五条紀夫のレビュー一覧
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とんでもないミステリーを読んでしまった。
舞台は館、無人島、周りは海、クローズドサークル、閉じ込められた6人、でもまさかの全員殺された記憶が…、そうここは天国!!
…ということで、天国に閉じ込められたクローズドサークルミステリー。生きてるうちにこんなとんでもない設定のミステリーが読めるとは思っていませんでした。
現世の館で殺された6人が、天国の館で共同生活をしながら、犯人を見つけ成仏を目指すストーリー。
天国なんだから何でもアリじゃん!!…と思うかもしれないけど、そこはきちんと整合性が取れていて。出来ること=謎解きの糸口。突拍子もないようにみせかけて、どれも伏線になっている。しかも全員 -
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もうタイトルが最高!『死者蘇生事件』なんて、聞いただけでドキドキする。帯には『せっかく殺したクソジジイを生き返らせたのは誰だ!? 』なんて書いてあって、どんな話なのかワクワクしながら読んだ。
五条さんは特殊設定の作り方が上手いけれど、今回も抜群だった!!タイトル負けしない読み応えのあるミステリー。
あらすじ
主人公は、健康(たけやす)。幼なじみの昇太、由佳里と、若者3人で町内会長・長谷部権造殺すシーンから始まる。権造は、閉鎖的で、ほぼ村ともいえる信津町で町内会長を務めている。職業は住職だが、欲にまみれ、暴言も吐きまくり、絵に描いたようなクソジジイだ。三人はある日、権造を酔っ払わせた後「さあ -
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笹本健康は激怒した。必ず、邪知暴虐の町内会長を除かなければならぬと決意した。……と数ヶ月前に『殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス』を刊行したばかりの著者の最新作は、町内会一大伝奇バトルで、大変ひとは死んだり、生き返ったり、とそんな秘術の存在する超閉鎖的で町内会が独裁体制を敷く郊外の町が舞台。殺したはずの暴君が蘇生してしまった事件の顛末は――。
ということで、ユーモラスでスピーディーに進んでいく物語のラストには、まさかそんなことが行われていた、なんて思わず驚きで声を上げてしまいそうになる展開が待っています。そして明かされる真相は思いのほか、残酷でもあり、前半から中盤にかけて -
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ネタバレ五条紀夫『殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス』は、一見すると大胆なパロディとして読者の笑いを誘うが、その実、文学そのものへの深い理解と敬意に裏打ちされた、極めて誠実な作品である。太宰治の「走れメロス」という国民的作品を下敷きにしながらも、単なる戯画化に終わらず、物語という形式そのものを問い直す視点が、全編にわたって貫かれている。
物語は軽快なテンポと鋭いユーモアで進行するが、その背後には「信頼とは何か」「正義とはどこに宿るのか」という普遍的な問いが静かに横たわっている。メロスが置かれた状況は滑稽でありながら、彼の選択や行動は、原作が内包していた人間の倫理や覚悟を、別の角度から -
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これはミステリー?いやコメディ?
本格ミステリーが好きな人にはウケないかもしれません。
原作の「走れメロス」に沿いながら、行く先々で殺人事件が起こります。
メロスは推理するものの、とにかく最終的にはフィジカル(物理)で解決しようとする。
メロスってそんなキャラだったっけ⋯
第2話くらいまではうーん、いまいちかな〜と思いましたが、後半面白くなってきます。
“ギリシア語は人名を含む固有名詞にも格変化があり、男の名は語尾に男性名詞を示す「ス」が付く場合が多い”
だそうで、それは分かりますが「ムコス」「キラレテシス」「ダボクデシス」「ミタンデス」とか登場人物がふざけてます。
メタ的なお話も多く、 -
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基本的な構造は走れメロスのまま、随所に殺人事件が織り込まれ、それに巻き込まれて奮闘するメロスの姿を描いた作品。
特に深いことを考えずに、面白い作品を読みたいという時にはお勧め。
ネーミングセンスが面白いです。
「メロスは入水した」は、まぁ基本的な知識を持っていれば理解できると思うけど、日本文学知識ゼロみたいな人には「???」なんではということで、翻訳して海外展開は難しそうだなと思ったり。
たまに「この知識があると面白いけど、そうじゃないと素通りしますよね」ってネタが入っている作品がありますが、これもその一つですね。
そもそもが「走れメロス」のオマージュで、それで遊んでいるような作品なので。