【感想・ネタバレ】こころのカルテ 潜入心理師・月野ゆんのレビュー

あらすじ

潜入心理師、人の心の「核」に触れる。

横浜みなと大学病院で働く月野ゆんは、精神疾患をかかえた人の心の「核」に潜入し、治療をおこなう潜入心理師だ。日本で初めて人の心に潜入した潜入師で、ゆんの憧れの先輩である本城京と、精神科の看護師経験を持つ、同じく潜入師の先輩・蓮まこととともに、ゆんは今日も患者の記憶のなかへと潜っていく。
ゆんには、患者の心の「核」がどこにあるかがわかる不思議な力があった。幼いころに母親から「あんたなんか、産むんじゃなかった」と言われた記憶、いじめに加担してしまった記憶、夫の不倫発覚など、ゆんたちが対峙する患者の心の「核」は様々だ。まだ新しい資格で成り手が少ないなか、ゆんがこの仕事を志したのには、実は理由があって──。
「ナースの卯月に視えるもの」シリーズで注目を集める元看護師の著者、待望の最新作!

(底本 2025年3月発売作品)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

心を読む人の物語はあるけれど、
心の奥深くに入り込むお仕事の物語は初めて読みました。もう100年後ぐらいには実現していそうな潜入心理師。
自分で過去を話す分には、少し変えたり隠せたりするけれど、入り込まれてしまうと何も隠せず心の傷が丸裸にされてしまう。
けれどその傷を潜入心理師がほぐして
患者の希死念慮を薄くしてくれる。
こんなお仕事が実際にあったら、救われる人がいるだろうなと思いました。
自分の心の傷に1人で向き合い続けるというのは酷なこと。向き合うことを助けてくれる仕事は素敵だなと思います。
物語で潜入治療は中止になってしまったけれど、続きが読みたい。何十年後かが舞台でもいいので、続きが気になる作品だと思いました

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2025年04月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

帯に書かれていた 私に聴かせて、あなたの「死にたい」気持ちという言葉に惹かれて、購入した1冊です。

仕事でうまくいかない時に、「私は役立たずだから、生きている価値はないのではないか。」と感じてしまう時もあります。
でも、そんな時に、「もし役に立たなくたって生きていればそれでいい」という言葉を読んで、気持ちが少し楽になって、救われました。

この話を読んで、「自分の心の「核」には、どのようなものがあるのだろう」と、この機会に1度考えてみたくなった作品でした。

続編があったら、読んでみたいなと思う作品でした。
今度は、ベストセラー小説でもある『ナースの卯月に視えるもの』も読んでみたいです。

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2025年03月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

こういう形で人の心を救うことができたら、画期的。罪悪感や後悔と相性がよさそう。
ただ、一方的に被害にあって心的外傷として絡みを抱えている場合、その場面を人に見られて、覚醒した時にそれを覚えていると言うのもキツイ気がする。
最後の脱出したと思ったらまだ心の中、というパターンはとてもこわい。

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2025年11月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

潜入心理師とは面白い設定でした!
しっかりと作り込まれていて、第1章を通して、「潜入心理師ってこういう風に働いているんだ!」というのが分かりやすく理解できる構成になっていました。
実臨床では、希死念慮に対する治療は服薬やカウンセリングなどが主流?だと思われますが、患者さんの内部に潜入して直接的に絡みを解けたら、苦しんでいる人たちを数多く救うことができるんだろうなと。それと同時に、潜入心理師自身のリスクにもしっかり触れられており、患者さんだけじゃなくて、医療従事者たちもそれぞれ心に抱えているものがあるということを再認識できました。
途中で「タイトルが絡みの種類になってる!」って気づいて、こういうタイトルのつけ方も好きなところだと思いました。
この作品を通じて一人でも多くの方の絡みが解けていけば良いなと思いました。
ナースの卯月のときも感じましたが、またお寿司の描写がでてきましね。著者のりんこさん、絶対寿司好きですね。あと味噌ラーメンの描写はナースの卯月にもあったような…2作品の世界はリンクしている?

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2025年10月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

精神科の看護師としての勤務経験がある著者の思いが伝わってくる。行動には出ないけど希死念慮と退職が頭のどこかにいつもある。本当にこの治療法があったら自分ももっと良くなるのになあ。人の役に立ってても立ってなくても、生きてるだけでいい。命そのものに尊厳がある。重いけど大切な考えだなあと思う。読んでよかった

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2025年05月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あとがきや物語にも書いていましたが、役に立たなくても生きているだけで良い。ということは今まで思ったことがなかったので別に辛いわけではなかったけど励まされました。あと、少し月野ゆんに共感するところがありました。あまり医者などの本は読んだことがなかったけど面白かったです。

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2025年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「役に立つとか立たないとか、そんなこと関係なく生きていればいい」

「人の役に立つとか立たないとか関係なく、人には命の尊厳がある」

今のわたしにとても心強い言葉だった。

著者の秋谷さんは精神科の看護師をされていたそう。そのご経験もこの小説の説得力につながっていると思った。
長編でもいいなぁ。もう少し長く読みたいなぁと思う!

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2025年03月16日

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