【感想・ネタバレ】こころのカルテ 潜入心理師・月野ゆんのレビュー

あらすじ

潜入心理師、人の心の「核」に触れる。

横浜みなと大学病院で働く月野ゆんは、精神疾患をかかえた人の心の「核」に潜入し、治療をおこなう潜入心理師だ。日本で初めて人の心に潜入した潜入師で、ゆんの憧れの先輩である本城京と、精神科の看護師経験を持つ、同じく潜入師の先輩・蓮まこととともに、ゆんは今日も患者の記憶のなかへと潜っていく。
ゆんには、患者の心の「核」がどこにあるかがわかる不思議な力があった。幼いころに母親から「あんたなんか、産むんじゃなかった」と言われた記憶、いじめに加担してしまった記憶、夫の不倫発覚など、ゆんたちが対峙する患者の心の「核」は様々だ。まだ新しい資格で成り手が少ないなか、ゆんがこの仕事を志したのには、実は理由があって──。
「ナースの卯月に視えるもの」シリーズで注目を集める元看護師の著者、待望の最新作!

(底本 2025年3月発売作品)

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Posted by ブクログ

ちょっとした絡まりで人って死にたいと感じてしまう、それこそ生と死はいつでも隣り合わせなのかなと思ってしまった。

潜入心理士という架空の職業のお話し。
ほかの作品よりもSF感があった。

希死念慮がある人の心の中に飛び込み絡まりをほぐしていく、映像化できそう。

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

自身も精神科の看護師として働いていた秋谷さんの経験から生み出された医療フィクション。

死にたいと思う希死念慮を如何にほどくのか、患者の心に潜入し、その『絡み』をほぐす潜入心理師(通称ダイバー)の月野ゆんは、自身もつらい過去を抱えていた。

様々な患者の心の奥深くにダイブし、絡みをほどく治療を行う月野。
その心の有り様は人それぞれ、まさに臨機応変の対応に迫られる。

様々な障害に、ダイバーの道を諦めかける月野。しかし、思わぬ命の恩人に出会い、考え方が変わっていく。

本当に、人の心を癒してくれるダイバーが居ると良いですね。(^o^)

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2025年09月25日

Posted by ブクログ

こころの中が可視化できたら
どれだけの命を助け守れるだろうか。

希死念慮とかって
採血とかレントゲンみたいに
異常を目で見れないから
患者さんが「大丈夫です」と言ったら
信じるしかなかったりする。

本当は全然大丈夫じゃないのに
助けたいのに
本心を隠されたらどうしたらいいんだろう。

そんな時にこの本を読んで
いつか潜入治療が現実になったら良いのにって
本当に必要な時だけ
心の中を可視化できるようになったらいいのにって
心の底から思った。

心の病(=精神疾患)は本当に難しいなぁ。

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2025年07月10日

Posted by ブクログ

精神疾患をかかえた人の心の「核」に潜入し、治療をおこなう潜入心理師。日本で初めて人の心に潜入した潜入師で、主人公の憧れの先輩である本城京と、精神科の看護師経験を持つ、同じく潜入師の先輩・蓮まこととともに、今日も患者の記憶のなかへと潜っていく。主人公がこの仕事を志したのには、実は理由があって──。
ナースの卯月に視えるもの」シリーズが、とても面白かったので、こちらも購入して読んでみました。心の核に触れること、作品の中でもリスクを考えて研究をし直す(その間は心の核に触れて治療に繋げることを一旦止めざるを得なくなる)ことになるんだけど、いつか現実世界でもこんな治療法が出来るようになったりするのかなぁとしみじみ思いながら、読みました。

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2025年07月06日

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物語にのめり込んであっという間に読み終えてしまった。命の尊厳について考えさせられる物語です。誰かのために役に立つこと以上に、生きているだけ存在しているだけで命の尊厳が守られるはずなのに、気づいたら役に立つことが最上位になっていませんか?そんなメッセージが込められているように感じました。

