あらすじ
生まれも育ちもここ信津(しなづ)町の、健康(たけやす)、昇太、由佳里は、町を支配する信津寺の住職で、悪辣非道な町内会長の権造を殺害することを決意する。酒に酔わせて風呂に沈めて、大成功!のはずだったのに……。なぜか翌朝、ラジオ体操にピンピン元気な権造が。「誰だよ! せっかく殺したクソジジイを勝手に生き返らせたのは!?」殺人犯が蘇生犯を追う、痛快なユーモアメタミステリーの超傑作、爆誕。
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Posted by ブクログ
これは面白すぎた!
殺したはずのジジイが誰かに蘇生された!ってあらすじだけでも面白いし、殺人犯VS蘇生犯ってのがまた面白い。
1、2を争うくらい好きな小説。
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設定の勝利。特殊設定でのミステリということで西澤保彦さんとか山口雅也『生ける屍の死』を連想した。通常とは逆の「犯人」を追う点が、本人たちが本気であるがゆえに外で見ている分には滑稽で面白い。ロジック、意外な犯人、それしかないと思われる結末とどれをとっても満足でした。他の作品も読んでみたい。
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この方の本はいつもテーマが面白くて、予想もつかない突飛な展開があったりするので、いつもワクワクします。笑
少し切なく感じる場面もありつつも、今回も楽しく読めました〜!
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死者蘇生の秘術は、人の命を生贄にしなければならない。主人公が殺人を実行するが、誰かが生き返らせてしまう。
殺人犯が蘇生犯を探し出す死者蘇生ミステリ。
なんだ?この設定は?
死者蘇生なんて遊戯王のカードでしか聞いた事ないよ(笑)
この物語設定のインパクトに頼って、内容が薄いのかなと懸念していたけど、ストーリーも緻密で
人が何回も◯ぬので少し混乱しそうになったが、展開も素晴らしく、結末も二転三転あり、こちらの感情がブンブン振り回されて最高の読書体験でした。
この著者の他の本も読んでみようと思う。
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もうタイトルが最高!『死者蘇生事件』なんて、聞いただけでドキドキする。帯には『せっかく殺したクソジジイを生き返らせたのは誰だ!? 』なんて書いてあって、どんな話なのかワクワクしながら読んだ。
五条さんは特殊設定の作り方が上手いけれど、今回も抜群だった!!タイトル負けしない読み応えのあるミステリー。
あらすじ
主人公は、健康(たけやす)。幼なじみの昇太、由佳里と、若者3人で町内会長・長谷部権造殺すシーンから始まる。権造は、閉鎖的で、ほぼ村ともいえる信津町で町内会長を務めている。職業は住職だが、欲にまみれ、暴言も吐きまくり、絵に描いたようなクソジジイだ。三人はある日、権造を酔っ払わせた後「さあお風呂の時間ですよ」と、浴室に連れていき溺れさせる。
しかし翌朝、町内会主催の子どもたちのラジオ体操に出向くと、そこには元気な権造の姿が!
この町には「死人を生き返らせる秘術」があるという。
一体、誰がジジイを生き返らせたのか?
