孤島で殺人事件に巻き込まれた兄妹の運命は… 縦横無尽のマルチエンタメミステリー #流血マルチバース
■あらすじ
かつて噴火による災害があり、旧日本軍の財宝が隠されているとされる無人島。青年菊田耕一と妹の紗枝は、その島を所有している猪又左衛門とその一行と共に訪れることになった。
しかしその島に到着するやいなや、操舵室で死体が発見されてしまう。耕一は紗枝を守るために奔走するのだが…
■きっと読みたくなるレビュー
おもろい! 五条先生はユニークでふざけたなアイデアを起点に、本気でエンタメに仕上げてくるんですよ。今回も変態っぷりに頭がさがります、楽しませていただきました。
物語の仕掛け云々を言っちゃうと、きっと面白味を削いじゃうと思うので、ここでは語りません。読む前はタイトルや装画をみて、なんとなく想像する程度にとどめておき、すぐに読み始めていただくのが良いかと。
本作は主に青年菊田耕一と紗枝の視点で進行、二人はとある目的のために無人島を訪れる。行動を共にするのは猪又左衛門とその一行、旧日本軍の財宝を探しにきたらしいのだが、島に到着早々死体が見つかる。果たして耕一と紗枝の目的は達成できるのか、はたまたどうなるのか、そして財宝は… というストーリーです。
もちろん死体が見つかるので、事故なのか殺人なのか、誰が犯人なのか? という謎解きになる。島に言い伝えられた詩歌も登場し、いわゆる見立て殺人の予感が… その後も次々と事件は発生していくのですが、いつもの本格ミステリーとまるで違うという。
さらに読み進めると… はぁああぁ? ふーん、なるほど… はぁああ? と言った感じになります(よくわからんですよね)
ただ一番感心したのは、人間が忽然と消える「神隠し」だったり、最先端科学の「量子コンピュータ」だったり、全然関係なさそうなこれらのモチーフを上手に物語に組み込んでるところですね。詳しくはぜひ読んでください。
また毎度のことなんですが、五条先生が描くキャラはマンガみたいに分かりやすいんすよ。台詞や疑問がマジ分かりやす過ぎるほど分かりやすいので、すぐに愛着がわくのがいいところですよね~
また本作には読者に話しかける役割として「ナレーター」がいるんすよね。どうしても全体構成が分かりにくくなるところを、うまくフォローできていて、技ありだと思いました。
そして本作、一番の読みどころは青年菊田耕一と妹・紗枝の関係性ですよね。頑張るお兄ちゃん&可愛い妹ってペア、最強じゃない?! 彼らお互いの想いを見てるだけで、ほわほわしちゃうのよ。はーうらやましい、私も素敵な兄妹が欲しかったなー
■ぜっさん推しポイント
ホント、思いついても書かないだろってことを、マジで書き切る五条先生に完敗ですね。
本作の構造は読み始めてすぐに明らかになるんだけど、読み進めていくと想像以上に込み入っていることがわかる。これ本気でやるんすかって思ったが、しっかりやり切ってるところに感心しましたね。素晴らしくクレイジーな作品でした!