ヒキタクニオのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
普通のサラリーマンとして生活する主人公は、突然に娘をさらわれ、殺される。
秋葉原で出会った警官オタクの「ポリ子」に、
最初は怪しみながらも共鳴し、ともに犯人探しを始める。
自分の手で犯人を殺すために。
ポリ子に紹介されたオタク仲間は皆異質だ。
シリコンフェチ、ラバーフェチ、手を下さずに絵図を描く絵図男。
後一歩で犯人にたどり着く、そこで容疑者逮捕のニュースが入る。
それは本当に真犯人なのか?
復讐の夢はついえてしまうのか?
最後のオチを書くのは容易いが、それはここではあえて書かない。
ただこの話は、後半でまた大きく、はねる。
ヒキタ作品を好きな人も初心者も、入りやすい一冊だと思う。
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Posted by ブクログ
最初に「遠くて浅い海」を読んでしまったので、実は途中、二人の結末を思い出してなんだか余分な気持ちを抱えながら読む羽目になった。まぁそれは私のアンラッキーなので、これから読む方はまず、こっちを読んでから「遠くて・・」を読むことを推奨したい。
オカマの蘭子と福岡にやってきた消し屋の幸三。存在そのものを「消す」彼の今回の依頼は、野球賭博にからむもの。チームのスタープレイヤー・真壁を試合の間だけ、消してほしいというのだ。しかも命は取らず、真面目一辺倒の真壁を自主的にサボタージュさせてほしいと。幸三が目をつけたのは以前借金を作って妻子を置き去りにした真壁の真の父親である、大神。クスリを打ちながら大神が -
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星は4つ。けど勧めないという珍しいパターン。
酔っ払いに飲まされて起きると、私の頭に角が生えていた。
文章の校正を生業とする主人公はお団子ヘアのようにして、
フツウに出版社に出勤する。
虫になったザムザとは違い、ごくごくフツーに暮らしつづける主人公。
角をとれるかもしれないと情報を持ってきた恋人と中国まで行くが、
実は恋人は忙しい中でたまには旅行を、と思っただけだった。
角は、主人公の感情を反映して、
ちょっときゅんとしたり、しんと冷えたり、ぽっと熱を帯びたりする。
それだけ。
ひたすら校正する麻起子。
角がばれ、なぜかそのばたばたで、嫌っていた編集者や作家から求愛される。
恋人と -
Posted by ブクログ
◆殺すだけでなく、その人物の生きて来た痕跡までも消してしまう「消し屋」。仕事を一つ終え、オカマの蘭子とともに沖縄へ向かった消し屋のもとに、若き天才を自殺させてほしいという依頼が舞いこんだ。どうやって天才を追い詰めるのか。沖縄の地に忌まわしくも哀しい記憶が蘇る。大藪春彦賞受賞の傑作。
◆ヒキタ クニオ
1961年、福岡県生まれ。イラストレーター、マルチメディア・クリエーターを経て、作家に。2000年に『凶気の桜』でデビュー。2006年、『遠くて浅い海』で第8回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
◆ところどころ、気持ち悪いし、常軌を逸した人の喜びや苦 -
Posted by ブクログ
初ヒキタクニオ赤 は 思想的な赤 この世界に存在することに息苦しさや閉塞感と怒りを感じている女子高校生と在日韓国人であるのに日本名を名乗って生活していることに疑問と違和感を持つ女子高校生。二人の爆発的怒りが向かうのは 商業主義そのものとそれに踊らされる現代の人々。その巨大な「敵」と戦うために必要な力と頭脳をそれぞれが有している。高校生 普通に生きていても、どこからか湧き出るもやもやとした不安と、向かうべきところのない怒りに翻弄される年頃。二人が不幸だったのはその行き場のない怒りを静める安心できる「家庭」が無かったこと。二人の取った行動は目的も方法も間違っていたけれど、質屋の伊勢爺と同じように
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