秋谷りんこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タイトルの『人生最高ごはん』。一体全体どんな美味しい「ごはん」が登場するのだろう?と食いしん坊の私には空腹で抗えない引力に引き寄せられるように手に取った作品。
著者の秋谷りんこさんといえば不思議な力を持った看護師を扱った作品が多く、著者が「ごはん小説」描くとどんな物語になるのか、期待と興味で読む前からアドレナリンが出まくりだ。
物語は想像とは裏腹に高級で贅沢な料理ではなく温かな家庭料理。
大晦日に人生どん底にいた主人公・瞳が乃果に連れられ入ったお店で食べたのは「ごま豆乳鍋、玄米ごはんセット」。
まさに「青菜に塩」のように萎れていた瞳の心に乃果の優しい心と美味しいご飯が心と体の芯まで染み渡っていく。
「おいしい。悲しい。おいしい、。悲しい。」箸が止まらない描写と「つらいときこそ美味しいものを食べなきゃ」という乃果の言葉が妙に説得力がある。
登場人物は皆、悩みや悲しみを抱えて生きている。けれど彼らの優しい心と美味しいごはんがセットになり傷ついた心を癒してくれる。
美味しいごはんには不思議な力があると思う。
辛いことがあっても「明日はこれを食べよう」
と思うだけで明日が楽しみになり、生きる力が湧いてくる。
大好きなごはん、大切な人と食べるごはんは、なんでもない日常をスペシャルな日に変え、『人生最高』の味を教えてくれる。
本作に出てくるごはんはどれも美味しそうで食欲をそそるものばかり。
私にとって『人生最高のごはん』はなんだろう?と考えた時に浮かんだのは大切な家族と食べる妻の料理かな。
家族揃っての食事の時間が幸せだから私の『人生最高のごはん』は毎日更新されるスペシャル・デイだ。
……もっとも塩分、糖分は控えめにしないといけないけれど。
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Posted by ブクログ
よかったです。
個人的に、1より2のほうが好きでした。
3の人生は長いから、でじわっと心があたたかくなりました。
怪我や病気はなった人にしか気持ちがわからないし、同じ立場だからこそかけられる言葉があって、同じ立場の人から聞くから、響くものがあるよなと思いました。
最後の、未来へとつながる想いは涙なしにはみられませんでした。
患者さんの年齢と、小さい娘がいるという共通点が他人事とは思えず、心が張り裂けそうなくらい揺さぶられてしまいました。
あと何回子供の温もりを感じられるか、というシーンが、もう辛くて切なくて…。
3作目の命の交差点も、続けて読みます! -
Posted by ブクログ
命と向き合う仕事である看護師、医療現場の仕事を改めて尊敬しました。一昨年父を癌で亡くしましたが、感染症対策のため本人にも会えず、医師や看護師の方ともほとんどコミニュケーションを取れていませんでした。
本作の卯月、山吹、浅桜、本木、透子、御子柴主任、高坂師長…性格は異なれど、患者に寄り添おうとする心は皆同じ。こんな方々が支えてくださってだんだなと、父の入院生活を想像して少しだけ温かい気持ちになれました。卯月自身の喪失の痛みがどれほど大きいか、想像することも辛いくらいだけれど、だからこそ持っている深い優しさを感じました。
投薬の手順やミスが起きた際のカンファレンスなど看護の仕組みの描写も、医療への信頼が高まるものでした。
人を信頼し、自分の目の前の仕事に真摯に取り組もうと思える作品でした。
あとがきの著書の秋谷さんの想いも含めて、素敵な作品でした。
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Posted by ブクログ
シリーズ第2弾。
今回は、家族の絆を感じてうるっと涙する場面が多かった。
命の尊さを実感する。
良い終末を過ごせるよう延命治療をせずに…が小学生の曽孫ちゃんにとっては、何もしてくれないと感じてしまったこと。
退院後の同居は断り続ける理由は…。
認知症の父の世話を妹だけがしてたのは、姉が疎遠になっていたからで…。
3歳の娘に遺すビデオレター。
いろんな患者さんの気持ちに寄り添いながら看護をする咲笑にも母がパーキンソン病になり、受け入れられずにいたことや御子柴さんが家庭の事情で休職することになったこと。
看護側から家族の立場になったときに見えてくるもので、より一層患者さんやその家族の気持ちに寄り添って物事を考えることができるのだろう。
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Posted by ブクログ
ネタバレ潜入心理師とは面白い設定でした!