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2025年04月24日

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ネタバレ

心を読む人の物語はあるけれど、
心の奥深くに入り込むお仕事の物語は初めて読みました。もう100年後ぐらいには実現していそうな潜入心理師。
自分で過去を話す分には、少し変えたり隠せたりするけれど、入り込まれてしまうと何も隠せず心の傷が丸裸にされてしまう。
けれどその傷を潜入心理師がほぐして
患者の希死念慮を薄くしてくれる。
こんなお仕事が実際にあったら、救われる人がいるだろうなと思いました。
自分の心の傷に1人で向き合い続けるというのは酷なこと。向き合うことを助けてくれる仕事は素敵だなと思います。
物語で潜入治療は中止になってしまったけれど、続きが読みたい。何十年後かが舞台でもいいので、続きが気になる作品だと思いました

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2025年04月20日

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現実の世界にはない潜入心理師という仕事。本当にあるのではと思うぐらいリアルだった。母を自死でなくして本当は自分も死ぬはずだったゆんは自分だけ生き残り辛かったと思う。でも、あなたは生きていて良いと言われて気持ちが楽になったと思う。その言葉を受けたことで本城に対しても生きているだけで価値があると伝えられたと思う。看護師として働いていると想像以上に精神疾患を抱えた患者がいる。私は辛いな苦しいなって思うことはあっても死にたいと思ったことはない。でも、死にたい気持ちがあるということは心が弱いからではないということを忘れずに向き合っていきたいと思う。生きているだけで誰かの役に立っているのは事実だと思う。優しさは弱さになることもあるけど、強さにもなるって大切なことだと思う。本当の優しさには強さの裏付けが必要。誰かの役に立てなくても、自分は生きていて良いし価値があることを忘れずに生きていきたい。

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2025年04月19日

Posted by ブクログ

命の大切さを改めて考えさせられた小説だった。希死念慮に対する治療としてこの小説のような「潜入」というものが実際にあったら、今よりも自殺者が少しでも減っていくだろうと思った。登場人物ひとりひとりの人柄が想像しやすい描写がたくさんあってよかった。感動しました。

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2025年04月14日

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ネタバレ

帯に書かれていた 私に聴かせて、あなたの「死にたい」気持ちという言葉に惹かれて、購入した1冊です。

仕事でうまくいかない時に、「私は役立たずだから、生きている価値はないのではないか。」と感じてしまう時もあります。
でも、そんな時に、「もし役に立たなくたって生きていればそれでいい」という言葉を読んで、気持ちが少し楽になって、救われました。

この話を読んで、「自分の心の「核」には、どのようなものがあるのだろう」と、この機会に1度考えてみたくなった作品でした。

続編があったら、読んでみたいなと思う作品でした。
今度は、ベストセラー小説でもある『ナースの卯月に視えるもの』も読んでみたいです。

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2025年03月12日

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ネタバレ

こういう形で人の心を救うことができたら、画期的。罪悪感や後悔と相性がよさそう。
ただ、一方的に被害にあって心的外傷として絡みを抱えている場合、その場面を人に見られて、覚醒した時にそれを覚えていると言うのもキツイ気がする。
最後の脱出したと思ったらまだ心の中、というパターンはとてもこわい。

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2025年11月23日

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ネタバレ

潜入心理師とは面白い設定でした!
しっかりと作り込まれていて、第1章を通して、「潜入心理師ってこういう風に働いているんだ!」というのが分かりやすく理解できる構成になっていました。
実臨床では、希死念慮に対する治療は服薬やカウンセリングなどが主流?だと思われますが、患者さんの内部に潜入して直接的に絡みを解けたら、苦しんでいる人たちを数多く救うことができるんだろうなと。それと同時に、潜入心理師自身のリスクにもしっかり触れられており、患者さんだけじゃなくて、医療従事者たちもそれぞれ心に抱えているものがあるということを再認識できました。
途中で「タイトルが絡みの種類になってる!」って気づいて、こういうタイトルのつけ方も好きなところだと思いました。
この作品を通じて一人でも多くの方の絡みが解けていけば良いなと思いました。
ナースの卯月のときも感じましたが、またお寿司の描写がでてきましね。著者のりんこさん、絶対寿司好きですね。あと味噌ラーメンの描写はナースの卯月にもあったような…2作品の世界はリンクしている?

