ヒキタクニオのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ある日突然頭に角が生えてきてしまった女の子の物語。
女の子といっても社会人。
角が生えたこと以外は特別変わったこともなく、
何か特別な能力に目覚めて闇の組織と戦う~
みたいなストーリーでもない。
角生えちゃった。
けれどつづく日常。
もちろん角が生えたことは主人公にとっても大きな恐怖で
不安になったり、周りの目に敏感になったりもするのだけど
そこから日常に溶け込むまでが自然。
いやぁ、自分の頭に角生えたらそりゃびっくりするよなぁ、
でもどうしようもないよなぁと思いながら淡々と読めてしまう。
展開が映像向きかもね、って思いながら読んだ。
さらっと読めるので、がっつりしたミステリーを読んだあと
息抜きしたい時なんかにどうぞ。 -
Posted by ブクログ
物に情がわく事が多い。くたびれた家電品にスイッチを入れる時はお願いしますよーと撫でるし、家族を待つ夜にはシューシュー湯気吐く加湿器が話し相手だったり…
このお話は逆に冷蔵庫が人に対して感情を持っている。
才能という言葉に翻弄され、老朽でもなく外的要因でもないのにどんどん壊れていく夫婦と甥っ子。
それをキッチンで冷え冷え冷や冷やで見ている冷蔵庫。
動けず語れずの彼が取った行動とは…
しかし、なんと、人は弱く浅はかな生きものなのか。
しっかりと任務を全うする物と果たしてどちらが幸せなのだろう。
それでも…人はこと切れさえしなければ必ず再生、新生できる。
そう信じたい。
私のように車に名前つけて呼んでるような人はラストに涙ポロリです^^; -
Posted by ブクログ
冷蔵庫が一人称で語るという発想はおもしろいにゃん、登場人物の誰の感情も真意がわからないと言う意味では、イライラしたにゃん。実質普通にはわからない(理解できない)世界を描いているという意味では、的を得ているともいえるにゃん
途中でネタバレにゃんが、冷蔵庫が何かやってくれるのは、期待通りでよかったにゃん。ただ語る冷蔵庫じゃつまらんにゃん
凡猫には、理解できにゃんが、ある種の天才というのは、自分の才能の限界を知ると、子供であっても死ぬ気になるほど、思いつめるものにゃん?
イジメや親の期待をストレスに感じてなら理解できるにゃんが、最初から才能の欠片ももっていなかったにやんには、才能が無くなったことを悲観することもなかったにゃんで、よくわからなかったにゃん。ただ、にやんには才能が無くてよかったにゃんと思ったにゃん。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ青山キラー通り沿いにある原宿団地を舞台にした短編集。
原宿団地とは実在したのですね。
もちろんフィクションでしょう。
主人公は73歳の小曽根さん。
40代までアメリカで過ごした江戸っ子で、ベルギー人の奥さんと二人暮らし。
原宿団地の主として団地で起こることをすべて見ている。
小曽根さんが主人公になったり、脇役になったりして物語は進んでいく。
表題作『原宿団地物語』は団地の住民達が団結して落書き犯を捕まえる話。
タイガーマスクの仮装をすることで安堵感を得られる女性という存在が面白い。
バツイチの翻訳家との恋愛話もあり、唯一恋愛色の強い話だった。
『汚し屋』
ヴィンテージジーンズの贋作を作る売れない役者が主人公。
団地に住むホステスの部屋に転がり込んで、小曽根さんと出会う。
夢追い人のなんだかヒリヒリする話。
『ボールゲーム』
小曽根さん少年野球の監督になるの巻。
爽やか。野球が好きであるほど楽しめる。
ノー知識だといまいちかも。
『スイス式』
ハゲであることにコンプレックスを持つスイス人マッサージ師の話。
自虐と悲哀。
『原宿シロー』
亭主関白な夫を持つ専業主婦のお話。
一番ドラマチックなものの、こういう系統の話は好きではない。
『夢騒がし』
自分が人を殺した(妻を殺した)と思い込んでいる男の話。
精神ホラー的。
『天狗』
トンデモ系。
とつぜん現れた天狗に「願いをかなえてやる」と言われた40男が、とある願いをかなえてもらう話。
かなりしょうもないけど、オチはよかった。
『チョコレート・ペーストの日々』
小曽根さんがいじめられているらしき小学生と出会い、なんとか救う手立てはないかと考える。
小曽根さんの生活もちらり。
ほのかな恋愛テイストあり、
スポ魂あり、ホラーあり、不思議系もありで、いろいろなお話が楽しめる。
相変わらず文章がうまくて展開のメリハリも効いて面白い。
のだが、本作は小曽根さんのキャラがいまいちな印象だった。
小曽根さんは中身はアメリカンなおじいさんだけれど、物語の中ではとても70代には見えない。
70代に設定する必要性もさほどない。
だからあえての小曽根さんの設定に違和感があった。
そしてそれぞれの物語の登場人物、筋は悪くはなかったものの、もう一段階、全編につながりがあればよかったかなあと思う。
ちらっと別の話とリンクしたりする場面もあるものの、少し物足りなかった。
ちょっとパラパラしちゃった感。
もう一歩のカタルシスがないのが、凡庸な読後感。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2010年が舞台とは思えないくらいにステレオタイプな
任侠ものの超ガチガチなハードボイルド。アナクロで
あまりにも頑な生き方のヤクザ、そして主人公の
ヤクザ専門を相手にする探偵が、ガッツリと組んで
行方知れずとなった関東の巨大暴力団組織の組長を
救出すべく奔放する今作。
この探偵の「時園」と若頭「君島」の妙に萌える
関係性、そして、拉致された会長の「今切」との
血を越えた関係性に男子が一度は憧れる任侠道が
揺さぶられます。
しかし、そんな濃い関係性の特殊な世界でも
裏切りや「金」によって一般社会同様に内部から
蝕まれていく様はやはり哀れでもある。
今作の探偵である「時園」のやけに凄腕っぷりと
その曰く付きで訳ありな過去も含め、やけに
スーパーマンで切れ者なのが少し不自然ではありますが、
久々に読んだ王道のハードボイルドで、なんのかんの
言っても引き込まれます。適度にライトでユーモアも
盛り込んでいるところなんか、現代版って感じですね。