五条紀夫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「走れメロス」のミステリー仕立てオマージュ。
第一章から引用
”メロスにとって力とは、十里の路を走り抜く脚力と、敵対者を屈させる腕力。つまり、フィジカル。フィジカルである。”
この一文を読んだ時、この本のことを理解した。原作からの引用部分と、そこからのちょっとのズレが絶妙で、読みながら爆笑した。メロスの正義感と、見え隠れする暴力性、行き当たりばったりな部分が存分に誇張されていて、(そんなわけあるか!)とツッコミながらも、(でもメロスだし...)と思ってしまう。
この作品を読む前に、YouTubeでピース又吉さんが「走れメロス」を語る動画と、原作の「走れメロス」でおさらいした。そのおかげて数 -
Posted by ブクログ
めっちゃ面白かったんだけど!!w
まず発想が素晴らしい
チクワを覗くと人を呪い殺せるなんて、私だったら一生かかっても絶対に思いつけない
そしてチクワに翻弄される人々の滑稽で恐ろしいことよ
めっちゃ惹き込まれたしラストの想像もつかなかった
大真面目にチクワについて語り続ける姿があまりにも悲壮感漂っていて滑稽で面白くて笑ってしまう
精神科の病気を発症したのか本当に呪いが生まれているのか、どっちが真実なのかわからなくなる
物語が途中で二転三転して、飽きることなく失速することもなく最後まで駆け抜けたパワー溢れる作品だった
機会があれば著者の他の作品も読みたいと思った
読んでるとチクワを食べたくな -
Posted by ブクログ
ネタバレめちゃくちゃ面白かった
ずーっと結末を考えながら読んでたけど、想像を裏切られる終わり方でとてもよかった
なにせチクワなので真面目に読むのがバカらしくなるというか、冗談みたいな話だなーと初めは思った
この話はコメディなのか??ミステリー??それとも精神を病んだ人のドキュメンタリー??はたまたホラー??、てな具合で全く結末が読めなかった
最終的にはめちゃおもろミステリーで、読んでて楽しかったしこの結末は読めなかった
個人的に好きな場面は、チクワに色んな食材を詰めて穴を塞ぐところ
真面目に研究してて笑っちゃった
実写化しても面白そうかも
今後ちょっとチクワを覗くの躊躇しそう -
Posted by ブクログ
とんでもないミステリーを読んでしまった。
舞台は館、無人島、周りは海、クローズドサークル、閉じ込められた6人、でもまさかの全員殺された記憶が…、そうここは天国!!
…ということで、天国に閉じ込められたクローズドサークルミステリー。生きてるうちにこんなとんでもない設定のミステリーが読めるとは思っていませんでした。
現世の館で殺された6人が、天国の館で共同生活をしながら、犯人を見つけ成仏を目指すストーリー。
天国なんだから何でもアリじゃん!!…と思うかもしれないけど、そこはきちんと整合性が取れていて。出来ること=謎解きの糸口。突拍子もないようにみせかけて、どれも伏線になっている。しかも全員 -
Posted by ブクログ
もうタイトルが最高!『死者蘇生事件』なんて、聞いただけでドキドキする。帯には『せっかく殺したクソジジイを生き返らせたのは誰だ!? 』なんて書いてあって、どんな話なのかワクワクしながら読んだ。
五条さんは特殊設定の作り方が上手いけれど、今回も抜群だった!!タイトル負けしない読み応えのあるミステリー。
あらすじ
主人公は、健康(たけやす)。幼なじみの昇太、由佳里と、若者3人で町内会長・長谷部権造殺すシーンから始まる。権造は、閉鎖的で、ほぼ村ともいえる信津町で町内会長を務めている。職業は住職だが、欲にまみれ、暴言も吐きまくり、絵に描いたようなクソジジイだ。三人はある日、権造を酔っ払わせた後「さあ