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2025年10月23日

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人の心の核に入り込んで治療をする潜入心理師。なんてすごい仕事だろう!って途中までほんとにある仕事だと思い込んでしまいそうだった。
カウンセラーでも、患者さんのマイナス思考に引っ張られそうになると言うけど、それどころではないだろうな。こんな風に薬に頼ることなく精神疾患が治せたらどんなにいいだろう。
んがこの仕事を志した理由は切ないけど、私も同じような願いはあるなぁ。

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2025年07月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

精神科の看護師としての勤務経験がある著者の思いが伝わってくる。行動には出ないけど希死念慮と退職が頭のどこかにいつもある。本当にこの治療法があったら自分ももっと良くなるのになあ。人の役に立ってても立ってなくても、生きてるだけでいい。命そのものに尊厳がある。重いけど大切な考えだなあと思う。読んでよかった

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2025年05月26日

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月野ゆん 職業、潜入心理師。
心の奥底に希死念慮を持っている人に入り【絡み】を解く仕事。
実際にこんな仕事があるとしたら、しんどいなあ。毎回心の闇を見て、直接ほどかなくてはならないのだから。

小説の設定が新しく興味深く読めた。看護師として働いていた著者だから書けるリアルな現場や患者の様子。
文章の読み辛い箇所と不自然な言い回しが多々あり、風景描写が寂しいのが少し残念。
⭐︎は3.7くらいかな。

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2025年05月22日

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「潜入心理師」とは、一般的に、精神疾患を持つ人の心の「核」に直接潜入し、治療やカウンセリングを行う架空の職業です。〜Google AI〜

ヤバいなGoogle AI

はい、ほえ〜そんな職業あるんだねってちょっとだけ思ってしまったひまわりめろんです
ちょっとだけです

治療する精神疾患は「希死念慮(きしねんりょ)」です

「死にたい」と思うの人の心の中に入って、わちゃわちゃやって「死にたい」気持ちを薄れさせるわけですな

自死ってのはさ、周りの人に色んな後悔を残すんだよ
だからやめなさいってことじゃなくて、いやそんな気持ちもちょっとあるけど
そもそも自死じゃない死でも後悔は残るわけで、いやなにが言いたいねん

自分の周りに自殺した人っておらんのよ
たまたまかもしれんけど、親しい人を自死で亡くした経験がないのね
なんかそれってちょっぴり幸せな人生だったのかも
そんなことをちょっと思った読後のわいなのでした

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2025年05月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あとがきや物語にも書いていましたが、役に立たなくても生きているだけで良い。ということは今まで思ったことがなかったので別に辛いわけではなかったけど励まされました。あと、少し月野ゆんに共感するところがありました。あまり医者などの本は読んだことがなかったけど面白かったです。

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2025年03月22日

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私も同じような仕事しています。患者さんの面接が終わるたびにどっと疲れが出るのも、それだけエネルギー使っていると再確認しました。私も患者さんに潜入して核を取るなんてできたらいいけど、そんなことはできない。だからじっくりと話を聞いて寄り添いながら外側からできる限り近づいていくしかないかそれでもできることがあると信じてやっている。
この作品を読んで多くの人が自分が存在していること自体が素晴らしいと気づけますように。

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2025年03月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「役に立つとか立たないとか、そんなこと関係なく生きていればいい」

「人の役に立つとか立たないとか関係なく、人には命の尊厳がある」

今のわたしにとても心強い言葉だった。

著者の秋谷さんは精神科の看護師をされていたそう。そのご経験もこの小説の説得力につながっていると思った。
長編でもいいなぁ。もう少し長く読みたいなぁと思う!

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2025年03月16日

Posted by ブクログ

希死念慮のある患者の記憶の中に潜入し、死にたい気持ちの解消に努める潜入心理師たちのお話。
「絡み」と呼ばれる死にたい気持ちの根源を解くことで、希死念慮を軽減することができる夢のような架空のお仕事だった。

患者の死にたくなるまでの背景が分からなくても、「絡み」が非常にリアルで、どんな経験に苦しめられているのか具体的にわかってしまう。
できれば「絡み」が解けた後の患者についても知りたかった。
夢のような治療法にも欠陥があって、最後の方は少し恐ろしい展開があったが、こんな風に死にたい気持ちが目に見えて治療できるように実際になって欲しい。

