ヒキタクニオのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
実に良く出来たミステリだった。
まさか、ずっと聞いているつもりで読んでいた華蓮の言葉が、九子による自作自演だったとは。
九子が1人で行っている、という事実を刑事達に聞かせることを決意した華蓮の気持ちはどんなものだっただろうと思う。
いつかどうにかしないといけないと思っていた…しかし華蓮自身、義足になる程の虐待を受けた事実や、言葉に出来ない九子との奇妙な信頼関係、自身を共犯とすることで九子の罪が軽くなるのでは、九子に代わりに殺意を満たしてもらったような…とにかく、様々な思いがあったのだろう。
里美の、九子の母と愛人に「ヒラメ」という酷い渾名をつけられ笑われたことに殺意を感じた、という供述に尋問 -
Posted by ブクログ
鮮烈なカバーイラストで手に取った作品。でも読み終わって心に残ったのは、やや掠れ気味のボーカルだった。読み終わった小説で音声が響いたのは、初めての経験だ。
東京の片隅でプライドどころか自分の才能の残滓を切り売りする、元シンガーのボイストレーナー吉本のところに集う彼らはそのまま、東京の縮図。大麻使用で堕ちた元アイドル。うらなりのボーカリスト。嘘をつきつづける風俗嬢。仲間外れの主婦。さびしいヤクザ。常に醒めた目で彼らに向き合い、でも不器用に歌を通じて彼らを変えてゆく吉本にも、辛い過去があった。
ヒキタクニオの小説にはいつだって毒がある。主人公は落伍者だったりコロシヤだったり角を生やした女性だった -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルに惹かれて…
毒親なら徹底して毒親でありさえすれば
九子の心は救われたかもしれない。
でも、最後にみせた親らしさを知った事で
愛情を感じる事が出来たかもしれない。
いやぁ、難しい所です。
頭の良い子は、自力で色々調べられるんだねぇ。
九子の執念には脱帽、リシンを抽出できた時には
「おおおお」と感嘆の声が出そうだった。
華蓮の九子を支配する感じがたかが4~5歳
違うだけでこんなにも悪女になるものか。と
思ったが、まさかの展開が待っていたし
里実の九子に対する執着、いちばんのヒトコワは
地味で大人しい里実だったとは。
予想もしなかった衝撃のラスト
お見事でした。
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