神谷美恵子のレビュー一覧

  • 自省録

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    五賢帝の1人マルクスアウレリウスが夜な夜な書き綴った自分を省み、戒める為のノート、自省録。

    伴侶が死んだ、子供が死んだ、仲間が死んだ、明日は自分かもしれない。
    仲が良かった家臣が裏切った、忠実な家臣のふりをしているがもう宮廷に自分の味方はいないかもしれない。
    能力を買われて皇帝に選ばれた、だけど本当は哲学を専攻する学者になりたかった。戦いの日々で机に座る暇はもう自分の人生には残されていない。

    人生の中で多くの恐怖や不安に苛まれてきたアウレリウスがそれでもストア哲学と不動心に救いを求め、自分を律し邁進していく姿が文章から想起されて胸が熱くなった。

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    2024年12月31日
  • 自省録

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    マルクス・アウレーリウスの『自省録』はローマの哲人皇帝が自身に問いかけた内省の記録であり、ストア派哲学の精神が詰まった書である。善く生きるとは何か、人生の意味とは何かを探るその言葉は時代を超えて現代にも響く。
    難解さを避けつつ深い洞察を示す本書は分かりやすく優れた翻訳であるがゆえに思索に自然と誘われる。理性を重んじる姿勢は混迷する現代の拠り所となる。だがそれこそが自己との対話であり哲学の醍醐味だ。

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    2024年12月28日
  • 自省録

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    人生に悩みは尽きないが、あらゆる悩みは主観に依存している。宇宙の歴史に比べれば人間の一生など儚い。万物は移り変わるという事実を受け入れ、怒らず恨まず、自己の本分を全うしよう。

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    2024年12月10日
  • 生きがいについて――神谷美恵子コレクション

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    病による孤独は壮絶なものだと思うが、病でなくても傍からみたら豊かであっても、心が孤独である人も多いと思う。孤独である、ということを真正面から受け入れられた時、そっと光が射し込むのではないかと思わせてくれた。私の生きがいとはなんだろうか、と常に持っていくことになると思う。

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    2024年09月03日
  • 自省録

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    この本は、自分の強いところにフォーカスを当てて「自分は自分でいいんだ」と確信を持たせてくれる。私にはそんな本だった。

    他人の悪口で盛り上がる、同じ職場の人たち。輪に入れない私に問題があるのだと思ってた。でも違うわ。他者を悪く言う話に加わる必要ない。私は私でいい。たぶん私のことも悪く言われてるんだと思うけど、言わせておこう。

    ってくらい、自分の道を歩むのに自信が持てた。

    2000年も前から、人の悩みって一緒なんだな。

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    2024年06月01日
  • 自省録

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    この本は、生きる・心の糧になる本です。

    マルクスさん、ほんとうにありがとう

    見ているのは、常に自分の内側や状態の観察

    ・内省

    ・自分自身

    ・自分の影響の輪の中

    ・時代を超える不変の考え方が学べる

    ・公開するつもりはない
    だからこそ、内容がリアル

    ◯日記をつけよう
    自分の状態を観察する日記を

    良い状態で過ごすために内側の観察を

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    2024年05月22日
  • 自省録

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    思想はエピクテトスの影響を受けていると言われている通り、自由意志を以って悪徳を排除せよという主張が繰り返される。本書では指導理性という用語が頻繁に使われている。エピクテトスのような冗長な表現は少なく大変読みやすい。
    皇帝としては内政・外政ともに超多忙で、ストレスも相当なものだったはず。エピクロス派であれば避けるべきと言われる状況だっただろう。しかし彼はストア派の徒であり、公への奉仕が善という価値観で生きている。皇帝ゆえ受けるストレス、お追従への自惚れ、平穏な暮らしへの憧れ等を振り払うべく、内省が繰り返される。
    また宇宙から見れば人間なんてどれほど小さい存在か、と言う視点も繰り返される。人間の一

