山口揚平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ貨幣の存在の本質について語った名著。
メモ
・お金とは譲渡可能な信用。お金は稼ぐのではなく、創るもの。人間は個性と社会性の2つを分業して繁栄することを生存戦略とした生物。
・価値は文脈を保全するが、貨幣は文脈は引き継げない。貨幣の本質的な課題は格差ではなく、文脈の毀損なのでは。
・世界はネットワーク、企業、国家の3層構造。
もはや一部国家より企業の方が経済的に大きくなっている。
・信用母体の変化。国家から企業や個人へ。
・インターネットは移動する、ブロックチェーンは世界を上書きする。時間を刻む。インターネットは空間を広げる
・標準化画一化習慣化のビジネスから、多様化個別化肯定化のビジネスへ
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Posted by ブクログ
ネタバレタイトルは釣り。
『金持ち父さん貧乏父さん』や『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』と同じ。
ゴッホとピカソはほとんど出てこない笑
これまでは商品と貨幣を交換することで経済が成り立っていた(貨幣経済)が、今後、信用経済の時代に変わっていく。
これは、インターネット・SNS・AIによって、個人が自由にかつ容易に情報を発信したりコミュニティを作れるようになった影響が大きい。
Instagram、Twitterのフォロワー数に応じて価格が決まる美容サービスや、自身の時価総額に応じて仮想通貨でシェア・トレードできるサービス(VALU)がすでに出ているが、今後さらに人の価値によって財・サービスの授受が行わ -
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて読んでみたが、内容はお金とこれからの新・資本論。2013年に出版されたようだが決して古い感じはしない。緩やかにだんだんと著者が書いているような社会に変わっていってるのかも知れないが、まだ世の中はそれでも「金融」が跋扈している。著者の言う「数融」の時代(信用=クレジット)が大事になる時代はもう少し先なのかも知れない。しかし着実に、確実に近づいては来ている。例えば企業が国家を超える時代はもうすでにGAFAで現実になった。その次は個人の「上場」への意識が変わり、お金に変わる経済からの脱却が一気に進むのか。ここの辺り読んでいてもまだ正直実感は湧かなかった。有名人やインフルエンサーなど
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Posted by ブクログ
著者の修論を発展させた一冊とのこと。
ただ、経済学部の院だったら正直この内容では厳しいのではなかろうかと思った。
しかし情報学環の修士ということで納得。
図解による大雑把な分類は多分にコンサル的でわかりやすいが、本質を切り取っているとは限らない。
それは、既存の院であれば学術論文を書く際、一番はじめに指導されるところだが、軽やかに無視されている。
無論、それはこの本の内容が面白くないとかいう話ではないので、自分の指摘は本質的では無いといえば無いのだが、論の進め方が仮説を立ててはそれを検証していくという学術論文の体裁とは相容れないので、論文発表の席でも教授陣と議論が噛み合わないことが多々あったん -
Posted by ブクログ
お金の教科書と書いてあるが
”教科書”といったかたさはない
また、お金といっているが
貨幣のことというわけでもないし
お金持ちになる方法や、節約方法が
書いてあるわけでもない
国が信頼を担保していた中央集権の貨幣経済から
個人が信頼を担保する世界に変わってきている
標準化、画一化、習慣化での経済発展から
多様化、個別化、肯定化という流れ
必需品の需要から承認欲求へ
といった、社会の変化について紹介してくれる
そして、貨幣から時間、そして信頼が
中心の経済へ という予測
これからの社会の変化について
知識をつけられる本としてとっつきやすくていい
(似たようなことをいっている本はほかにもある -
Posted by ブクログ
ネタバレ嫁の妹から面白いよと紹介されて流し読みしたが、確かに面白い。お金に関する本だが、単なる経済の本とは違う。
ピカソが他の画家と違ってお金持ちだったのは、人との繋がりを大切にし、単に絵を描いて売るだけではなく、その絵のストーリーまで伝えて売ったというのが序盤では楽しかった。
中盤では、現代人は基本的な生存欲求(衣食住など)はたやすく満たされてしまう為に、その上の段階である承認欲求を求めているので、お金の使い道が変化しているというところが面白く感じた。
お金について考えているはずが、人間について考えさせられるところが、この本の面白さであった。 -
Posted by ブクログ
いやぁ、20世紀に成功した先進国が、21世紀の経済に一番乗り遅れる、的なことを聞いたことがあるが、まさにx21世紀の経済はこうだ、と思わされることがたくさん書かれている。
まず、
そもそも「お金」とは何かから紐解いていく。
最後はお金の起源の話から、今世紀後半にかけてのお金の変遷まで、幅広く描く。
仮想通貨に使われている記帳のブロックチェーン技術の日々の進歩を見ていると、お金を介在させない「時間主義経済」や「記帳主義経済」の可能性も無くはないな、と思える。
完全にそうなるのかどうかは、例えば「所有」という概念1つとっても、現在の既得権益からすると面白くないことがあるだろうし、国家権力が権