感想。
めっちゃ面白い。ほんと誰が生き返らせたんだ!と思いながら、次々とページを捲らされてしまい、最後はびっくりした。
この蘇生術自体は単純なのだが、枝葉のルールが面白い。色々な可能性を考えてあくまで論理的に推理しようとする主人公たちだが、論理など超越する町内会のルールや町の人々の行動にめちゃくちゃ笑った。ほんと閉鎖的な町のモラルをよく書けていてすごい。作家として大成する人だと思う。
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笹本健康は激怒した。必ず、邪知暴虐の町内会長を除かなければならぬと決意した。……と数ヶ月前に『殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス』を刊行したばかりの著者の最新作は、町内会一大伝奇バトルで、大変ひとは死んだり、生き返ったり、とそんな秘術の存在する超閉鎖的で町内会が独裁体制を敷く郊外の町が舞台。殺したはずの暴君が蘇生してしまった事件の顛末は――。
ということで、ユーモラスでスピーディーに進んでいく物語のラストには、まさかそんなことが行われていた、なんて思わず驚きで声を上げてしまいそうになる展開が待っています。そして明かされる真相は思いのほか、残酷でもあり、前半から中盤にかけての明るさとの対比もあって、より切ない余韻が残ります。
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町の支配者の町内会会長を殺害した幼なじみ3人組。なのにジジィは翌朝、元気な姿で現れた。町で伝承される生き返りの秘術。生き返らせたのは誰?発動条件は?あの人もこの人も死んでは生き返り、どんどん混乱していく。タイムリミットでハラハラの展開も。ガッツリ読ませる特殊設定ミステリ。153ページ、好きだなぁ。様々な感情を揺さぶるこのラストも素晴らしかった!
Posted by ブクログ
殺人犯は誰だ、じゃなくて蘇生犯は誰だっていう読んだことない設定で更に文章も会話が多くサクサク読めてよかった。
蘇生すると丸1日の記憶を失くすっていうシステムがなければここまで面白くならないよね。流石です
Posted by ブクログ
キャッチコピー?の「誰だよ! せっかく殺したクソジジイを勝手に生き返らせたのは!?」に完全に惹かれて買いました。殺人犯ならぬ蘇生犯!?逆転の設定は最高!
エンタメ系の話かと思いきや、所々の伏線や健康の設定など含めてちゃんとミステリしてましたね。
記憶がなくなったり、蘇生の有効期限など特殊設定が単純なようでミステリを読み解く側からすれば以外と複雑だったな。
初めての作者でしたけど、他にも読んでみたくなりました。
Posted by ブクログ
帯に「誰だせっかく殺したクソジジイを生き返らせたのは」って書いてあるの見ただけでぜったい面白いじゃんと思わせてくれる、作者らしさ全開のシチュエーション。だけどしっかりミステリ。
もちろん楽しめました。
Posted by ブクログ
誰だ!せっかく殺したクソジジイを生き返らせたのは!?この帯からして最高であるw本作の主人公が推理する対象は殺人犯ならぬ蘇生犯。作中では何人もの登場人物が死んではあっさり生き返るwしかし、この蘇生術には一筋縄では行かないルールが何個か付随していて、それがミステリーを複雑にしてくれる。アイデア一発勝負の出オチになるかと思いきや二転三転するストーリーで面白かった。
Posted by ブクログ
主人公、健康の出自が明かされる大どんでん返しのラスト、また命を狙われていた悪党(とされる)権造の気のようなものが途中から感じられなく少し不気味だったが、その立ち位置もラストに明かされ人物像が180度変わったり、物語の終わり方が意外なことの連続だった。最後に健康のとった行動は、命あるものはどんなに延命をほどこしても亡くなるという運命には逆らえないということを読者に説いている。信津町の江戸幕府の頃に遡る言い伝えは、歴史ミステリーとして面白かった。
Posted by ブクログ
真面目に読んでる自分をほめたくなる爆笑本格ミステリ、殺人犯ならぬ蘇生犯を追え #町内会死者蘇生事件
■あらすじ
とある田舎町に住む健康、昇太、由佳里は、町を牛耳っている町内会長の権造を殺害しようとしていた。彼らは権造を酒に酔わせて、風呂に沈めることで殺害に成功する。しかし次の日、朝のラジオ体操の時間に権蔵が生きている姿で現れるのだった…
■きっと読みたくなるレビュー
五条先生は稀有なセンスを持ってますねー。毎度毎度アホかよって設定にドギモを抜かされます。
何がおもろいって、本作は「蘇生犯」を探し当てるミステリーというところ。しかも捜査するのは「探偵」じゃなく「殺人犯」なんです。逆、逆! ふつうのミステリーと逆なのよ。
