ヒキタクニオのレビュー一覧

  • 触法少女

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    先が気になってやめられなくなるほど面白かった。

    計画、実行、そして警察からの質問。
    とてもスリルがあった。
    13歳なのか14歳なのかで変わる運命。
    それは警察にとっても重要なことで
    刑事たちの焦りもすごく伝わってきた。

    帯に書かれていた、震撼するラスト30ページは、驚きと伏線回収で本当に面白い!

    そしてそれぞれの辛い感情もしっかり伝わってきた。
    苦しい。
    なぜ子供を愛せないのか。
    子供を愛せないことは
    辛くなかったのだろうか。

    私達が知って感じなければならないことはまだまだあるのかもしれない。


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    2025年05月29日
  • 触法少女

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    タイトル通りの作品でした。
    起こった出来事を遡って行く流れで、
    そのまま終わるのかと思った所での
    衝撃の展開に驚きました。
    また、作中の養護施設に視察に訪れる人の事を
    他人の生活にズカズカと乗り込み、子供の食事中に『何、食べてるの?』などと聞く奴は人間のレベルが低い、という言葉にどきりとしました。
    私にそんな機会は無いが、気を付けようと思った。

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    2025年05月27日
  • 触法少女

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    実に良く出来たミステリだった。
    まさか、ずっと聞いているつもりで読んでいた華蓮の言葉が、九子による自作自演だったとは。
    九子が1人で行っている、という事実を刑事達に聞かせることを決意した華蓮の気持ちはどんなものだっただろうと思う。
    いつかどうにかしないといけないと思っていた…しかし華蓮自身、義足になる程の虐待を受けた事実や、言葉に出来ない九子との奇妙な信頼関係、自身を共犯とすることで九子の罪が軽くなるのでは、九子に代わりに殺意を満たしてもらったような…とにかく、様々な思いがあったのだろう。

    里美の、九子の母と愛人に「ヒラメ」という酷い渾名をつけられ笑われたことに殺意を感じた、という供述に尋問

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    2025年05月25日
  • 触法少女

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    14歳くらいの時に読んで何度も思い返す本、最後のオチがどんでん返しとか御涙頂戴とか思う人もいるかもだけど最後のオチこそが1番リアルな母娘関係だと思った。自分も虐待まがいのことをされてると思っていた時期だったから最後のオチであー親子ってそうなんだ私だけじゃないんだって思えて支えになった。

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    2025年02月21日
  • 触法少女

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    育児放棄や虐待、そして未成年の犯罪といった重いテーマをエンターテイメントとしていっきに読ませてもらえました。
    そして驚きの結末。
    人ってのは厄介な生き物です。

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    2023年11月26日
  • こどもの城殺人事件

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    スクールカーストのてっぺんにいる人達のお話なので、現実味が薄いマンガみたいな感覚で読みましたが、実際にあったらとても怖いけど、あるかもしれないなと思えるのはこの作者の力なのかなと思います。
    警察が取調べで真実に迫っていくところが面白かった。最後、クローゼットの意味がわかると、ああそういうことね、となるがこれは予想できない角度だった。偽証のモチベーションはこれだったのかと。
    途中の「負けるなって小さな声で呟いた」が秀逸。

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    2021年08月08日
  • 俺、リフレ

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    冷蔵庫の一人称小説としてではなく、ひとつの家庭崩壊の小説として読むと、冷蔵庫の故障はただの偶然でしかない。それを偶然とはしたくないという、もしかしたら意味はあるのかもしれないという、そういうことを書きたいのかなと読めました。
    神様はどこにもいない。けれど神様みたいな偶然はなくもないのかもしれない。あると思いたい。思いたいじゃないですか。フィクションとはそういうものじゃないですか。

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    2014年04月25日
  • 東京ボイス

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    官能小説っぽくって初めはちょっと引いたが、ストーリー構成、心理描写がすばらしい作品だった。
    作者は、ロジックよりは感性を重視しているようで、小説家というより芸術家的な思考回路に思えた。
    他の作品も読んでみよう。

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    2010年09月13日
  • 東京ボイス

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    ボイス・トレーナーの吉本の元へ訪れる7人を主人公にしながら、
    繰り広げられる物語。
    どちらかというと、明るい太陽の元を元気に歩く人たちではなく
    いろいろ背負った危うい人たちばかり…。

    トレーナーの吉本自身も、過去を背負って生きています。
    東京で七転八倒しながらも、生きる強さ、
    その力を感じました。

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    2010年02月14日
  • 遠くて浅い海

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    予想以上によかった。血の臭いは全くしなかった前作の「消し屋A」と違い、如何に消すか、に焦点が当たっていて楽しめた。
    ただ、田舎の村が云々、という話にありがちなパターンだったのが非常に残念。

    どうでもいいが、なぜか頭の中で天現と雅楽師の東儀秀樹がかぶった。天才だからか?

