あらすじ
俺は、間違いなく殺された。なのに、ここはどこだ? 気がついたら目の前にはリゾートビーチと西洋館。姿の見えない配達人から毎朝届く不思議な新聞によると、現世で惨殺された6人が、記憶を無くした状態で、この天国屋敷に返り咲いたらしい。俺は誰だ? なぜ、誰に殺された!? 俺たちは真相を知りたい――。館(やかた)ものクローズドサークルに新風を吹き込む「全員もう死んでる」ミステリ。
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Posted by ブクログ
『私はチクワに殺されます』で五条紀夫さんを知り、これまで読んできた作家さんの誰とも違う発想や作風に惹かれ、今回が早3冊目。
「全員、もう死んでいる」という特殊設定も、「天国かと思いきやどうやら違うようだ」という世界観も、読み進めているうちにすんなり受け入れられる。それはきっと、突飛なようで緻密に練り上げられているからで、矛盾や無理のないストーリーになっていると感じた。
二転三転してたどり着いた真相も、理想郷という世界観が生かされたもので、とても納得できた。
Posted by ブクログ
とんでもないミステリーを読んでしまった。
舞台は館、無人島、周りは海、クローズドサークル、閉じ込められた6人、でもまさかの全員殺された記憶が…、そうここは天国!!
…ということで、天国に閉じ込められたクローズドサークルミステリー。生きてるうちにこんなとんでもない設定のミステリーが読めるとは思っていませんでした。
現世の館で殺された6人が、天国の館で共同生活をしながら、犯人を見つけ成仏を目指すストーリー。
天国なんだから何でもアリじゃん!!…と思うかもしれないけど、そこはきちんと整合性が取れていて。出来ること=謎解きの糸口。突拍子もないようにみせかけて、どれも伏線になっている。しかも全員殺された記憶以外が失われている。真実を探しながら少しずつ断片的に記憶も戻っていく。
うまいなー。面白いなー。おもしすぎるなー。
特殊設定過ぎて本格ミステリには絶対にならないだろうけど、本当に良く出来ているエンタメミステリーだと思う。
第9回新潮ミステリー大賞最終候補作で受賞はしなかったけれど、改稿・改題を経て出版。デビューした。(ちなみに投稿時のタイトルは、クローズドサスペンスヘヴン)
そこからたった2年でもう5冊も出版している。今や話題の人気作家。受賞歴が全てじゃないな、って改めて思わせてくれる作家さんですね。
登場人物も個性に溢れていて読みやすく、謎も結構解けます。全部は絶対無理だけど(笑)だからこそ、現実的じゃない分、納得しない人も多いミステリーだとも思うけど、私は大好きでした。
すでに次の五条作品も買ってあるので、読まないと。是非一度非現実過ぎる五条ワールドを味わって欲しい。違う扉が開くかも?
Posted by ブクログ
面白かった!今までミステリーやサスペンス物はあまり読んだことなかったけど、
この作品は笑いとか明るさがけっこうあって読みやすかった。
ラストもこういう感じでまとまったなら良かった。
Posted by ブクログ
気合いを入れたら生き返る世界だから悲壮感がなくてとても楽しかった
最後はしんみりしちゃったけど
なんで殺されちゃったんだろう?と考えながらも望んだら食べ物やらなんやらが出てくる納戸から水着やビール取り出してみんなで海で遊ぶっていう、こういうの読みたかったんだな〜!って満足感すごかった
Posted by ブクログ
面白かった。そして切なかった。。。
読み終えた後 表紙の2人を見た。
ポーチさんの最後だけが
美しく見えた
ヒゲオの最期は 崩壊してゆく世界とともに…
それは それで最も悲しい終わりではないかと
思った
1人残され 壊れていく様を見て消えるのは
映像がプツリと切れるように
本のラストも消えていった…
ユーモアと平和な風景と
恐怖と猜疑と怒りと…
さまざまな様子が描かれていた。
オジョウのどことなく古く感じる描写も
なるほどなぁと
何となく 立場と人物に違和感を感じて
当たった部分もあったけど
なかなか 上手くかわされた 笑
少しくどく感じる事もあったけど
読みやすくて 面白くて
先を読むのが楽しみな作品だった
登場人物の6人、それぞれに
好感を持ってしまったから
突然の終わりに寂しい気持ちでいっぱいだ
とてもユニークな読書体験だった
映像化を求む
Posted by ブクログ
浜辺で目覚めると、そこは天国だった。
浜辺の先には天国屋敷があった。
そこに集まった6人は、自分の名前も分からない。しかし、誰かに首を切られ殺されたという記憶は残っていた。
6人の中の誰かが殺人犯なのか?なぜ自分達は殺されたのか?そして、私は誰なのか?
