【感想・ネタバレ】遠くて浅い海のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2015年09月27日

沖縄には行ったことがないけれど、この作品を読んでまぶしいくらいの太陽を感じた。

沖縄という日本にあって日本でない場所。日本に同化できない異質な土地。その光と影を描いた作品のように感じた。太陽が輝けば輝くほど、その裏にある陰影が輪郭を強くするように、魅力的な登場人物たちが輝くほど、彼らの内に秘めた絶...続きを読む望感が伝わってくる。

消し屋(死体すらも残さない殺し屋)の将司が依頼を受け、沖縄で自由気ままに暮らしている資産家の若者、天顔を"消し"に行く。そこで出会う天顔とのわずかな日々。殺すためには、相手のことをよく知らなければならないという、将司自身のルールにより、交流が始まる。その過程で明らかになる、天願のいくつもの驚くべき過去。

物語に強い力にぐいぐい引っ張られ、ほとんど一気に読んだ。将司のニューハーフの恋人の蘭子がまぶしくて、色っぽい。

来月、沖縄を旅するので、この物語の空気を味わってきたい。

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Posted by ブクログ 2010年01月06日

予想以上によかった。血の臭いは全くしなかった前作の「消し屋A」と違い、如何に消すか、に焦点が当たっていて楽しめた。
ただ、田舎の村が云々、という話にありがちなパターンだったのが非常に残念。

どうでもいいが、なぜか頭の中で天現と雅楽師の東儀秀樹がかぶった。天才だからか?

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

殺しの天才vs医薬界の天才。

この作品の面白いところは、ただ相手を殺害するのではなく、自殺するよう仕向けなければならないところ。
2人の天才が様々な頭脳戦を繰り広げ、お互いの内面を掘り下げていきます。

どこまで相手の心(精神)に入り込み、決定的な一打を与えることができるか。
それを追求し、逆に内...続きを読む面をジワリジワリと追いつめられていく恐怖。

非常に面白い内容でした。お薦めです。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日


美しい。
透明できらきら儚くて、切ない。


血生臭いのに妙に乾いた天才と、妙に純粋な透明感のある、生を軽やかに浪費する天才と。
二人の天才の危うい関係を軸に、そこに配置される登場人物たちもまた、細い線の上でくるくると危なげに生き急いでいる。

ジェンダーの狭間で揺れる蘭子。バランスの悪い自分を持...続きを読むて余して乾いている麻。狂気の血を押さえつけながら冷たい炎を内に秘める小橋川。


愛すればこそ乾き、完成してしまったらもはや先は虚無。



ハッピーエンドでもなんでもないのに、こんなに共鳴できる小説は、なかなかお目にかかれない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年02月14日

ターゲットの痕跡もこの世から消し去る「消し屋」が主人公。
恋人の蘭子(おかま)と一緒に沖縄へ向かったところ、
とある天才を自殺させるという依頼が来る。

やくざの組長を消した後、沖縄へ向かうフェリーの中で物語は始まる。
遺体を始末しながら、いかにターゲットを消していくかを描いて、最初から惹き...続きを読むこまれる。

途中から無邪気な天才・天願の少年時代の壮大な「実験」が挿話的に入るが、
これがまた面白い。

死にそうにない男を「自殺させる」仕事をどうやって完遂するか。
展開は意外だった。
急転直下。
読み終わって、もしかしたらこれも全て作戦だったのかとも思うけど、真相はわからない。

消し屋の仕事だけでなく人間ドラマの部分もかなり濃厚。


そしてレビューを書き終えて知った、
これは3作目だったのね。。。
前2作を読んでたらもっと感動ポイントがあったかも。
ちょっと残念。
遡って読もう。

ヒキタ氏はまだ2冊目だが相当文章と見せ方がうまいなと思う。
なんだか映像的。
かなり読み手を意識して、いかに物語世界に引きずり込むかを心得ているように思う。
計算なしでこれをしていたら天才だと思うけど、どうなんだろう。
まあ計算でも天才的です。

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Posted by ブクログ 2011年12月07日

『消し屋A』の続編。
今回はちょいと、お涙頂戴なニュアンスもあったかな。
スピード感が、それ程あるってわけじゃないのに、グイッと引き込まれる世界観は相変わらず。

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Posted by ブクログ 2010年09月08日

自殺させる、っていう経過はおもしろかったんですが…蘭子の心理がよくわからなかった。
「消し屋A」を読んでない所為か?

最後、天願の心に入り込んだのはすごかったですねぇ
でも天願があんなに脆いとは思わなかった。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

◆殺すだけでなく、その人物の生きて来た痕跡までも消してしまう「消し屋」。仕事を一つ終え、オカマの蘭子とともに沖縄へ向かった消し屋のもとに、若き天才を自殺させてほしいという依頼が舞いこんだ。どうやって天才を追い詰めるのか。沖縄の地に忌まわしくも哀しい記憶が蘇る。大藪春彦賞受賞の傑作。
◆ヒキタ クニオ...続きを読む
1961年、福岡県生まれ。イラストレーター、マルチメディア・クリエーターを経て、作家に。2000年に『凶気の桜』でデビュー。2006年、『遠くて浅い海』で第8回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

◆ところどころ、気持ち悪いし、常軌を逸した人の喜びや苦悩にこちらの感覚も麻痺しそうになるけど、予想していたストーリーと違って、面白かった!

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Posted by ブクログ 2017年08月21日

天才VS天才
良いですねこの図。内容を知らないで読み、登場する殺し屋とオカマ、うーんヒキタ氏ワールドだなあ。

天才科学者とそれの命を狙う殺し屋、ひとつ屋根の下に暮らし、互いのことを理解していく。
ラス前は「えーそんな安易な感じになっちゃう?」と思ったが、ラストはなかなか心にクル展開。楽しく読めたな...続きを読む。シリーズだったのを知らなかったが、前作も読んでみよう。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年07月18日

少し長く感じた。
天才対天才という体だが、あまり主人公からは天才を感じられなかった。

描写はすばらしいのだが、説明が長すぎると感じる事もあった。

ただ、ストーリー自体はそんなに悪くなく、登場人物も少なく、すっきりして読むことができた。

淡々と暴力の描写を書くことで、よりバイオレンスが増していた...続きを読む

ちょっと蘭子の行動が理解出来なかったけど、男だから理解できないのか??
と思った。

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Posted by ブクログ 2009年11月30日

 沖縄と天才っていうキーワードが、吉田秋生の漫画「YASHA」を思い出させた。天才消し屋が天才を自殺に追い込むっていう筋が面白そうだったので読んでみたんだけど、キャラクターの行動範囲がかなり狭かったためか、小さくまとまってる感じがして、思ったより面白くならなかった……。その分、天才の過去話が出てくる...続きを読むわけなんだけど、彼の「頭の中を覗く」のは消し屋だけでよかったと思うので、読者が頭の中を覗いてしまったのは逆効果だったかなぁと。
 終盤ある人物がかなり思い切った行動に出るのだけど、その動機をさくっと説明してあるのがなんだかもったいない~。

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