しっかりと作り込まれていて、第1章を通して、「潜入心理師ってこういう風に働いているんだ!」というのが分かりやすく理解できる構成になっていました。
実臨床では、希死念慮に対する治療は服薬やカウンセリングなどが主流?だと思われますが、患者さんの内部に潜入して直接的に絡みを解けたら、苦しんでいる人たちを数多く救うことができるんだろうなと。それと同時に、潜入心理師自身のリスクにもしっかり触れられており、患者さんだけじゃなくて、医療従事者たちもそれぞれ心に抱えているものがあるということを再認識できました。
途中で「タイトルが絡みの種類になってる!」って気づいて、こういうタイトルのつけ方も好きなところだと思いました。
この作品を通じて一人でも多くの方の絡みが解けていけば良いなと思いました。
ナースの卯月のときも感じましたが、またお寿司の描写がでてきましね。著者のりんこさん、絶対寿司好きですね。あと味噌ラーメンの描写はナースの卯月にもあったような…2作品の世界はリンクしている? -
Posted by ブクログ
ネタバレ訪問看護師が様々な家庭の看護・介護の実情を家の怪異というかたちで感じ取り、解消のために奔走するなかで、自分の両親の看護・介護とも向き合うお話。
私自身も両親の看護・介護は他人事じゃないんだけど、今までは考えるのを避けてきたんだと思う。
でも近い将来必ず起こる現実なんだよなぁと頭が痛くなってしまった。ある意味今この作品に出会えたのは何かの啓示と捉えて、自分でもいろいろ調べてみたいと思う。
物語の主人公である桃井看護師は暗い幼少期を過ごしながらも(だからこそなのかもだが)明るく、他人の心の機微に敏い女性で、いつでも看護対象やその家族にとって一番良いことは何なのかを考える心優しい人物だから好感が持てる。そんな彼女の周りを囲む同僚や友人もいい人たちばかりで、自然と読んでいる我々の心を癒してくれるだろう。
……正直暗い幼少期を送ってたからとはいえ、ちょっと環境に恵まれ過ぎてやしないかと思うが、そういうのとは正反対の現実から逃れたいから読んでいるので問題ないな!
年老いた家族な看護・介護問題という現実に向き合うと同時に、温かい職場・人間関係という現実にないものに触れられて2つの意味で涙が出ますよ……
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Posted by ブクログ
ネタバレナースの卯月シリーズ2作目!
面白いし、リアリティがすごいです。看護師さんを始めとして、他の医療スタッフ、そして家族がチームになって患者さん一人ひとりに寄り添っている姿に心を打たれます。前作でも思ったのですが、物語後半になっていくにつれて、どんどん涙腺が崩壊していくんですよね。なぜでしょう?(笑)物語のボリュームのかけ方も計算されているとしたら、とても凄いです。
看護のことや介護や福祉など、なかなか分からないことを、読者に分かりやすく掘り下げて展開しているので、やっぱり教科書になってほしい!それと映像化!とにかく色んな方に触れてほしい作品です。
今回卯月が初めて「思い残し」のことを他者に話してますね。1作目から辿っていくと、卯月の「思い残し」との向き合い方に良い意味で変化がでている印象を受けました。周りの看護師さんたちも成長していますが、もちろん卯月自身の成長も見ることができます。
猫のアンちゃんめっちゃかわいい!よく見ると、表紙にもちゃんと登場しているんですね。猫好きじゃないと分からないような描写もありますよね。著者の猫好きが伝わってきます。