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

基本設定は夢枕獏のサイコダイバーと同じ。ハードボイルド系かハートフル系かの違い。ダイブ中の描写力が弱く単調な展開。最後一捻りあったが、上手くまとめようとしすぎて助長になったのは残念。面白い題材ではあったので次に期待か。

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2025年06月20日

Posted by ブクログ

精神科を舞台にした医療系ファンタジー小説なのかな?
読みやすいのだけれど、僕はいまいち物語に入り込めなかったかな。

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2025年06月08日

Posted by ブクログ

潜入心理師という人の心の「核」に潜入し「絡み」をほどくことで「死にたい」気持ちを治療する専門職の月野ゆんの物語。
『 潜入心理士 』と言う架空の仕事でもあるが
こんな治療法があればなと思いました。
とても温かく、共感できる部分もあり、
おすすめしたい本です。

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2025年05月16日

Posted by ブクログ

2025/03/10予約3
人の心の中に入り希死念慮をほぐすことで治療する潜入心理師。ファンタジー的なところを感じ本に入り込めなかった。
心療内科の治療法は知る限り新しいことは実施されていないと思うので、治らずに停滞している人の助けになるものが出たらいいなと思う。

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2025年04月28日

Posted by ブクログ

こころの中にダイブ!
えー!そんなことできるの?ってファンタジー感を匂わせているが、中身はしっかり医療ヒューマンドラマ。
主人公の月野ゆん(ちょっと変わった可愛いらしい名前)は、潜入心理士といって心の中の核に潜入し絡みをほどくことにより希死念慮を軽減することを目的とした自殺を予防する専門職。
ゆんは先輩、医師達と協力して患者の絡みをほぐしていく、その過程と成長、心の葛藤が描かれている。
希死念慮という重いテーマを「こころの中にダイブする!」現実離れしたファンタジー感を出すことで暗くて重いイメージが払拭され読み易く、蓮さんの気さくさが、ゆんや本城を際立たせている感じがした。
こころの中に入るには患者とシンクロしないとダメとか時間制限があったり、ちょっとエバァンゲリオンが頭をよぎってしまった(笑)
ただ、人の心の中に入る技術が悪用されたらと思うとちょっと怖いなぁ。核を壊されたり、愛情や大切な思い出とか、死にたい気持ちだけでなく好きとか嫌いとか、いろいろ操作できるようになったりすると大変だ。
潜入心理士の良いところは、死にたい気持ちが可視化できることかな。希死念慮を持っていないと言っていても実際思っていることが違う時や、相手の心が傷ついているのも分かるから、あっ今この人に手を差しのべれば力になれるって行動できる。
九章の「希望」で蓮さんが言った言葉「誰の役にも立たたないで生きていても全然いいと思う。意外と気付いていないだけで、皆だれかの支えになっていると思うよ。」自分が気付けていないだけで誰かを支えていると思うと少し気が楽になるよね。
あと、表画が綺麗で良かったな。透き通った水の上に白衣を着た女性が立って、手のひらの光の玉の廻りに無数の光の糸が繋がっている。希望の光のようで。(結構、表画につられて買ってしまう)
著者の秋谷りんこさんはこの本のことを、卯月が「ささやき」だとしたら月野は「叫び」です。と言っていた。少しでも多くの人が本書を読んで「月野の叫び」が心に響けばば良いなと思った。
余談ですが、心の場所って何処にあると思う?
アリストテラスは胸(心臓)、医術の祖ヒポクテラスは頭(脳)、と考えていたそうです。私も頭かな?

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2025年03月30日

Posted by ブクログ

初めましての作家さん。
長年、精神科の看護師をされていたそうで、その当時に感じていた事を作品にされたとのことです。

作品の舞台は横浜の大学病院の精神科。
主人公は潜入心理士の月野ゆん。

「潜入心理士」
初めて聞く言葉でした。物語の中だけの架空の専門職でした。
患者の心に潜入して心の「核」を探し、絡み固まった「核」を緩め解して自死をふせぐ。
それが「潜入心理士」の仕事。
自死する人を看護師として看てきた作者の願望の職業なのだろうと思いました。

潜入心理士を主に描かれていた作品なので仕方ないのかもしれませんが、潜入をされて「核」を解かれた後の患者の様子も知りたかったな、と思いました。

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2025年03月30日

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