あらすじ
裏社会専門の探偵・時園。関東を二分する組織の長・今切。組織の頂点を見据えた若頭補佐・君島。すべては、一人の男が消息を絶ったことが始まりだった。関東を二分する老舗組織、十四会の会長・今切の消息が外出先で途絶えた。十四会の若頭補佐・君島は、裏社会の探偵・時園に捜索の依頼をする。時園は、君島から押し付けられた会長ガードの若衆菅田とともに今切の行方を追う。今切は消息不明になったその日、いつもは履くことのない印伝(いんでん)の靴を履いていたという。消えた今切の足取りを追いかけるなか、十四会のもとに、今切のものと思われる小指が、何者かによって送り付けられてきた! 時園、君島の進むべき道はどこへ向かうのか? 彼らはどこまで行くと決めるのか……。ぬるい言葉はいらない。ギリギリの男たちの生き様に、ただ刮目(かつもく)せよ! 大藪賞作家渾身のハードボイルド小説。
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Posted by ブクログ
クールなハードボイルドだし、
格好いい殺し屋は出てくるし、
めっけもんの小説でした。
表紙は目目連みたいで怖いけど、
そんな恐ろしい話ではありません。
Posted by ブクログ
2010年が舞台とは思えないくらいにステレオタイプな
任侠ものの超ガチガチなハードボイルド。アナクロで
あまりにも頑な生き方のヤクザ、そして主人公の
ヤクザ専門を相手にする探偵が、ガッツリと組んで
行方知れずとなった関東の巨大暴力団組織の組長を
救出すべく奔放する今作。
この探偵の「時園」と若頭「君島」の妙に萌える
関係性、そして、拉致された会長の「今切」との
血を越えた関係性に男子が一度は憧れる任侠道が
揺さぶられます。
しかし、そんな濃い関係性の特殊な世界でも
裏切りや「金」によって一般社会同様に内部から
蝕まれていく様はやはり哀れでもある。
今作の探偵である「時園」のやけに凄腕っぷりと
その曰く付きで訳ありな過去も含め、やけに
スーパーマンで切れ者なのが少し不自然ではありますが、
久々に読んだ王道のハードボイルドで、なんのかんの
言っても引き込まれます。適度にライトでユーモアも
盛り込んでいるところなんか、現代版って感じですね。