会話も地の文章も馬鹿馬鹿しくて大好きっすね、1ページ目からもう爆笑させてもらいました。そして健康、昇太、由佳里の三人ですよ、ふざけてるようで真剣なやり取りが最高。ニヤニヤが止まりませんでしたね。「ジヌシーズ」や「ぽっくり団地」といったネーミングセンスもウィットに富んでます。
さて本作のストーリーは、殺したはずの人物が生き返るという謎、蘇生した人物を追っていく。この生き返りのルールが実は凝ってるんです。
不条理な中にもロジカルさが丁寧に組み込まれていてちゃんとミステリーになってるのよ、恐ろしいことに。無茶な蘇生条件なんですが、物語に上手に組み込みながら提示していくんです。
そして中盤以降の展開は意外性があって目を見張るし、終盤の真相なんかやり過ぎ感、何ソレ感がもはや愛せる。本気でふざけてくれるから、読み味は軽妙な割に、底は浅くはないってところが素晴らしいんですよね。
なんつーか、こんな本を真面目に読んだ自分自身を褒めたくなるんですよ。そして五条先生の鬼才っぷりにはホント頭が下がります。もうそろそろガチンコの本格ミステリーも読んでみたいですね、ぜひぜひお願いします!
■ぜっさん推しポイント
コメディ満載のミステリーではあるのですが、読み終わってみると実は胸に来るものがある。
家族や友人といった人との繋がりを大切にする姿勢だったり、差別による危険性などが描かれてるんすよね。マジで?って感じだと思いますが、そのあたりも読みどころだと思いました。
とにかく笑いのセンスに富んだ作品、気になる人はまずは試し読みだけでもしてみてください。きっと読みたくなるはずー!
Posted by ブクログ
新しい感覚のミステリー。人殺しがメインでなく、蘇生した犯人を探す事がメイン。
ラストへの疾走感がよかった。
最近ミステリー読んでなかったけど、やっぱ面白いね。
ミステリーの中でも、この作品のように、それぞれの視点から物事捉えてく話が好き。
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だいぶ序盤からわかってしまって答え合わせみたいになりました。ただラジオ体操の曲がある時は不気味に感じたり、ある時は寂しくも新しい朝を迎える切ない気持ちになったり感情を揺さぶられました。
最後まで呪いとか蘇生に関係がなく、ラジオ体操の曲のままで終わったのも良かったし、あと五条先生の小説の終わり方が好きです!
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田舎町で権力を振りかざす、悪徳町内会長の殺害を確実に遂行したはずの主人公御一行。
翌日、朝のラジオ体操に、悪徳町内会長は元気な姿で現れる。
どうやらこの町には「死んだ者を蘇生させる術」があるらしい。
"殺人犯"である主人公御一行が、余計なことをしてくれた"蘇生犯"を暴く!!
…という特殊設定ミステリー。
サクサク読めて面白かった。
蘇生できる条件がイージーなせいか、作品通して"死"という概念がめっちゃライトに描かれている。
『一方その頃、〇〇は自宅で死んでいる最中だった』みたいな。
死んでいる最中ってなんだよ。
死に関するハードルがドラゴンボールより低い作品に初めて出会った。
程よく切なくて、それでいて「これで良かったのかもね」と思わせてくれるオチも良かった。
Posted by ブクログ
あらすじと魅力的な題名に惹かれて手に取りました。物語の序盤は、殺したはずの権造さんがなぜ生き返ったのかを面白くおかしく追っていきますが、段々話しの雰囲気が変わり、ラストは意外な結末でした。想像していた以上のメタミステリー。
いい意味で裏切られた作品です。
作者・五条さんの別作品も読んでみたくなりました。
Posted by ブクログ
(栄作さんの扱い以外は)いつもの五条大先生の作品とは違う雰囲気を感じた。。
正直前半はボケーっと読んでたけど、後半の鳥肌がえぐい。。
そしてラスト。。
切なすぎますって五城大先生。。
健康、由佳里、昇太の3人で「新しい朝が来た、希望の朝が」って最後にもう1回うたってほしかったよおぉぉ。。
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主人公たちがめっちゃアホなのがいい。
ツッコミポイントが大量にあるけど、他のキャラがちゃんとツッコミ入れるから安心。
ジジイを殺害する理由がアホすぎて笑ってたら、なんか有耶無耶になったな〜と思ったら最後に殺すのなんなんかな、町内会のジジババ全員悪いんじゃなかったんか、悪人を野放しにしたままでスッキリはしない。
主人公と母親の真相がめちゃくちゃ気持ち悪いのは良かった。それだけでお釣りがくるくらい!