手がかりは、この館と毎朝届く不思議な新聞。
真相を知り、成仏を目指して、生前の謎に迫る。
クローズドサークルって、集められた人々の中に殺人犯が!!次々と起こる不可解な死!!次は自分かもしれないという恐怖!!
などを楽しむと思ってましたが、、、。
これは、、、ちょっと違う!!
だって、みんな死んでいるのだから。天国なのだから。
なんなら、強く自分の死んだ状況を思えば死ねるし、気合を入れればまたよみがえる。
そして、特に時間制限もないので、納戸にマグロを出現させたり、みんなで海水浴に出かけたり。人間関係も ギスギスしていないっていうか、なんだか楽しそう。
こんなクローズドサークルも、、、ありだなぁ。この不思議な感じが癖になる。
真相がわかり、順番に成仏していく姿は、清々しくもあり、少し切なかった。
Posted by ブクログ
独特な世界観のクローズドサークルミステリーとして楽しめた。
死者たちが、記憶を失いながらも軽快な会話で真相を探る展開はポップでテンポが良く、ゲームのようなワクワク感があり、真相が徐々に明らかになるにつれて、どんどんのめり込んでいった。
気軽に楽しめるものの、丁寧な伏線や真相の意外さなど、しっかり本格ミステリだった。
Posted by ブクログ
天国屋敷にやってきた6人の男女。彼彼女らには殺されたという以外、生前の記憶がなかったのだった、、、というお話(?)。
失われた記憶と事件の真相、天国屋敷のルール、など次第に明らかになっていき、最後は悲しく切ない結末に、、、。
二転三転転がされているのが心地よく感じ、ありえないのけどありえそうで、途中厄介者がかき乱し(?)、しっかり伏線散りばめられていて、自力で真相に辿りつけそうだったのがよかった。自力で辿りつけなかったけど。
Posted by ブクログ
俺は、何者かに殺された。
はずだが目を覚ますとそこは、孤島の海辺。
殺されたときの感覚は覚えているのに自分が何者なのか、全く思い出せない。
分かるのは、口と顎に髭を生やしている男だということだけ。
島で見つけた洋館には、俺と同じく殺されたことしか覚えていない5人の男女がいた。
ここは、皆の「共通認識」によって亡くなった場所が忠実に再現された天国だという。
なぜか毎日配達される新聞によると、洋館でのパーティーに参加した6人の遺体が翌日に発見されたとのこと。
現場が密室だったことを考えると、おそらく犯人は無理心中を図ってこの中にいる。
6人は成仏するために、自分が何者なのか、事件の真相は何なのかに迫っていく。
すでに亡くなった人たちが天国から事件の真相を探るという、かなり斬新な設定にとにかくワクワクした。
この特殊な設定ゆえに通常のクローズドサークルのような緊迫感が一切なく、フッと笑ってしまうようなゆるい雰囲気が今作の魅力だと感じた。
その反面、事件の真相に迫るための推理が論理的な部分もあったり、かと思えばファンタジー的な展開もあって、ギャップに戸惑う部分も正直あった。
そんな戸惑いはありつつも、この設定だからこその仕掛けがあって、しっかり伏線もあるので納得できて楽しめた。
とにかくここ最近読んだ中では特に設定に対するワクワクがあり、サラッと楽しく読める一冊だった。
Posted by ブクログ
特殊設定ミステリーというらしい。
面白かった!
