浜田文人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
関西の元極道が多額の利益を求め、手放さない西新宿の再開発予定地の捌きを請け負った主人公鶴谷。
手足となって動く探偵の木村、関西での情報収集を買って出る盟友白岩の活躍で交渉の糸口を見つけ、関係者を宥め、威して、ゴールを目指す道中は、現実にもあり得そうなリアリティを持ち、緊張感を持続しながら最後まで読みきった。
シリーズに共通する特徴だが、現実世界でも起きそうな欲を求める人の生臭さのリアリティと、主人公鶴谷の仲間と共に動くが、最後の危ない橋は自分以外は渡らせずに、突き放す事で護ろうとする人間性、そのぶっきらぼうな性格を慕う仲間たちの関係性が面白い。 -
Posted by ブクログ
色々と“訳アリ”な女達と、その女達と出くわした少々“訳アリ”な男が事件に巻き込まれて解決を目指すという物語だ…
詩音、美和、ネットカフェでの美和の友人達、詩音が勤めた“街金”の関連の暴力団、周辺で動いている刑事達、そして詩音に駆け込まれたことで事態に巻き込まれた雅人…彼らが動き、二転三転の末に事態の裏表が順次明らかになる過程が綴られる…
本筋に纏わるもの、やや外れるかもしれないもの、色々と綴られている状況は、何やら“異世界”染みて視えなくもないが、これもまた「大都会の一隅の現実の投射」なのかもしれない…本作の終焉部を読み終えると…その後の詩音、雅人、美和という作中人物達のことを知りたいというよ