若さへの嫉妬の醜さ、親の性欲のキモさなんかが満点で良かった。
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これからが期待される作家五条紀夫の待望作!
タイトルからして読みたくなる作品。
タイトル通りの特殊設定ミステリーだが、ユーモアもあり、驚きもありで満足出来る一冊だ!!
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主人公達が自分達が殺したはずの町内会長を蘇生させた『蘇生犯』を暴くために奔走する特殊設定ミステリーで、「殺人犯が蘇生犯を追う」という外連味に溢れた状況ながら緻密に練られたフーダニットと隠された真相が意外性抜群で、切ない読後感も印象的だった。
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死者を生き返らせる方法がある町を舞台にした、特殊設定ミステリー。狭い町の中ではありますが、主人公側と敵として設定されている町内会との駆け引きが楽しい1冊でした。
ちょっと切ないお話でもありますね。
Posted by ブクログ
町内会長を殺した3人組だったが、なぜか翌朝蘇生していた…。信津町に伝わる魂戻りの秘術を使って蘇生させたのは誰なのか。
世界観がいつもながらおもしろい。ジヌシーズと団地の子との確執とか、田舎あるあるみたいなのもなんか分かるなーと。最後ちょっと切ない。
Posted by ブクログ
2025年。
特殊設定ミステリ。死者を蘇生させることができる村。殺した村の有力者は行きかえり(ただし記憶はない)。誰が蘇生させたのか? 蘇生者を探す犯人たち。
ちょっと注目している作家さんなんだが。
Posted by ブクログ
殺したはずの男が生き返ってる!?
殺人犯が蘇生犯を追い推理する特殊設定ミステリー。
魂玉の力によってターゲットが死んで生き返ってを繰り返すので、作中の命のやり取りが軽い。
その分ラストの重みが増したと思う。
映像化したら是非観てみたい。
Posted by ブクログ
殺したはずの町内会長を生き返らせた蘇生者を探しつつ、もう一度町内会長を殺そうと主人公たちが奮闘する特殊設定ミステリ。
死者を生き返らせる魂玉と呼ばれるニコイチの玉の仕組みが複雑。死んだ人間と生きている人間の二人がふたつの石をそれぞれ持ち呪言を唱えると、死んだ方は生き返り、生きていた方は死ぬ。生き返らせることが出来るのは死んでから24時間以内。1度死ぬと、身体は24時間前の状態に戻るので、その間の記憶が抜ける。という仕組み。
その仕組みで主人公も何回か死ぬんですが、どこまでの記憶があって、どこからの記憶がないのかが分かりづらくて…これ、うまくやるとめちゃくちゃ面白い設定だと思うのだけど、結構ややこしくて何度か戻って読み直したりしました。映像化の方が向いてるのかも…??
主人公たちが町内会長を殺そうとしているのに、それを阻止しようとするはずの町内会長側の動きがなんだか鈍くて、どういうことだろう…と思っていたら、この結末は予想できなかったです。
面白かったんですが、地縁の強い古い村の厄介さがあまり描かれていないとこに少し物足りなさがあったかなぁ。