最初から全員死んでるって新しい。
全員死んでるから怖さが全くない変なミステリー。
だからシリアスな場面なのに何故か笑えたりする。
なんか変ですごく面白い。
最後がちょっと切なかったけどね。
Posted by ブクログ
面白かった。
全員わりと凄惨な殺され方をしてるし、殺された理由もまあ彼らに全然非がないわけではないのだけど、みんなその罪を悔いてるし、読後も爽やかだったので読んでよかった!
Posted by ブクログ
気がつけば目の前にはリゾートビーチと西洋館。姿の見えない配達人が毎朝届ける新聞によると、現世で惨殺された6人が記憶をなくした状態で返り咲いたらしい。自分は誰か?なぜ、誰に殺されたのか?登場人物の全員が既に死んでいる状態から物語が始まる。「チクワ」とは全然違う空気感で、こちらはクローズドサークルもののミステリーでした。まさかの今の姿が・・。よくよく読み進めてみると、いろんな所に伏線が散りばめらていたんだなぁとわかる。オジョウの伏線は分かりやすかったけど、そう単純なお話ではなかったwお見事の一言で楽しかった!
Posted by ブクログ
舞台設定が天国ならではのミステリー。
既に死んでいるから、殺される心配もなく徐々に仲良くなり、海で遊んでいたりとするのが良いと思った。
ラストは少し切なくなりました。
Posted by ブクログ
アチアチアチのマックス最高、マジックレアリズムサスペンスミステリ!映像化希望!
著者の次作を先に読み、まあまあ面白くて特にメタ的な感覚が小説よりも漫画を読んでる感覚に近くて自分の肌に合ってるかなと、でもそこまで期待はせずに前作である本作を読む
久々に娯楽小説で他の映像作品やらを超えてぶち上がってしまった
舞台はどこかの島の洋館。殺害されて「死んだ」こと以外は記憶を失った主人公は洋館で同じように記憶を失った人たちに出会う。しかし、その洋館はこの世ではなく…
推理モノをリアルに推理しながら読みたい自分としては、SFに近い設定が盛り込まれた時点で結構萎えに感じてしまった。しかし、同時に本格派の推理にもマンネリを感じていたのでまあいいかと思いながら読み進め、結果的に思いもよらない方向に二転三転する展開にバチバチにのせられてまんまとアチアチアチに盛り上がって最後までぶち上がってしまった。
舞台設定もあくまで僕らが思いつくような設定の中で、その設定をフルにいかしてゴリゴリに遊び倒すという構成は、思い返せば前に読んだ次作でも変わらない。要するにこの著者のファンになったんだなとと思った。
あと映像化した時に映える場面が多過ぎの過ぎ。小説ってだけで敬遠してる全ての人類たちにも分からせてやってくれ。優勝。
Posted by ブクログ
斬新な設定で目を引く一冊。ファンタジー強めなミステリー作品で、コメディっぽさもあり。天国屋敷でのありえない展開がおもしろくてスラスラ読める。真相は、そんなもんか、といったところ。
Posted by ブクログ
生まれながらにして悪人はいないのだな。と思える作品。
愛、崇拝、理想、欲望など、その人を形作っていった環境や思考の結果、他人からみたら悪人に見えてしまう。
ストーリーは、綺麗で幻想的な終わり方をするが、本当にそれで良いの?それで納得しているの?と各キャラクターに問いかけたくなる。
そうするしか選択肢が無かった。
もうすでに死んでるし。って言われたらそこまでだが…
実際の殺人事件の動機でも、誰も良かった。とか、そんなのあり?って思う動機が存在していると思うと、人間って虚しいというか、儚いというか、何なんだろう。
Posted by ブクログ
雰囲気が軽めでポップに読める
全員既に死んでいる人ってのが珍しくて、
設定も面白いので楽しく読みやすく進められた!