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    2024年02月17日
  • 生きがいについて――神谷美恵子コレクション

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    仕事、恋愛、結婚など悩む人全てにこの本を送りたい。
    内容は難しいが、どれか1文でも必ず心に残る文章がある。この本に出会えて良かったし、明日からも元気に生きていく糧になった。

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    2023年10月12日
  • 生きがいについて――神谷美恵子コレクション

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    この本を手に取ったいきさつを忘れてしまったが。今の時代だからこそ、というよりも本に記してあるように、いつの時代でもきっと、生きているうちに、もっと言えば窮地に立たされた時、或いは幸福至極な時に、自分自身に問うていみたり、答えてみる言葉だと思う。仕事の中で対象者の「生きがい」について深く考える立場でありながら、自分自身、なぜその言葉を表出することがなかったか、その理由が何となくわかったような気がする。他人の「生きがい」なんてそうそう語るものじゃないし、「生きがい」そのものの持つ意味すらこの本に巡り合うまで本当にわかっていなかったんだなとつくづく思い知らされた。自分の中で再び言葉を噛み締めて再読し

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    2023年05月04日
  • 自省録

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    ネタバレ

    マルクス・アウレリウス帝

    ・マルクス・アウレリウス帝(ローマ帝国最後の五賢帝)のパルティア戦役→勝利→
    帰還兵たちが新感染症(天然痘か麻疹と言われている)をローマに持ち込んだ=『アントニヌスの疫病』→
    6000万人のローマ帝国で、1000万人の人が死亡→急激な人口減少→ローマの経済力の減退→
    国家の安全保障に揺らぎ→ゲルマン民族がドナウ川口境を脅かすようになっていく。
    ・マルクス・アウレリウス帝「まもなく土は我々全てを覆い隠してしまうだろう。
    次に土自身も変化し、更には次から次へと無限に変化して行く。
    この変化と変形の波の動きと、その速さを考えて見る者は、諸々の死すべきものを軽蔑するに至るであろう。
    全て君の見ているも

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    2023年04月08日
  • 生きがいについて――神谷美恵子コレクション

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    いま読んでる

    「生きがいということばは、日本語だけにあるらしい。〜 “ただ漫然と生の流れに流されて来たのではないことがうかがえる”」

    「こうした論理的、哲学的概念にくらべると、生きがいということばにはいかにも日本語らしいあいまいさと、それゆえの余韻とふくらみがある」

    フランス語で近いのは“raison d'être” (存在理由)

    「ためらわずに行動するためには反省しすぎることは禁物なのであるから。しかし、深い認識や観照や思索のためには、よろこびよりもむしろ苦しみや悲しみのほうが寄与するところが大きいと思われる」

    「ひとは自分が何かにむかって前進していると感じられるときにの

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    2023年03月21日
  • 生きがいについて――神谷美恵子コレクション

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    フランクルの「夜と霧」、エディスイーガーの「選択」と並び、自分の書棚に残しておきたい本が1冊増えました。テーマは「生きがい」です。
    精神科医、神谷美恵子さんが、ハンセン病患者との交流を通じて本当の生きがいとは何なのか?7年かけて考察しています。

    少し厚い本でしたが、心理学の本としては思ったよりも平易に読むことが出来ました。彼女がアカデミックな分析よりも、患者の発言や、作品など実体験を通じた考察を好んで引用しているためです。

    初めてハンセン病患者の療養施設(愛生園)に収容されたとき、患者の多くはどれほど絶望したのか。その中で、どんな発見をしていったのか?
    わたしたちが日頃大切だと「思い込んで

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    2023年02月11日
  • 生きがいについて――神谷美恵子コレクション

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    わざわざ目を向けなければ、生きがいなど考えずに生きていけます。しかし、ひとたび自分の生きる意味は何か、生きがいはなにか、と考え出すと、はっきりとした答えのなさに肝を冷やします。

