川上健一のレビュー一覧
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サーブだけでウィンブルドンで優勝してしまう日本人プレーヤー、杉本宇宙の物語です。
「サーブだけで」というのは誇張ではありません。宇宙は文字通りサーブしか打てないのです。ストロークもボレーも何もできないので、リターン・ゲームは必ず落とします(というか、ラケットを振りさえしません)。しかし、サーブは超人的なので、自分のサービス・ゲームは必ず勝ちます。
この奇妙奇天烈な設定で何が起こるでしょうか? 対戦相手は剛球サーブを受けて気絶もしくは負傷でリタイアするか、ゲームカウント6−6まで行ったあとのタイブレークでダブルフォールトを犯して負けるか、戦意喪失してリタイアするか、作者の都合によりいずれかの -
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1960年代、夏。野球部のぼくは暴投が怖くて送球ができない。おかげで2年生になっても畑の中で球拾い。
そんなぼくが、深夜の米軍放送で流れたビートルズの「プリーズ・プリーズ・ミー」を聞いてから何かが変わった・・・。忘れられない14歳の夏を駆け抜けた青春物語。
青春モノは好きなジャンルなので評価が甘くなりがちだけど、これもいい作品。押さえるべき点をしっかり押さえ、王道を行くといった感じ。
関口尚の「空をつかむまで」と比較すると、作家の年代的特徴がよくわかる。
「空を~」が同じく学校・夏休みを舞台としながらも、仲間内のキャラクターしかほとんど描写されないのに比べ、この作品では野球部員、級友とい -
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単純に馬鹿らしくて面白かった。ありえないプロ野球の話。弱小球団におじいちゃん監督がやってきて・・・選手も無茶苦茶だけどある意味で純粋、優勝しちゃうサクセス?ストーリー。こう書くとなんかよくある野球漫画みたいだが、この小説はサクセス部分・努力・根性がテーマでなく、あくまで笑わせるため?の小説。右の4番がいきなり左打席にたち続けたり、エースがマウンドで泣き出したり、もうめちゃくちゃだが、憎めず笑える。20年以上前の設定だが私にはちょうどよく分かる世代の選手がでてきて楽しい。一部実名なのでちょっと心配だ(笑 特に達川のおもらし。あれは本人に許可とってるのか???往年の野球好きで息抜きしたい方にお勧め