ただラストはもう少しおぉ!ってなりたかったかな
Posted by ブクログ
奇抜な設定に惹かれて読み始めた。緊迫した状況のなかどこか呑気な主人公達が面白い。しかしそれも伏線だったのかもしれない。文体が好みではなかったのではじめは失敗したと思ったが慣れればそこまで気にならない。読書をあまりしない人でも読みやすいと思う。犯人の動機は突飛だがどこか納得もできて、終わり方が文字通り綺麗だった。
Posted by ブクログ
ずっと、一体何を読まされてるんだろうという感覚が付き纏う不思議なミステリー。
何でもありのようでそうでもない。いややっぱり何でもありの世界観。
Posted by ブクログ
現世で殺されたはずの6人が記憶を無くして“天国”へ。天国を楽しむ6人の中に殺人犯はいるのだろうか…
皆死者だが悲壮感は無く、天国を楽しみながら謎にも向き合うので気楽に楽しく読めた。
大ネタの想像は付きやすいかな。
作者の他作品も読みたくなった!
Posted by ブクログ
死んでから始まる犯人探し。
暴いたところで生き返らない。
だけども真相を求めて振り返る。
そういったおはなし。
自然の節理とはハズレた世界観ですが、キャラが立っているのでスっと理解しやすく、ミステリーとしてもそこまで複雑ではないので、ページ数からもわかる通り、サクッと読めます。
いうならば"味変"ってやつに丁度いい作品ですかね。
Posted by ブクログ
2023年。新潮ミステリー大賞最終候補作。
殺されたことは知っている。気が付けば、生き返っていた?全員死んでいる特殊設定のクローズドサークル。
事件を解決すれば成仏できるらしい。
いろいろ設定がおもしろい。あいかわらず、人名テキトーで、覚えやすい。さくさく読んでしまった。軽く読めて、ちゃんとミステリしてるのが良い。
Posted by ブクログ
これまでにない設定で、最後まで楽しく読めました。
ただ、ファンタジーならではのご都合主義っぽいところがあったり、あっと驚くトリックとかはなく、ぬるっと終わってしまってこの余韻がいいんだろうなって思いつつ、私には物足りなかったかな。
Posted by ブクログ
メロスが走ってる場合じゃない
って本が気になって、
他にも書いてるかな?って調べたら
この本が出てきたので買ってみた
全員が
死んでるとこからはじまるミステリー
なにそのトンデモ設定!
設定がいちばんおもしろくて
内容、大した事ないんでしょー!
ってそんなに期待せずに読んでみた
結構、おもろいやんけ
そうなると動機が弱いよなとか
キャラ濃すぎじゃね?とか
ミステリーとしては
謎がそんなにあれでもなくね?とか
そんなことがこの設定によって
(あんまり)気にならないじゃないか
さらりとおもしろいもん読みたいな
そんなときにオススメ
本格派ではないけど
ラストもなかなか切な儚くて
読み終わったら
だんだんこれよかったわーってなる
メロスも読んでみよ
星は3つ
Posted by ブクログ
クローズドサークル・ミステリー。洋館で起きる殺人事件。全ての登場人物はすでに死んでいる。
設定は斬新。特性上ファンタジーでもある。しかし犯行動機や人物たちの過去は仄暗い。ハッピーエンドにはならないが、もう死んでいるからそんなことはどうでもよい。という具合に幕を閉じる。
ミステリーの良さは犯人や犯行動機、アリバイ崩しなどの気持ちよさにあると思うのだが、ファンタジーが絡むとなんでも良くなってしまうので、そこは少し残念。