五条紀夫のレビュー一覧
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ネタバレ中華洋食店大熊猫亭でのランチデートに最中特別警報が鳴り響いた。人喰いパンダが大量出現し、自衛隊までもが出動する厳戒態勢を敷く町。店内から出られなくなった客たちは店の2階に避難し難を逃れようとするが、個室から惨殺死体が発見される。
「人喰いパンダ」というパワーワードと主人公の奇天烈なノリに、序盤からクラクラしがちだが、最後まで読むとキレイにやられていたことがわかる。結末がわかってからもう一度読み直すと、随所に仕掛けが施されているのがわかるが、初見では常識が邪魔して読み飛ばしてしまう。だいぶアンフェアなオチだとは思うが、実はそこに至る過程が丁寧に描かれており、「なんだそれ!」と思う反面、「なんか -
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ネタバレ物語のきっかけとなった過去の「町内会死者蘇生事件」。その真相を知った時は主人公の母親の異常な執着心に気持ちが悪くなった。個体は同じでも、歩んできた人生は違う。それを無視した母親の行動はどれだけ主人公の心を傷つけたのだろう。
主人公のラストに下した決断がすごく切ない。
五条さんらしいふざけたネーミングセンスも健在で、随所でふふっと笑ってしまった。一方で、物語は殺人と蘇生を繰り返しながら劇的な展開が次々と起こり、最後まで飽きることなく一気に読み進められた。軽妙な雰囲気で進んでいく物語だからこそ、最後に主人公が下した決断の切なさがより強く残った。 -
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トンデモ世界観のクローズドサークルミステリ
人喰いパンダによる人的被害が常態化した日本。警報級の人喰いパンダの大量出現によって主人公たちはレストランから出られなくなってしまい、そこで死体が発見される。
人喰いパンダってなんだよ、と思わざるを得ないが、幕間で人喰いパンダの物語が昔話のように語られるため、彼らの存在には奥行きが感じられて興味深い。
探偵役となる主人公はマイペースで理屈屋で空気が読めない。周囲を気にせずに自分の好きなことを語りだしたり、自分の意見に合わない相手を理詰めで論破したり。そんなんだから恋人に振られるんだ。
そうやって周囲を苛立たせる様子は読んでいて愉快だけど、自分も気 -
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【あの名作たちの不穏で気になるその後】
豪華メンバーによるパロディのアンソロジー!
今回の一番のお目当てはあをにまるさん。
『今昔奈良物語集』が最高にファンキーで面白かったので、期待値爆上がりで読みました。
『髭』 あをにまる
芥川の『鼻』のコンプレックスを現代風にアレンジしたハートフルコメディ。
やっとの思いで髭のコンプレックスを克服したのに、周りの反応が意外にも……「おい、それかよ!」と唸らされた。
そこで気づかされる、自分にとって髭が何だったのか。「俺の髭は観葉植物じゃない」と叫びながらも、どこか吹っ切れた感じの主人公にクスッと笑えます。原典をしっかりと踏襲しつつもユーモア溢れる作品 -
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太宰治の名作『走れメロス』のメロスが、もしも「走っている最中」に殺人事件に巻き込まれたら――そんな突飛な発想を全力で形にした新感覚ミステリーです。
親友セリヌンティウスを救うため、刑場へと急ぐはずのメロス。しかし、行く先々で事件が起きれば見過ごせないのがこの男。物語の醍醐味は、そんな彼の推理の相棒として、親友への想いが極限に達して生み出された「イマジナリー・セリヌンティウス(イマジンティウス)」が登場する点にあります。二人三脚ならぬ、一人二役の奇妙なバディが真相に迫る過程は、非常に独創的です。
しかし、本作のメロスは単なる名探偵ではありません。
彼は誇り高き牧人であり、野生のファイタ