鈴木博毅のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
本書の特徴
本書は、第2次大戦における日本軍とアメリカ軍の戦い方を比較し、敗北の原因を経営学的見地から分析した1冊です。大戦に至る経緯や敗因の分析その後の日本経済の復興について書かれた書籍はたくさんあります。対して本書では、敗戦を招いた日本軍の組織体質に着目し、21世紀になって活力を失いつつある日本の日本企業組織と驚くほど共通しているという問題提起、および日本の企業組織が今後イノベーションを起こすためのヒントを提示している点が特徴となっています。
この本をお勧めしたい人
事業でイノベーションを渇望する中小企業の経営者。また私自身は、いち会社員ですが、今後会社で成果を上げたいビジネスパーソンに -
Posted by ブクログ
日本軍と現代日本に通底する弱点を論じた一冊。
キーワードは3点。無駄な勝利の積み上げ、達人への依存、都合の良い情報での会議。
日本は太平洋戦争で島の占拠数を目標としたが、アメリカは勝つために重要な島の占拠に特化した。
日本は技術を磨き伝承して達人を養成したが、アメリカはセンサー付きミサイル、夜間レーダー開発で日本の攻撃を無効化した。
日本はフィルタリングされた望ましい情報のみで会議したが、アメリカは現場のフィードバックを受け正確な情報で会議した。
これらに共通する日本の弱点は戦略の欠如。
日本は技術の錬磨が得意な故、大局を無視した部分最適に陥りやすい傾向がある。
変化の激しい現代、より戦略 -
Posted by ブクログ
・失敗の本質
「目標」が明確になっていないと一貫性のない行動をとってしまい、遠回りになる。
「戦略」をきちんと立てないと、目標達成に対して遠回りになる。
限られたリソースをどこに配分するのか、目標達成に向けてきちんとした「戦略」を立てる必要がある。
一時的な勝利よりも最終的にどのような状態になっていたいかをイメージしておく。
すると、あえてここは撤退するところ、あえて隙を与えておくところ。など選択が可能になる。
これらも全て最終的な目的からの逆算。
ゲームのルールを変えたものだけが勝つ
→日本人は何かを極める=鍛錬がメイン
アメリカ人は根本的に常に勝つための指標を疑い、ゲームチェンジャーに -
Posted by ブクログ
ネタバレ■ 空気に支配される日本人
空気を読む、その空気こそが日本人の思考停止と非合理な決断を進め、人々を支配してきた。現代でも、その影響は大きい。
■ 空気の支払いからどう逃れるか?
① 相対化
② 場の開放
③ 思考の自由
④ 根本主義
-------------------------------
↪︎① 隠れた前提を見抜く
「AだからBである。」
このAは本当に事実であろうか?またBが唯一の選択肢であるか?絶対化された前提を疑う事で、支配する空気から脱する突破口となる。
↪︎②外の光を入れるか、自ら外に出るか
空気が支配する状況では、空間(学校の教室、会社の部署etc...) が -
Posted by ブクログ
歴史から現代のビジネスに当てはめ、解説する本書。とても面白い。
◼︎競合との戦い
・競合や一般的な企業の目標を調べる。その目標と逆のセオリーで勝負する。
・既存国(企業)の悪しき文化を廃止する制度を作る。
・ライバルを仲違いさせ、各個撃破する。遠くの国(企業)と友好し、近くの国(企業)を攻撃して滅ぼす。滅ぼしやすい近くの国(企業)から個別分断して撃破。
・敵の得意領域で戦わない。自分たちの得意なところで戦う。
・ナンバーワンになるために、弱者を攻撃する。
・相手の弱い部分に攻撃を集中させる。
◼︎小さな組織で戦う
・小さな機会や小さな勝利にも前向きでいる。
・失敗の判断は早めに。わずかな犠