ヒキタクニオのレビュー一覧

  • 触法少女
    育児放棄や虐待、そして未成年の犯罪といった重いテーマをエンターテイメントとしていっきに読ませてもらえました。
    そして驚きの結末。
    人ってのは厄介な生き物です。
  • こどもの城殺人事件
    スクールカーストのてっぺんにいる人達のお話なので、現実味が薄いマンガみたいな感覚で読みましたが、実際にあったらとても怖いけど、あるかもしれないなと思えるのはこの作者の力なのかなと思います。
    警察が取調べで真実に迫っていくところが面白かった。最後、クローゼットの意味がわかると、ああそういうことね、とな...続きを読む
  • 触法少女
    子供が成長して行く過程で親によって歪められる。きっとこの本に出てくる九子のように、ぱっと見は分からなくとも、いざとなればの凄みを持つ者がいるんだと思う。その凄みを武器に、悲しいが仕方のなさを感じる目的に向かって懸命に考え戦う九子をいつしか応援しているような気分になった。
    最後の展開もまた本ならではの...続きを読む
  • 触法少女
    久しぶりに「がつん」と来た。
    ストーリーも良いし、流れも良い。
    装丁も良い。
    幼い頃、母親に棄てられ、児童養護施設で育っている美少女 九子。
    最後の最後まで、仕掛けがあって良かった。
    終わるのが惜しく、最後の解説まで読んじゃった(笑
    '18.05.03読書完了
  • 触法少女
    おもしろかった。
    主人公の美少女は大人びてるかと思いきや
    急に不安定なところもあったり、
    犯罪というよりは心理的な部分に
    すごくひきつけられた作品。

    虐待する非道なクソ親でも
    100%悪い面だけでできてるワケじゃない。
    でもやっぱり
    子どもを虐待するような親は
    殺されてもいいほどの罪人だ、とは思う...続きを読む
  • 触法少女
    こうくるかー!という感じ!
    少女らしい危うさとか、一途さとか、成長の過程のアンバランスさとか、そういうのがハラハラドキドキで、すごくよかった!

    少女でも、女は女。女はやっぱりコワいわ~~w

    お母さんのこと、好きだったのに、憎かったのね。
    そんな感じもしなかったんだけど。

    少女たちにとって、命は...続きを読む
  • 俺、リフレ
    冷蔵庫の一人称小説としてではなく、ひとつの家庭崩壊の小説として読むと、冷蔵庫の故障はただの偶然でしかない。それを偶然とはしたくないという、もしかしたら意味はあるのかもしれないという、そういうことを書きたいのかなと読めました。
    神様はどこにもいない。けれど神様みたいな偶然はなくもないのかもしれない。あ...続きを読む
  • 遠くて浅い海
    予想以上によかった。血の臭いは全くしなかった前作の「消し屋A」と違い、如何に消すか、に焦点が当たっていて楽しめた。
    ただ、田舎の村が云々、という話にありがちなパターンだったのが非常に残念。

    どうでもいいが、なぜか頭の中で天現と雅楽師の東儀秀樹がかぶった。天才だからか?
  • 遠くて浅い海
    殺しの天才vs医薬界の天才。

    この作品の面白いところは、ただ相手を殺害するのではなく、自殺するよう仕向けなければならないところ。
    2人の天才が様々な頭脳戦を繰り広げ、お互いの内面を掘り下げていきます。

    どこまで相手の心(精神)に入り込み、決定的な一打を与えることができるか。
    それを追求し、逆に内...続きを読む
  • 遠くて浅い海

    美しい。
    透明できらきら儚くて、切ない。


    血生臭いのに妙に乾いた天才と、妙に純粋な透明感のある、生を軽やかに浪費する天才と。
    二人の天才の危うい関係を軸に、そこに配置される登場人物たちもまた、細い線の上でくるくると危なげに生き急いでいる。

    ジェンダーの狭間で揺れる蘭子。バランスの悪い自分を持...続きを読む
  • 不器用な赤
    色々と刺激を受けた。
    でも絶対に自分では爆弾は作れない。。
    最後、
    「あたしは後悔してないよ」
    みたいなことを言ったときぞくっとした。
    「いけないことしちゃったね」
    的な事を言わなかったとこがよかった。


  • 消し屋A
    オカマの蘭子とともに福岡に流れてきた消し屋の幸三。久々に訪れた博多のヤクザから依頼された今回のターゲットは、ホークスの名捕手・真壁。内容は、殺しはナシで、彼を一試合の間だけ消すという奇妙なものだった。野球一筋で真面目な真壁には、スキャンダルなど付け入る弱味がない。幸三が取った手段とは。
  • ベリィ・タルト
    <内容>
    跳ねっ返りの野良猫のような美少女リンは、元ヤクザで芸能プロ社長の関永と出会い、大きな人生の転機を迎える。だが、人気が上昇し始めた矢先、大手プロからの横槍で移籍を強要されることに。鍵を握るのは、承諾書にサインの必要なリンの母親なのだが―。個性豊かな登場人物が駆け回る痛快青春小説。
  • ベリィ・タルト
    この著者の小説ははじめて読んだが、アタリをひいた!と思った。17歳の少女リンが、もとヤクザのプロダクション社長関永に拾われ、騒動に巻きこまれる。リンをアイドルとして磨き上げる過程や、人物の描き方、人間関係などにリアリティと説得力を感じた。痛快。他の小説も読んでみたいと思った。
  • ヒキタさん! ご懐妊ですよ
    映画で知ってから原作エッセイ読ませていただきました。映画も面白かったですが、エッセイは更に良かったです。
    うちもヒキタサンと同じような境遇で不妊治療中なので共感できる言葉がたくさんありました。
    何より心に響いたのはヒキタサンからのあまり協力的ではない男性陣への喝。女性側から中々言いにくいことをヒキタ...続きを読む
  • 紅い三日月
    78殺し屋稼業のお話し。相変わらずキレがいいね。主人公をどこに置くかでストーリーに大きな違いが出る。題名が最後にどうなるか、やっぱりいつもうまい収束です。
  • ヒキタさん! ご懐妊ですよ
    松重豊さん(「孤独のグルメ」のゴローさん)のファンで、松重さん主演で映画化されたため、原作エッセイも購入して(だいぶ前にだけど)読みました。
    というか、映画を公開してた当時、監督さんがTwitterで、「いま新宿のどこそこの喫茶店に原作者のヒキタさんといるから、原作買ってくれた方にサイン書いていただ...続きを読む
  • 遠くて浅い海
    消し屋の話よりもターゲットの半生の回想シーンの方が遥かに面白くてめちゃくちゃ感情移入させた上でよくわからん理由で自殺しちゃうのついていけない。ここまで感情移入させたんだからなんか違う方法があるのかな?と思わせての肩透かし。面白い点は沢山あるけど俺は何がしたいのかわからない。ヒロイン役もあっさり殺した...続きを読む
  • 消し屋A
    うーん、まあまあ。ラストで野球選手が翻意したあたり描写不足だと思う。父親の若い頃とかめちゃページ割いてんのにな。この本自体もそうだし、消し屋が一番がツヤつけだよなあと思いながら読んでた。性同一性障害の事を病気と書いたりやっぱ20年くらい前の本だよなあ。当時にしては大胆だったんだろうけどな。
  • 触法少女
    なかなか面白かったな。二つの意外なトリックが良かった。特に二つ目は想像してなくて完全に心酔者として眼中に無かったからなかなか良かった。個人的には更にそれすら主人公の仕組んだことだったら尚面白いなと思ったんだけど。