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    2010年01月06日
  • 東京ボイス

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    鮮烈なカバーイラストで手に取った作品。でも読み終わって心に残ったのは、やや掠れ気味のボーカルだった。読み終わった小説で音声が響いたのは、初めての経験だ。

    東京の片隅でプライドどころか自分の才能の残滓を切り売りする、元シンガーのボイストレーナー吉本のところに集う彼らはそのまま、東京の縮図。大麻使用で堕ちた元アイドル。うらなりのボーカリスト。嘘をつきつづける風俗嬢。仲間外れの主婦。さびしいヤクザ。常に醒めた目で彼らに向き合い、でも不器用に歌を通じて彼らを変えてゆく吉本にも、辛い過去があった。

    ヒキタクニオの小説にはいつだって毒がある。主人公は落伍者だったりコロシヤだったり角を生やした女性だった

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    2009年12月14日
  • 遠くて浅い海

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    殺しの天才vs医薬界の天才。

    この作品の面白いところは、ただ相手を殺害するのではなく、自殺するよう仕向けなければならないところ。
    2人の天才が様々な頭脳戦を繰り広げ、お互いの内面を掘り下げていきます。

    どこまで相手の心(精神)に入り込み、決定的な一打を与えることができるか。
    それを追求し、逆に内面をジワリジワリと追いつめられていく恐怖。

    非常に面白い内容でした。お薦めです。

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    2009年10月04日
  • 遠くて浅い海

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    美しい。
    透明できらきら儚くて、切ない。


    血生臭いのに妙に乾いた天才と、妙に純粋な透明感のある、生を軽やかに浪費する天才と。
    二人の天才の危うい関係を軸に、そこに配置される登場人物たちもまた、細い線の上でくるくると危なげに生き急いでいる。

    ジェンダーの狭間で揺れる蘭子。バランスの悪い自分を持て余して乾いている麻。狂気の血を押さえつけながら冷たい炎を内に秘める小橋川。


    愛すればこそ乾き、完成してしまったらもはや先は虚無。



    ハッピーエンドでもなんでもないのに、こんなに共鳴できる小説は、なかなかお目にかかれない。

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    2009年10月04日
  • 不器用な赤

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    色々と刺激を受けた。
    でも絶対に自分では爆弾は作れない。。
    最後、
    「あたしは後悔してないよ」
    みたいなことを言ったときぞくっとした。
    「いけないことしちゃったね」
    的な事を言わなかったとこがよかった。


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    2009年10月04日
  • 消し屋A

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    オカマの蘭子とともに福岡に流れてきた消し屋の幸三。久々に訪れた博多のヤクザから依頼された今回のターゲットは、ホークスの名捕手・真壁。内容は、殺しはナシで、彼を一試合の間だけ消すという奇妙なものだった。野球一筋で真面目な真壁には、スキャンダルなど付け入る弱味がない。幸三が取った手段とは。

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    2009年10月04日
  • ベリィ・タルト

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    <内容>
    跳ねっ返りの野良猫のような美少女リンは、元ヤクザで芸能プロ社長の関永と出会い、大きな人生の転機を迎える。だが、人気が上昇し始めた矢先、大手プロからの横槍で移籍を強要されることに。鍵を握るのは、承諾書にサインの必要なリンの母親なのだが―。個性豊かな登場人物が駆け回る痛快青春小説。

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    2009年10月04日
  • ベリィ・タルト

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    この著者の小説ははじめて読んだが、アタリをひいた!と思った。17歳の少女リンが、もとヤクザのプロダクション社長関永に拾われ、騒動に巻きこまれる。リンをアイドルとして磨き上げる過程や、人物の描き方、人間関係などにリアリティと説得力を感じた。痛快。他の小説も読んでみたいと思った。

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    2009年10月04日
  • 触法少女

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    犯人もわかってるし、なんか延々と毒の話が続くし、あんまおもんないなーって思ってたら後半で「そういうことか!」の展開になって評価上がった

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    2025年11月12日
  • 触法少女

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    表紙の圧倒的な強さに心を奪われ、何気なくページを開いた瞬間から、物語は静かに、しかし確実に胸を締め付けてきた。そこには想像以上の痛みが渦巻き、読者の感情を揺さぶる力があった。終盤にかけての追い込みは凄まじく、一つ一つの伏線が巧みに回収される様は圧巻で、息を呑まずにはいられない。

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    2025年10月30日
  • 触法少女

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    ネタバレ

    タイトルに惹かれて…

    毒親なら徹底して毒親でありさえすれば
    九子の心は救われたかもしれない。
    でも、最後にみせた親らしさを知った事で
    愛情を感じる事が出来たかもしれない。
    いやぁ、難しい所です。

    頭の良い子は、自力で色々調べられるんだねぇ。
    九子の執念には脱帽、リシンを抽出できた時には
    「おおおお」と感嘆の声が出そうだった。
    華蓮の九子を支配する感じがたかが4~5歳
    違うだけでこんなにも悪女になるものか。と
    思ったが、まさかの展開が待っていたし
    里実の九子に対する執着、いちばんのヒトコワは
    地味で大人しい里実だったとは。

    予想もしなかった衝撃のラスト
    お見事でした。

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    2025年10月19日