神谷美恵子のレビュー一覧
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■まとめ
★ 自分に与えられた命をどう使って生きていくか、と思い悩んだなら、それはあたらしい自分を創造する第一歩。この自己実現のプロセスを怠ると、深刻な生きがい喪失に陥る。
- 純粋なよろこび、未来への前進、義務と欲求の一致、自分が採用している価値体系、使命感、日常生活のルーティン(「その日、自分のなすべき仕事」)、選択の自由、成長や自己実現、など。これらのものが生きがいを形づくる。
- 生きがいをなくしたとき、安易なごまかし(「にせの生きかた」)に走らず、耐えがたい生をなんとか持ちこたえるだけのストイックな抑制と忍耐をもってやり過ごすことが大切。くわえて、しかるべきタイミングで「生きる -
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ネタバレ【生きがいという体験の解体】
本書では、生きがい喪失の深淵をさまよった人の変革体験などを考察し、これらを心理現象として論じている。
1980年、45年前に書かれた本。そしてこれを書き終えるにも10年近く(7年!!)かかったということだから、50年以上前の聞き取り調査とかなのだと思う。英訳されて世界的にもよく読まれているみたいだったので手に取った。
たしか、教科書とかにも載っていたけれど、これまで読んだことはなかった。
個人的には、私の知る日本語では、「生きがい」は一般的な概念として、とても便利だなと思う。感覚的にそれがいいものであることが分かる。(今のサステナビリティみたいな?)一方、実態は -
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神谷美恵子 25歳から65歳までの日記
苦しみながら 生きていたことがわかる。苦しみに耐えられたのは 神と対話し、自分で叱咤激励しながら、社会的使命を全うしようとしたから。自身の医師や翻訳者としての功績を誇った記述はない。自己評価が厳しすぎる
エリートの弱さを自分で克服した記録としても読める
時間の捉え方が面白い
*人間は〜生物が脱皮するように 過去と決別して新しい生活に移る
*時が羽を生やした様に飛んでいく
*仕事に熱中しているとき ひとは 無時間の中にいる
昭和14年(25歳) 〜
*自分の問題は 自分と神様のみで決めるべき
*下層の人のために働く。人、人の心、体、社会を健全にするた -
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もともと日記文学が好きなのと、ヴァージニア・ウルフ研究者という面で、どんな方か興味があったので、彼女の他の著作はまだ読んだことがなかったが、読んでみた。
書きたい、表現したいと強く思っている人によくある葛藤の日常と、医療従事者として、家庭の主婦としての三つ巴の高い志は、少女のころから亡くなるまで変わらず高くより強固に変化し、その意思の強さに頭が下がる。家事育児に時間をとられていることも葛藤は感じつつも、彼女の著作の泉の形成の一端を担っているのだと思った。今現在仕事と家事との葛藤を抱える自分にとっても風穴的な一冊だった。
他の著作を続けて読むことにした。 -
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旧家を巡る。そこには、昔描いた絵やネックが曲がってしまったギターなどが、ダンボールに敷き詰められた書籍と一緒に眠る。日記はない。一時書かされ、一時創作活動のように書いたものは、人目に晒される気恥ずかしさから自ら処分した。
小学校低学年のそれは「すごいと思った。うれしかった。かわいそうだと思った」という、周囲の空気を肌で感じたそのままを、大まかな感情表現で大別する。神の存在を必要とせず、集団の価値観を感じながら、喜怒哀楽を身につける。
自省とは、その「うれしかった」を真のものかと追求し、真ならば、その事自体を自らのモデルとして、その言動や思索を振り返ること。
マルクス・アウレリウスは、ロー -
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松岡享子さんのエッセイ集、『ランプシェード』に著者のことが書かれていたので、興味を持って読んでみました。
途中は飛ばし読みしましたが、共感できるところも多かったです。
「生きがいということばは、日本語だけにあるらしい。こういうことばがあるということは日本人の心の生活のなかで、生きる目的や価値が問題にされて来たことを示すものであろう。たとえそれがあまり深い反省や思索をこめて用いられて来たのではないにせよ、日本人がただ漫然と生の流れに流されて来たのではないことがうかがえる。」
「生きがいを英、独、仏などの外国語に訳そうとすると、「生きるに値する」とか、「生きる価値または意味のある」などとする