秋谷りんこのレビュー一覧
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ネタバレ訪問看護師が様々な家庭の看護・介護の実情を家の怪異というかたちで感じ取り、解消のために奔走するなかで、自分の両親の看護・介護とも向き合うお話。
私自身も両親の看護・介護は他人事じゃないんだけど、今までは考えるのを避けてきたんだと思う。
でも近い将来必ず起こる現実なんだよなぁと頭が痛くなってしまった。ある意味今この作品に出会えたのは何かの啓示と捉えて、自分でもいろいろ調べてみたいと思う。
物語の主人公である桃井看護師は暗い幼少期を過ごしながらも(だからこそなのかもだが)明るく、他人の心の機微に敏い女性で、いつでも看護対象やその家族にとって一番良いことは何なのかを考える心優しい人物だから好感が -
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ネタバレナースの卯月シリーズ2作目!
面白いし、リアリティがすごいです。看護師さんを始めとして、他の医療スタッフ、そして家族がチームになって患者さん一人ひとりに寄り添っている姿に心を打たれます。前作でも思ったのですが、物語後半になっていくにつれて、どんどん涙腺が崩壊していくんですよね。なぜでしょう?(笑)物語のボリュームのかけ方も計算されているとしたら、とても凄いです。
看護のことや介護や福祉など、なかなか分からないことを、読者に分かりやすく掘り下げて展開しているので、やっぱり教科書になってほしい!それと映像化!とにかく色んな方に触れてほしい作品です。
今回卯月が初めて「思い残し」のことを他者に話して -
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ネタバレ著者の秋谷りんこさんはnoteで知りましたが、さすがの創作大賞受賞作品だなと思いました。とても面白かったです!
長期療養型病棟の看護師さんのお話でしたが、「思い残し」という要素が加わっていることで、ミステリー作品としても読むことができて楽しかったです。
本の題材としては急性期の病院が舞台のものが多いと思いますが、本作は慢性期の病院で、慢性期ならではの難しさを知ることができたと思います。急性期と違って患者さん一人ひとりの目標を立てるのが難しいですよね。でも卯月は、超短期目標を掲げて、患者さんの望みやQOLの改善に向けて全力で寄り添って勤めていて、最終章の「病めるときも健やかなるときも」は感極まっ -
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ネタバレ13年の看護師経験のある作者のリアルな医療「お仕事小説」。
実は、本格ミステリーが好きだというインタビューの言葉通りに、死亡退院率四〇%と言われる長期療養型病棟に勤める5年目の看護師である主人公が、終末期の患者の「思い残し」の問題解決に奔走する6つのエピソードから成る。
でも、この作品はそんなファンタジーなエンタメ要素よりも病棟での男女の体臭の違いであったり、「正解のない看護」、夜勤明けのテンション、都市伝説的な“看護師あるある”など看護師視点の「お仕事小説」としての面白さだと思う。
作者の看護師としての「思い残し」?看護観を余すことなく詰め込んだミステリー要素の愉しみもある読み応えのある作品 -
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お話はフィクションだけど、日々人の生死に間近で接していたら、こうゆうのを実際に視たり感じたりする人はいそうな気がする。
どのお話もよかったけど最後の“病めるときも健やかなるときも”がすごく感動した。
亡くなる前に病室で開催された結婚式。
“死が二人を別つときがきても、きっと気持ちは変わらないのだろうと思えた。心の中にいる大切な人を想いながら、しっかり生きていく。それが、残された人にできることなんだ。”
と言う言葉が印象的。
千波との果たせなかった想いを重ねて卯月自身の心残りも少しでも解けたのかな思う。
そもそも卯月の勤務する長期療養型病棟というところがどういうところなのか初めて知った。回 -
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「潜入心理師」とは、一般的に、精神疾患を持つ人の心の「核」に直接潜入し、治療やカウンセリングを行う架空の職業です。〜Google AI〜
ヤバいなGoogle AI
はい、ほえ〜そんな職業あるんだねってちょっとだけ思ってしまったひまわりめろんです
ちょっとだけです
治療する精神疾患は「希死念慮(きしねんりょ)」です
「死にたい」と思うの人の心の中に入って、わちゃわちゃやって「死にたい」気持ちを薄れさせるわけですな
自死ってのはさ、周りの人に色んな後悔を残すんだよ
だからやめなさいってことじゃなくて、いやそんな気持ちもちょっとあるけど
そもそも自死じゃない死でも後悔は残るわけで、いやな -
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「ナースの卯月に視えるもの」2冊目。前作がまずまず良かったので続きに行ってみる。
長期療養型病棟に勤めるナースの卯月には患者の「思い残し」が視えるという設定。
前作ではその背景の解き明かしに少々おせっかいが過ぎるように感じたところもあったが、今回は看護を重ねる内に視えなくなるという運びで、話としては読み易くなった。
そして、それを通して一人で解消するのでなく「誰かに託す」という看護すべてに共通する大事なことに気づかされたのも良かった。
今回も看護に携わる人々の姿が描かれたが、それ以上に印象的だったのは先が長くない身内を抱えた家族の姿。
息子夫婦に遠慮して同居を拒む義母に対しこれからの時間を