんど和装である。
ではサザエは進歩的かといえば、彼女の一回り下の世代はより「民主的」な風潮を色濃く持った世代になり、サザエはそのジェネレーションギャップに戸惑うことになる。
サザエの世代はつまり「どっちつかず」の世代なのだ。封建的良妻賢母を否定するでもなく、「民主的」な女性地位向上にも理解がある -
Posted by ブクログ
波平さんを前近代的な父権の象徴だと主張する向きが今も昔もあるが、それは全くの間違いである。著者は、波平を「愛すべきお父さん」として、それはそれは愛情を傾けて描いている。こんなに娘に愛情を注がれて、これほど幸せな父親はおるまいと思う。マスオさんなど相手にならないくらい、愛されているのだから。
5巻は特にそれが顕著に見える素晴らしい巻であった。
戦後、アメリカ的な価値が流入するとともに絶対的な権力であった父権に大きな揺らぎが生まれた。だが大勢はまだ父権が維持されていた時代。
波平さんの持つ父権は、彼の人柄によって換骨奪胎されている。父権の悪癖はユーモラスな女性陣によって打ち消され、良いところが前面 -
Posted by ブクログ
東京に引っ越しをするサザエさん一家。昭和21年から22年くらいの時期で、サザエさんは24歳。ハロー社という出版社で働き始める。未婚。
この言い知れぬ「ノスタルジー」はなんだろう。ぼくは当然生まれていない時代なのに、なぜか郷愁を誘う。これは当時の世相というより、コミカルな人間関係から感じているものかもしれない。
人と人の距離が近かった時代。それは時代的にもそうだが、ぼくたちが幼かったときも同じように人と人は近いと思っていた。
本書の素晴らしさは、まさに時代としてのパースペクディブはもちろんだが、一人の人間の歴史をも包含する「懐かしさ」を持っている。 -
Posted by ブクログ
普通に面白かった!この面白さは発見でした。
昭和21年4月からスタートする本巻は、まだモデルが福岡らしく、サザエさんも未婚。(よってマスオは未登場)カツオもワカメもチビで、よくサザエがおんぶしている。
サザエは結構おしゃれで、友人のイカと洋装して肩を組んで遊びに行ったりする。
ドタバタの主題として、よく登場するのが隣組や満州引き揚げに関することで、世相もよく反映しており興味深い。
サザエはよく失敗して怒られ、恐怖に足をガクガクさせているのがちょっと気の毒だが、応援したくなる愛嬌を持っている。
一巻だけ買っておこうと思ったのだが、二巻も読んでみたくなった。