赤川次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
赤川次郎のミステリー小説。
240ページ程で読みやすく、内容も面白い。余談だが、カバーイラストが中村佑介であることも嬉しい。
だいぶ昔の作品であり、現在では表現などコンプライアンスやセンシティブな問題の影響でおそらく構図が変わるだろうと感じるが、推理小説としてはかなり出来がよく面白い作品だ。
主人公の有紀子は13歳の設定だが家庭環境が特殊でかなり大人びた印象がある。いきなり父親の葬儀からスタートするが、プロローグの時点で死の真相が明らかにされ、この後どの様に展開していくのだろうと引き込まれてしまった。実際の物語は、海辺の別荘で進んでいく。
登場人物はそれ程多く無いし、起承転結がはっきり -
Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりに、赤川次郎先生の作品が読みたいな、と思って、近場の本屋に行ったら、この表紙の『三姉妹探偵団』があったので購入。
古参のファンからすると、どうなんだろ、こういう感じの、可愛いイラストの表紙にリメイクされるのは。私としてはアリだな、と思ってる。極端な話、表紙で手に取った人間に、読んだら中身も面白い、と思わせりゃ、書き手としちゃ勝ちではないだろうか。
その本屋には、この(1)しかなかったので、他の本屋で続きを探そうと思っている。これは、かなり、ハマってしまった。
この一文を引用に選んだのは、確かに、そうだな、と思ったので。
推理系、ミステリ系にしろ、面白いのは、犯人の正体が明らかになった -
Posted by ブクログ
大切な人を失う辛さ
生きることの美しさ
誰かを心から愛することの美しさ
人との出会い、別れ。生きていくこと。それら全てが儚く素晴らしいものであると教えられた。
バス・ターミナルに集まった人たちの出会いは、とても美しかった。色々な奇跡が重なって彼らは巡り合ったのだ。
「うまくやりゃ、一気に兄貴分だ。刑務所に入って、出て来たときにゃ、大勢出迎えが来るんだ」
「そんなもんが何なのよ!出迎える人たちだって、みんないつかあんたを殺そうとするかもしれないのよ。それより、心から愛してくれる人が一人だけ待っててくれる方が、ずっとすばらしいじゃないの」
みんなに認められようとしなくてよい。多くの人に尊敬 -
Posted by ブクログ
ネタバレ文庫版刊行が2006年、連載は約20年前の作品だが、まさに今の日本人が感じている恐怖が描かれているようであった。
赤川次郎には珍しい、ディストピア小説だが、ウクライナ侵攻が進む2022年現在読むと、明日は我が身感がヤバい。
読みながら、SNSで公開しちゃえばいいじゃん、とか、YouTubeに動画上げちゃえばいいじゃん、と思っていたけど、20年前まだそんな世の中じゃないよ。。。
(mixiとYouTubeはあったかな)
解説を読むと、小泉政権下で著者が感じた不安をメッセージとして発信するために書かれたようだ。
幸いなことに、本作で描かれた状況にまではなっていないが、徐々にその方向に向かっている