神谷美恵子のレビュー一覧
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生きがいとは何か。
その問いに対して、一つの応えを示してくれる本である。
生きがいとは千差万別十人十色である。そう本書にも示唆されており、私もそうだと思う。
生きがいという大きなテーマに対して、今すぐに誰かがあなたにとっての生きがいを教えてくれるものではない。ある種の人生においての思考であり、思索であり、体験であり、実験であると私は思う。
この本では、生きがいとは自分自身で掴み取るものであり、この現代文明において、テクノロジーがいくら発展しようとも、そのあなたの生きがいというのはあなた自身で日々考え学び活動し、その先に得られた副産物であると私は考える。
「生きがい」自体が人生では過程に過ぎない -
Posted by ブクログ
世界史で名前が長くて覚えにくいランキング堂々の1のローマ皇帝による哲学思想呟き雑記。
全体を通じて、理性こそ人間を人間たらしめるという考えが強調されており、現代の人間観とは異なっているように感じた。マルクスの主張には、自分の身体や精神の欲にただ身を任せるのは、「動物的」であるというものがある。これは、欲も理性もまるっきり含めて受け入れた現代の人間観とは大きく異なる。そのため、数千年前の常識はいまの非常識であり、改めて新鮮な考え方を受け取ったようにも感じ、目から鱗が落ちる思いであった。「自分は動物なのかもしれない...!」と恒例の反省タイムもとった。
⚠️この本はあくまでも雑記であり、思想の -
Posted by ブクログ
自省録とあるだけに、著者が考えたこと感じたことをメモのように綴ったものであり、他人に向けたものというよりかは自分に向けたものという印象だった。彼の禁欲的で寡黙そうな性格が見て取れて面白かった。
もし自分が著者だったらこういった自分の思想を書き留めたメモを世にさらされたら恥ずかしくてたまらないと思う笑
内容としては、いわゆるストア派の思想をさまざまな比喩でもって書き記している。
ストア派の思想についてよく知らず、当初は、人の運命は全て最初から決まっている、といった後ろ向きなものであまり好かないなと思っていたが、共感できる、心に響く内容がそれなりにあり、現代の自分達にとっても役に立ちそうであった -
Posted by ブクログ
皇帝かつ哲学者という歴史上(解説によれば唯一)非常に稀有な人、マルクス・アウレーリウスが折に触れて書いた手記なのだそうだ。誰かの目に触れることを念頭に置いていないので、つらつら「他人のことなんかに嘴を挟まず、自分が、今、善く生きることに集中しとけ」的なことが書いてあるかと思えば、急にキャッチコピーのような一文が書かれていることもある。「宇宙即変化。人生即主観」は諸行無常、色即是空みたいで面白い。
何度も似たようなことが書いてあると、「この人は本当は、他人からとやかく言われたくないんだろうな」「つまらないことで大騒ぎしたり、見栄を張ったり、怒ったりする人たちが周りにいてうんざりしちゃったりして