ヒキタクニオのレビュー一覧
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普通のサラリーマンとして生活する主人公は、突然に娘をさらわれ、殺される。
秋葉原で出会った警官オタクの「ポリ子」に、
最初は怪しみながらも共鳴し、ともに犯人探しを始める。
自分の手で犯人を殺すために。
ポリ子に紹介されたオタク仲間は皆異質だ。
シリコンフェチ、ラバーフェチ、手を下さずに絵図を描く絵図男。
後一歩で犯人にたどり着く、そこで容疑者逮捕のニュースが入る。
それは本当に真犯人なのか?
復讐の夢はついえてしまうのか?
最後のオチを書くのは容易いが、それはここではあえて書かない。
ただこの話は、後半でまた大きく、はねる。
ヒキタ作品を好きな人も初心者も、入りやすい一冊だと思う。
ただしあたしはこの作品は、人には勧めない。勧められない。
小説としては面白いが、ヒキタ氏のオタクであったりフェチズムへのスタンスが、
あたしとはちょっと違うからかな?どうもしくっとこないからだ。
特に最後の方のポリ子の動きが、あたしにはうーむ。 -
Posted by ブクログ
「霞綱」「私の憂鬱な日々」「悲しき女子大生」「東京カワイイ中毒」
「男たちよ、泣くな」「老人と久美」「半分愛して」「苦々しい16歳」「私の出
逢った男子」
いっけん仲良しのOL三人組。でも実態はちょっと違う
本当はそこから抜け出したくてたまらないのだ(「霞網」より)。
"一般職OL、女子大生、キャバ嬢、文芸編集者、女子中学生、服飾デザイナー、女子
高生、雑誌ライター…"
さまざまな年齢・職業の女性たちをめぐる物語。
すべての話に毒があって、とても好みな1冊。
結果、女性は愚かだと言っているようないないような。
特にOLの話などはよくありすぎるほどありすぎて、自分の周りを考えてしまうほど。
知らぬ間にもがいている現代の女たちをよく描いていると思う。
貞操帯やらゲイやら草食男子やらヤクザやら、出てくる男たちも個性的だし。
またこの人のほかの本を読んでみたいな。 -
Posted by ブクログ
最初に「遠くて浅い海」を読んでしまったので、実は途中、二人の結末を思い出してなんだか余分な気持ちを抱えながら読む羽目になった。まぁそれは私のアンラッキーなので、これから読む方はまず、こっちを読んでから「遠くて・・」を読むことを推奨したい。
オカマの蘭子と福岡にやってきた消し屋の幸三。存在そのものを「消す」彼の今回の依頼は、野球賭博にからむもの。チームのスタープレイヤー・真壁を試合の間だけ、消してほしいというのだ。しかも命は取らず、真面目一辺倒の真壁を自主的にサボタージュさせてほしいと。幸三が目をつけたのは以前借金を作って妻子を置き去りにした真壁の真の父親である、大神。クスリを打ちながら大神が語る転落の模様は生々しくもあり、うら寂しくもある。
東京ボイスではボーカル、という糸でつながった複数の人生が綴られ、オーケストラのように各ポジションに順々にスポットが当てられたが、今回はピンでライトが強烈に当てられる。しかもひとえに真壁だけに。今回くっきりと描かれるのは光と、そうして、影だ。まっすぐに光に向かって歩む真壁には、その後ろの影に堕ちてゆく実父の姿は見えないし、大神からは逆光を背に、真壁はまぶしすぎるのだろう。
長年連れ添った妻にさえ、食べられないことをひた隠す、真壁が鶏肉を食べられない理由。冷めた鶏肉がたべものからなにか別の、冷たくばさつく物体に変わったとき、それまでは確実に親子だった2人の時間が別のモノに変わったのだろうと思う。 -
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星は4つ。けど勧めないという珍しいパターン。
酔っ払いに飲まされて起きると、私の頭に角が生えていた。
文章の校正を生業とする主人公はお団子ヘアのようにして、
フツウに出版社に出勤する。
虫になったザムザとは違い、ごくごくフツーに暮らしつづける主人公。
角をとれるかもしれないと情報を持ってきた恋人と中国まで行くが、
実は恋人は忙しい中でたまには旅行を、と思っただけだった。
角は、主人公の感情を反映して、
ちょっときゅんとしたり、しんと冷えたり、ぽっと熱を帯びたりする。
それだけ。
ひたすら校正する麻起子。
角がばれ、なぜかそのばたばたで、嫌っていた編集者や作家から求愛される。
恋人と別れて、作家に乗り換えるか?
そうして角は、とれるのか?
角がなくても十分成り立つストーリーではある。
ただ、角という異物が小さくて完全に隠れるところ、
だのに異質なところから作家の気持ちに火がつくあたりは、
そうか、角まで行く必要があったのね、かつ、全身が虫になったんじゃダメだったのねと納得。
しかし、狂気の桜ほどキョウレツではなく、
鳶がクルリとほど温かくもなく、
さくっと折れるように人が死んで幕引きだったのが、うーん、うーん、うーん。
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◆殺すだけでなく、その人物の生きて来た痕跡までも消してしまう「消し屋」。仕事を一つ終え、オカマの蘭子とともに沖縄へ向かった消し屋のもとに、若き天才を自殺させてほしいという依頼が舞いこんだ。どうやって天才を追い詰めるのか。沖縄の地に忌まわしくも哀しい記憶が蘇る。大藪春彦賞受賞の傑作。
◆ヒキタ クニオ
1961年、福岡県生まれ。イラストレーター、マルチメディア・クリエーターを経て、作家に。2000年に『凶気の桜』でデビュー。2006年、『遠くて浅い海』で第8回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
◆ところどころ、気持ち悪いし、常軌を逸した人の喜びや苦悩にこちらの感覚も麻痺しそうになるけど、予想していたストーリーと違って、面白かった! -
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初ヒキタクニオ赤 は 思想的な赤 この世界に存在することに息苦しさや閉塞感と怒りを感じている女子高校生と在日韓国人であるのに日本名を名乗って生活していることに疑問と違和感を持つ女子高校生。二人の爆発的怒りが向かうのは 商業主義そのものとそれに踊らされる現代の人々。その巨大な「敵」と戦うために必要な力と頭脳をそれぞれが有している。高校生 普通に生きていても、どこからか湧き出るもやもやとした不安と、向かうべきところのない怒りに翻弄される年頃。二人が不幸だったのはその行き場のない怒りを静める安心できる「家庭」が無かったこと。二人の取った行動は目的も方法も間違っていたけれど、質屋の伊勢爺と同じように なぜかシンファシィを感じてしまう。それはかつて自分自身もその行き場の無い怒りに身を焦がしたことがあるからだろう…希望のあるラストの救われた。