川上健一のレビュー一覧
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山梨、八ヶ岳南麓の丘の上。
「朝」と「朝ごはん」が大好きな慶が、
ツネおばあちゃんとの出会いをきっかけに、
夢だった「朝ごはん屋・おはようございます」を開く。
朝からそれはもう、元気一杯な慶。
毎朝、低血圧でボサ~っとしている私には、なんとも羨ましい限り。
かまどで炊いたごはん、炭焼きのシャケ
チーズトースト、生みたての卵かけごはん
楽しそうにお料理して「おいしそう!」と声を上げる慶。
”おいしい神様”か…
めんどくさいなぁ…なんて思いながら、お料理しちゃダメなのね(笑)
姉弟の卵焼きのくだり、おまけをしてしまうだろうところまでは慶と一緒。
ただその後、てっきり卵メニューをプラスするとばかり…
まだまだ考えが浅はかでした。
信じられないくらい天真爛漫な慶。
「今の自分は、昔のいろんなことがあった自分があるから」
そうですよね。
私も、趣味が「朝」と「毎日の生活」と言えるようになりたいものです。
八ヶ岳、南アルプス、美しい自然が目の前に広がって、
清々しく、心温まる物語でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【本の内容】
ダンクシュートとは、ジャンプ一番、バスケットリングの上からスナップを効かせてボールを叩きこむシュートのことだ。
ミサワ基地のジョーは、黒人の誇りをダンクを決めることに賭けた。
ああ、神さま、ちびの黒人にでっかい羽根をください!
スポーツ小説の幻の傑作と言われるデビュー作がここに復活!
単行本未収録のアイスホッケー短編「新顔」も収録。
還ってきた名手の再編集スポーツ小説傑作集。
[ 目次 ]
[ POP ]
やっぱり長編が読みたいぞ川上健一。
たしかにうまいし、熱い物語がこの本にはたんまり詰まっている。
「熱いトライ」ではラストの主人公の言葉に、泣かされ、「打ってみやがれ!」ではふざけたピッチャーの言動ににやにやし、「タイトルマッチ」で熱くなる。
と、いいのだが、だったら長編が読みたくなるではないか。
面白い事は面白いのだが、スポーツものではない「オレンジ色のロリポップ」なんかが入っているのが悪いんだ、たぶん。
こういう短編では短すぎて爆発的に泣いたり、笑ったり、熱くなる事はできない。
中途半端に熱くさせられた感が拭えない。
面白いからこそ、こちらは不完全燃焼なのだ。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
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岡山弁(?)で全編進んでいく。なんかすごくコテコテな方言を敢えて使ってるような?岡山のかた、普通にこんな感じでしゃべります?
でも、方言って没入すると本当にかわいい。
ストーリーはちょっと予測できてしまうけど、全体としてほんわかした空気に包まれていて、良い読み心地。
ガンになって、5年生存率90%という数字をどう受け止めるか、それはその人がいままでどのように生きてきたかによる。
ちょっと、主人公の考え方は自虐的すぎるかなぁと思う部分もあるけれど。
ガンになったことで全てのことがありがたく幸せに感じることもできるのか。
そして、どんな人も心からのありがとうという言葉を待ってるのかもしれない。
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ネタバレ東北のある寒村で、母親のヒデと二人暮らしの小学三年生の心平は、川でヤスで魚を捕ることと絵を描くことにしか興味がない、純朴な少年だった。
そしてそんな心平には心の通い合う同学年で耳の不自由な少女小百合がいた。
そんな二人は川で雨鱒を見つけ、高学年の少年たちに雨鱒が見つかりそうになっては、それを逃がしてやるのだった。そして心平は小百合との結婚を誓う。
そんなある日心平の絵が国際的な児童画展に入選する。その夜祝賀会が催されるが、母のヒデは雪の中で眠ったような状態で死体で見つかる。
十年後、十八歳になった心平は村に戻ってきて、小百合の実家である造り酒屋勤めるが、社長の高倉志郎から東京で絵を学ぶよう勧められる。
しぶしぶ送り出される形になった心平だが、結婚を誓った小百合がいること、また小百合の婆っちゃや秀二郎爺っちゃがいるこの村に留まりたいと思い、一向に東京へは向かわない。
同時に小百合と幼馴染である英蔵の縁談が持ち上がる。
心平と小百合は示し合い駆け落ちを図る。しかし、追ってくる英蔵に捕まる。ボコボコに殴られる心平だったが、小百合が英蔵に手話で、心平と一緒でなければ生きられないと告げる。英蔵はとうとう小百合を諦め、泣きながら追ってくる高倉志郎とその部下を阻止する。
