五条紀夫のレビュー一覧
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俺は、何者かに殺された。
はずだが目を覚ますとそこは、孤島の海辺。
殺されたときの感覚は覚えているのに自分が何者なのか、全く思い出せない。
分かるのは、口と顎に髭を生やしている男だということだけ。
島で見つけた洋館には、俺と同じく殺されたことしか覚えていない5人の男女がいた。
ここは、皆の「共通認識」によって亡くなった場所が忠実に再現された天国だという。
なぜか毎日配達される新聞によると、洋館でのパーティーに参加した6人の遺体が翌日に発見されたとのこと。
現場が密室だったことを考えると、おそらく犯人は無理心中を図ってこの中にいる。
6人は成仏するために、自分が何者なのか、事件の真相は何なのかに -
Posted by ブクログ
罪に問われたメロスに与えられた猶予は3日。その間に故郷に帰って妹に婚礼を挙げさせ、再び都に戻ってこなければならない。もし戻れなければメロスの身代わりとして囚われの身となった親友の生命はない。
メロスは全力で駆けようとするが……。
ドイツの詩人シラーの詩と古伝説を元にして書かれた太宰治の名作『走れメロス』のパロディミステリー。
◇
メロスは激怒した。ただしその怒りは、不甲斐ない自分に対してである。
昨夜、首都シラクスを発ったメロスは、故郷までの10里の路のりを一睡もせずに駆け続けている。3日のうちに再びシラクスに戻らなければ、セリヌンティウスの生命はないからだ -
Posted by ブクログ
アチアチアチのマックス最高、マジックレアリズムサスペンスミステリ!映像化希望!
著者の次作を先に読み、まあまあ面白くて特にメタ的な感覚が小説よりも漫画を読んでる感覚に近くて自分の肌に合ってるかなと、でもそこまで期待はせずに前作である本作を読む
久々に娯楽小説で他の映像作品やらを超えてぶち上がってしまった
舞台はどこかの島の洋館。殺害されて「死んだ」こと以外は記憶を失った主人公は洋館で同じように記憶を失った人たちに出会う。しかし、その洋館はこの世ではなく…
推理モノをリアルに推理しながら読みたい自分としては、SFに近い設定が盛り込まれた時点で結構萎えに感じてしまった。しかし、同時に本格派の