川上健一のレビュー一覧
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山梨、八ヶ岳南麓の丘の上。
「朝」と「朝ごはん」が大好きな慶が、
ツネおばあちゃんとの出会いをきっかけに、
夢だった「朝ごはん屋・おはようございます」を開く。
朝からそれはもう、元気一杯な慶。
毎朝、低血圧でボサ~っとしている私には、なんとも羨ましい限り。
かまどで炊いたごはん、炭焼きのシャケ
チーズトースト、生みたての卵かけごはん
楽しそうにお料理して「おいしそう!」と声を上げる慶。
”おいしい神様”か…
めんどくさいなぁ…なんて思いながら、お料理しちゃダメなのね(笑)
姉弟の卵焼きのくだり、おまけをしてしまうだろうところまでは慶と一緒。
ただその後、てっきり卵メニューをプラスす -
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ネタバレ【本の内容】
ダンクシュートとは、ジャンプ一番、バスケットリングの上からスナップを効かせてボールを叩きこむシュートのことだ。
ミサワ基地のジョーは、黒人の誇りをダンクを決めることに賭けた。
ああ、神さま、ちびの黒人にでっかい羽根をください!
スポーツ小説の幻の傑作と言われるデビュー作がここに復活!
単行本未収録のアイスホッケー短編「新顔」も収録。
還ってきた名手の再編集スポーツ小説傑作集。
[ 目次 ]
[ POP ]
やっぱり長編が読みたいぞ川上健一。
たしかにうまいし、熱い物語がこの本にはたんまり詰まっている。
「熱いトライ」ではラストの主人公の言葉に、泣かされ、「打っ -
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岡山弁(?)で全編進んでいく。なんかすごくコテコテな方言を敢えて使ってるような?岡山のかた、普通にこんな感じでしゃべります?
でも、方言って没入すると本当にかわいい。
ストーリーはちょっと予測できてしまうけど、全体としてほんわかした空気に包まれていて、良い読み心地。
ガンになって、5年生存率90%という数字をどう受け止めるか、それはその人がいままでどのように生きてきたかによる。
ちょっと、主人公の考え方は自虐的すぎるかなぁと思う部分もあるけれど。
ガンになったことで全てのことがありがたく幸せに感じることもできるのか。
そして、どんな人も心からのありがとうという言葉を待ってるのかもしれない。
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ネタバレ東北のある寒村で、母親のヒデと二人暮らしの小学三年生の心平は、川でヤスで魚を捕ることと絵を描くことにしか興味がない、純朴な少年だった。
そしてそんな心平には心の通い合う同学年で耳の不自由な少女小百合がいた。
そんな二人は川で雨鱒を見つけ、高学年の少年たちに雨鱒が見つかりそうになっては、それを逃がしてやるのだった。そして心平は小百合との結婚を誓う。
そんなある日心平の絵が国際的な児童画展に入選する。その夜祝賀会が催されるが、母のヒデは雪の中で眠ったような状態で死体で見つかる。
十年後、十八歳になった心平は村に戻ってきて、小百合の実家である造り酒屋勤めるが、社長の高倉志郎から東京で絵を学ぶよう勧め -
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ネタバレ舞台は1960年代の青森県十和田市。
僕こと神山久志は中学3年生(最初は2年生)で野球部員でやっとレギュラーポジションを取れた。
それと同時期にラジオから聴こえてきた「ビートルズ」の曲に心を奪われる。
また思春期である神山君は、同じ野球部員から十和田湖周辺で若い女性が処女を捨てることが多いと聞き、好奇心と衝動から、夏休みのある日野宿できる準備をして自転車で十和田湖畔へ向かった。
その十和田湖畔の岩場で、おとなしく音楽の授業では合唱でも口パクしている斉藤多恵が一糸まとわぬ姿で泳いでいるのを見かける。
そして湖から上がった斉藤多恵は美しい声で「アヴェ・マリア」歌い上げるのだった。
彼女は神山君に気 -
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ネタバレ中学生が主人公の小説なんて、好んで読まないけど、読んだらなかなか切なくて良かった。
最近、自分と同世代か年下の作家さんの小説ばかり読んでいたけど、この小説の著者は1949年生まれとだいぶ年上。物語の舞台も昭和の田舎町で、中学校の先生も暴力や暴言当たり前。(昔はそうだったよなぁ…ぞっとする)。ビートルズが流行りだして、中学生が歌っていると、「ビートルズなんて歌ったら不良になる!禁止!」って言ってる笑。今じゃ滑稽だけど、実際そんなことしてたのかな。
例えば今、中学生にスマホを学校を持ってくるなって禁止するけど、時代が変わったら、「なんであんな便利なものがあるのに、学校で使わせずに禁止してたんだろう -
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内容紹介
初恋と友情…少年と少女の永遠のひと夏。中学2年生の時に初めて聞いたビートルズで、さえない僕の人生は変わった。冒険の小旅行、憧れの少女との交流。ひと夏の思い出が蘇る。第17回坪田譲治賞受賞の清冽な青春小説。(解説・角田光代)
青春小説として非常に評判が高い作品でしたが、なかなか見当たらなかったので読んでいませんでした。爽やか且つ青臭く、友情喧嘩反抗恋愛と揃っていて隅から隅まで青春まっしぐらです。僕にはこんな時代は無かったと断言できますが、読んでいると彼等の仲間だったんではないかと妄想する位のめり込んで読みました。
ヒロインの存在が秀逸でこの話の6割がそれ、4割が友情で出来ています。昭