心平と小百合が乗った船は、秀二郎爺っちゃの舵でゆっくりと川を下っていくのだった。
とてもすばらしい初恋小説だったと思う。 -
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ネタバレ舞台は1960年代の青森県十和田市。
僕こと神山久志は中学3年生(最初は2年生)で野球部員でやっとレギュラーポジションを取れた。
それと同時期にラジオから聴こえてきた「ビートルズ」の曲に心を奪われる。
また思春期である神山君は、同じ野球部員から十和田湖周辺で若い女性が処女を捨てることが多いと聞き、好奇心と衝動から、夏休みのある日野宿できる準備をして自転車で十和田湖畔へ向かった。
その十和田湖畔の岩場で、おとなしく音楽の授業では合唱でも口パクしている斉藤多恵が一糸まとわぬ姿で泳いでいるのを見かける。
そして湖から上がった斉藤多恵は美しい声で「アヴェ・マリア」歌い上げるのだった。
彼女は神山君に気がつき、彼女は湖畔のホテルでアルバイトをしていることなどを明かす。
それから、神山君と斉藤多恵は湖畔の桟橋でデートのように毎日会うようになる。斉藤多恵は神山君にお互いに嘘は絶対になしねと約束する。
そしていろいろと話していくうちにお互いに惹かれ合うようになっていく。
また、斉藤多恵はホテルでピアノ演奏も披露していて、神山君はその素晴らしさに驚嘆するのだった。
神山君と斉藤多恵の関係は実にプラトニックだったが、ホテルのボイラー室で2人きりになったときは神山君は斉藤多恵にキスしたくなるのが、それも耐えた。
神山君の休み期間も終わり、斉藤多恵と「またな」「またね」と学校で再会する約束をするが、夏休みが終わる前に斉藤多恵は仙台に引っ越すことになる。そのことを神山君には告げていなかった。
そのことを聞いた神山君は懸命に駅へと駆け出し、何とか斉藤多恵と友人・先生をつかまえる。
神山君は斉藤多恵に嘘はつかない約束だったじゃないかと詰め寄った。斉藤多恵は神山君のことが好きだから言えなかったと言った。
神山君は斉藤多恵にキスがしたいと言う。汽車の発車直前、神山君は斉藤多恵の唇にキスをした。それが最後のお別れになった。
30年後、斉藤多恵は世界中で有名なピアニストになっていた。
中学生・高校生などの思春期に多くの人々が味わったことであろう甘酸っぱい経験が、この小説には美しく描かれている。
ただ、登場人物の発言とかがちょっと気恥ずかしい気持ちになる。
20年前に読んだときにはすごく面白いと思ったが、僕が年を取ったせいかもしれない。 -
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ネタバレ中学生が主人公の小説なんて、好んで読まないけど、読んだらなかなか切なくて良かった。
最近、自分と同世代か年下の作家さんの小説ばかり読んでいたけど、この小説の著者は1949年生まれとだいぶ年上。物語の舞台も昭和の田舎町で、中学校の先生も暴力や暴言当たり前。(昔はそうだったよなぁ…ぞっとする)。ビートルズが流行りだして、中学生が歌っていると、「ビートルズなんて歌ったら不良になる!禁止!」って言ってる笑。今じゃ滑稽だけど、実際そんなことしてたのかな。
例えば今、中学生にスマホを学校を持ってくるなって禁止するけど、時代が変わったら、「なんであんな便利なものがあるのに、学校で使わせずに禁止してたんだろうね!ばっかみたい!令和の教員ってバカだったねー」ってなるかも!?
まぁそんな時代の中学生の少年が、教師に反感を覚えたり、父親に対してモヤモヤしたりしながら、ビートルズの歌に出会ったことでちょっと大人になっていく物語です。
ちょっとした気持ちの持ち方の変化で、パッとしなかった中学時代が輝きだす。女のこともしゃべれるようになって、学校では暗くて目立たなかった少女の、別の面を夏休みに知る。ピンチに陥ったとき、父親が現れ、助けてくれて、黙って去っていく場面とか良かった。
普段、解説とかあんまり読まないけど、角田光代さんが解説書いてたんで読みました。中学生であるということの苦しさ、自分は中学生には絶対に戻りたくないということが書かれていてとても共感した。私は特に中学時代に嫌な思い出があるわけじゃないけど、それでも中学時代には戻りたくないと思う、その理由が角田さんの文章でなんだかしっくりと理解できた。
だけど中学時代にはこんなふうに、多くの人は、苦しみながらも、色々な新しいことに出会って、成長してきたんだなって思った。逆にそういう時期がないと、大人にはなれない。
近未来を描く物語もいいけど、今更昭和っていうのも(先生たちの横暴さにはイラっとするけど)いいなと思いました。