あらすじ
人を殺し、その人の生きて来た痕跡まで消してしまう「消し屋」。ひとつ仕事をやり遂げた船旅のおわり、オカマの蘭子と沖縄へ向かう消し屋に、奇妙な依頼が舞い込んだ。ターゲットは若き天才。しかし殺すのでなく、自殺に追い込んでほしいという。若くて健康で金持ちの天才を、どうやって自殺させる? 天才の邸の客となった消し屋が、彼の人生を辿りはじめると、忌まわしくも哀しい記憶がゆっくりと蘇ってきた…大藪春彦賞受賞の傑作。『消し屋A』の続篇。
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Posted by ブクログ
ターゲットの痕跡もこの世から消し去る「消し屋」が主人公。
恋人の蘭子(おかま)と一緒に沖縄へ向かったところ、
とある天才を自殺させるという依頼が来る。
やくざの組長を消した後、沖縄へ向かうフェリーの中で物語は始まる。
遺体を始末しながら、いかにターゲットを消していくかを描いて、最初から惹きこまれる。
途中から無邪気な天才・天願の少年時代の壮大な「実験」が挿話的に入るが、
これがまた面白い。
死にそうにない男を「自殺させる」仕事をどうやって完遂するか。
展開は意外だった。
急転直下。
読み終わって、もしかしたらこれも全て作戦だったのかとも思うけど、真相はわからない。
消し屋の仕事だけでなく人間ドラマの部分もかなり濃厚。
そしてレビューを書き終えて知った、
これは3作目だったのね。。。
前2作を読んでたらもっと感動ポイントがあったかも。
ちょっと残念。
遡って読もう。
ヒキタ氏はまだ2冊目だが相当文章と見せ方がうまいなと思う。
なんだか映像的。
かなり読み手を意識して、いかに物語世界に引きずり込むかを心得ているように思う。
計算なしでこれをしていたら天才だと思うけど、どうなんだろう。
まあ計算でも天才的です。