    では生きがいは何かと考えるだけ損か、と言われるとそうは思いません。生きがいを探すためにもがく行為が、人間的な成長を促しますし、何よりその行為自体が生きる意味となるのではないでしょうか。

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    2023年02月07日
  • ハリール・ジブラーンの詩

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    神谷美恵子さん(1914-1979)は、津田塾大などで教授を務めた精神科医です。ハンセン病患者の方たちが暮らす「長島愛生園」で、精神科医として長く勤務されました。彼女の著書、『生きがいについて』『こころの旅』などは、多くの人の人生の指針として、今も読み継がれています。ハリール・ジブラーン(1883-1931)は、レバノンに生まれた詩人で、日本では、神谷さんの紹介によるまで、あまり知られていませんでしたが、その作品は、アラビア諸国だけでなく、アメリカ、ヨーロッパ、南米、中国にまで親しまれているそうです。
    私がジブラーンの詩を知ったのは、ブログの記事によってです。今までに味わったことのない壮大さ、

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    2024年05月13日
  • 生きがいについて――神谷美恵子コレクション

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    分厚い本だけど、読み進めやすく感じた。難しい言葉はあまり出てこない(1966年に著わされた本なので見慣れない表現はあるけど)。

    思うところはたくさんあった。

    ・「この人精神科医?医者の文章じゃないでしょ?」とまず思う。…これは私の知識不足。神谷美恵子さんは本当にすごい人なのだと知った。他の著書もまた読みたいと思う。

    ・50年以上前に書かれたものなのに、今の時代にもすごく通じるところが多い。しかもさりげなく(?)今の時代への警鐘も含まれている。

    ・私自身に思いを重ねて読んだ。うまく言えないが「自分はこれでいいのだ」と思えた。生きがいを求める心は、ハンセン病患者のように肉体的精神的に追い詰

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    2022年09月02日
  • ハリール・ジブラーンの詩

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    すべての詩が心に染み入ります。詩は、自分が人生のどの時代を歩んでいても、心に届き、また違う時代に違うステップを踏んでいるときには、さらに奥への層に浸透してくるかのようです。訳者神谷美恵子さんの解説も崇高です。

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    2021年07月24日
  • 神谷美恵子日記

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    "思慮深い言葉、愛情、勤勉、育児、医学への情熱などなどがつづられている。
    1939年から1979年までの40年間のごく一部の日記。
    学問へ取り組む矜持も素晴らしいし、家族へ投げかける愛情も伝わってくる。
    神谷さんはハンセン病診療所長島愛生園で患者と向き合いった精神科医。

    この方が記した本がほかにあれば、それを読んでみたくなる。"

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    2018年11月25日
  • 神谷美恵子 島の診療記録から

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    神谷美恵子さんのエッセイ。
    職業柄だけではないでしょうが、彼女の人を見る目があたたかく深い。共感すること、考えさせられることがたくさん。

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    2018年10月08日
  • 神谷美恵子 島の診療記録から

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    これはとても良い本でした。
    神谷美恵子さんのことはずっと気になりつつ未読で、昨年初めて「生きがいについて」を読んでみた。さすが名著の誉れ高いだけあって面白くて興味深くて読みごたえのある本で。で、この平凡社STANDARD BOOKSも手にとってみた。いいわーこれ。生きがいや自殺について、ハンセン病に取り組むなかで出会った患者さんについて、そのほか、自身の幼少期のこと、小学2年からスイスに住んだことが自分を形成したこと、子育てに苦労したこと、などについてもコンパクトにまとまっていて、神谷美恵子導入書として最適! こういう方だったんだなあ。
    神谷美恵子さんの日記も角川文庫から出ているようなので読ん

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    2018年01月30日
  • 神谷美恵子 島の診療記録から

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    優しく穏やかな語り口に油断していたら、人の生と死の切っ先にすれすれまで迫るような震え上がる内容だった。首すじに現実という刃が触れてなお正気で真っ直ぐ前を見つめている凄味。

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    2017年10月22日