小梅けいとのレビュー一覧
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空を指す手
勇敢な女たちの従軍体験記を漫画で読み易くした本と朝日新聞で見て、読んでみました。読者は絵があるので視覚的に理解でき、スラスラと読めました。しかし、作者の苦労たるや、服装にしろ、戦車や銃器などの背景にしろ、目で理解してしまうので、適当に書くことができず、きちんと考証して書いているとのコラムでしたが、本当にその通りだと思いました。
性差による決めつけは個人的に大嫌いですが、当時も現代の私たちと同じような考えを持って戦場に飛び込んだ女性たちがいたことは驚きでした。
男性と同じようにと言いながら、最後の最後で女であることを武器に窮地を乗り越えたのも、生死の瀬戸際では仕方ないのかもしれません。
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Posted by ブクログ
原作ラノベの1巻刊行から12年、コミカライズ自体の1巻刊行から10年かけての大団円。
この巻の読みどころは、得がたく失うことができないもの…伴侶を得たロレンスが、野心や理想や冒険に背を向け、手にしたものを守ろうとする葛藤と、ロレンスを失いたくないホロの、彼を危険から遠ざけようとしつつ結局は厄介ごとに首を突っ込みたがる彼を応援してしまう葛藤―安定した職について家庭を守って欲しいのにリスクを取って起業しようとする夫と、最終的にそれを応援してしまう妻、というなんだかよくありそうな構図です。
象徴的にその構図が描かれるのはホロの演説シーン。わざわざ厄介ごとに首を突っ込んだロレンスの背中を苦笑いして -
Posted by ブクログ
原作14巻のエピソード。
原作は最後の山場に向けて小休止みたいな巻なので、原作1冊にコミックス1冊しか使っていない構成ですがあまり不満はありません。ただし、原作ラスト近くに結構重要なシーンがあるのですが、ここは婉曲にではなく、きちんとビジュアルをつけてもらいたかったです。コミックならではの見せ場になったんじゃないかと思うんですけれど。
あ、コミックならではと言えば、湯浴みシーンは充実してサービス満点。さらに、掲載誌の関係からか、パワーダウンしていたホロのディテールについても、久しぶりに「あとがき」でしっかりフォローされていますよ。
さて、コル坊ともお別れをして、原作はラスト2冊+エピロー -
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Posted by ブクログ
これはある意味で暴挙だ…。この原作をコミカライズしようと思った人たちがいることにまず驚く。原作はノーベル文学賞を受賞した旧ソ連のジャーナリストの同名ノンフィクション。
綴られているのは著者が多年に渡り収集した、第2次大戦の独ソ戦を戦った女性たちの生の証言。看護兵·狙撃兵·歩兵·斥候·兵站·司厨·パルチザン…。彼女たちは戦場で何を見たのか。何と戦い何を思い、死んでいったのか。その壮絶な真実の体験には、ただ呆然とするしかない。
「戦争は女の顔をしていない」原作:スヴェトラーナ·アレクシエーヴィッチ/画:小梅ケイト
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