鈴木博毅のレビュー一覧
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学問のすすめを再読したくなった。
本書では明治期の「変革」を現代に押しはめて考えてみよう という本である。
学問のすすめが作られた明治における歴史についても記述があったり、現代の課題の解決への糸口についても記述もあったり、実学を学ぶことができる。
実学に関して、過去、現在、未来を学ぶことが大事であるとし、
過去は学びの視点の多様化、現在は社会問題の解決力を養い、未来への準備を学ぶことが大切であるそう。
現在、日本史の教科書を読んでいるが、意味があるのか考えてしまい、頓挫していたが、何か新しい視点が得られるよう積極的に学ぶ姿勢で読もうと思う。
あと、学問のすすめを再読しようと思う。 -
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実はところどころ違和感があったりもしたのですが、
(たとえば後半で吉田松陰と福沢を同じ切り口から語っている点など)
かなりの「福沢好き」を自認する僕から見ても
「それは持ち上げすぎだだろう」
という部分もあります。
にもかかわらず、「学問のすすめ」の入門書としては秀逸だと思いました。
特に誤解されがちな「実学」について、わかりやすく説明されていて、ここを読めば福沢の言う「実学」が「日常に役立ち自分を高めてくれるスキル」のみをさしているのではないことがわかるはずです。
できれば、この本を読んで、ざっくりと内容が理解できたら、原文にあたってほしいと思います。この本の著者の鈴木さんの言われていることと、どの点で一致しどこで違う感じを受けたか、それを考えることは、「俯瞰」「相対化」という鈴木さんが言う福沢から学ぶべき大切なポイントを身に着ける一助になると思います。 -
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ネタバレ失敗の本質は、23個の項目には収まらない
本書は、日本軍の失敗を23の組織的ジレンマとして整理し、現代の組織にも通じる問題として提示している。読み進めながら感じたのは、23項目を覚えれば組織の失敗を防げる、という話ではないということだった。仮に23項目をすべて解消したとしても、新しい環境には新しい失敗要因が現れるだろう。むしろ本書から学ぶべきなのは、組織が「いま何によって失敗しつつあるのか」を見立て、発見し、修正する能力ではないかと思う。
勝った理由を間違える
特に興味深かったのは、成功体験の扱いである。ある戦いに勝ったとしても、なぜ勝てたのかを正しく理解しているとは限らない。自分たちの能力だけでなく、相手の事情、地理、兵站、政治情勢、技術、偶然など、複数の条件が重なって結果が生じているからだ。「勝った」という事実から「この方法が正しい」と短絡すれば、環境が変わったときに過去の成功が足かせになる。
勝利とは何か
戦争について考えると、そもそも「勝つ」とは何なのかという問題に行き着く。戦闘に勝つことと、戦争に勝つことは同じではない。さらに、戦争に勝つことと、望ましい政治的状態を実現することも同じではない。目的、終結条件、戦略、作戦、戦術、指標がつながっていなければ、局所的には勝ち続けながら、全体としては破綻することがある。
合理的な人間だけでも失敗する
この点で、最近読んでいる『幼女戦記』との対比も面白かった。そこでは、ドイツを思わせる帝国に、単純な「狂った独裁者」を置かず、まじめな官僚や軍人たちが合理的に判断している。それでも主人公デグレチャフが合理的な判断をするたびに、なぜか状況が悪化していく。個々の判断が合理的でも、それらを積み重ねた結果が組織全体の目的に適合するとは限らない、という組織論の寓話として読むことができる。
見立てる力と、損切りする力
結局、重要なのは「失敗しないこと」ではないのだと思う。必要なのは、現状を見立て、過去の成功を疑い、自分の判断も仮説として扱い、必要なら損切りすることだ。そこには、自分の判断が間違っていたと認める力も含まれる。失敗を認めることは敗北ではない。失敗を認められず、現実に合わせて判断を変えられないことのほうが、組織にとっては大きな失敗になる。
レイヤーが違えば、正論も違って見える
さらに、組織について考えると、同じ事実を見ても人によって見ているレイヤーが違うことに気づく。個人の能力の問題として見る人もいれば、役割やプロセス、組織構造、ガバナンスの問題として見る人もいる。上位のレイヤーから見れば正論でも、受け手には「自分の能力を否定された」と聞こえることがある。だから、正しいことを言うだけでは組織は動かない。異なる認知レイヤーを持つ人たちが、意思決定できる形にまで問題を翻訳する必要がある。
それでも、すべてを一人でできる必要はない
優れたリーダーも、すべての能力が突出しているわけではないだろう。戦略、現場、人心掌握、技術、政治、組織設計など、どこかが突出し、それを周囲の能力と組み合わせて成果につなげている場合も多い。重要なのは万能であることではなく、自分と他者の能力の境界を見極め、適切な役割と意思決定の仕組みを作ることなのだと思う。
24番目の失敗
本書の23項目を読み終えて最も残った問いは、「24番目の失敗は何か」である。23項目を知ったことで安心し、それらをチェックリストとして消化した瞬間、すでに別の失敗が始まっているのかもしれない。
本書から得るべきものは、23個の答えではなく、答えが変わり続ける組織を観察するための視点なのだと思う。失敗しない組織ではなく、失敗を発見し、認め、修正し、次の判断につなげられる組織。そのために必要なのは、正しさへの執着よりも、現実を見立て続ける力なのだと思った。 -
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著者がある経営者に「『失敗の本質』を読んでみて、ヒントはあると感じるが、具体的にどう自分の会社に活かしていいのか分からない」と言われたことをきっかけに執筆されたそうです。
そのため、『超』と付くとおり、「原作ではこんなことまで言ってないけど?」という点が多々ありますし、ところどころピントがズレてるところもあります。しかし、それは一旦置いておいて、著者が主張したいこと自体はとても勉強になります。
特に、次の点は覚えておきたいと思いました。
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①戦略とは、いかに「目標達成につながる勝利」を選ぶかを考えること。
②勝利につながる「指標」をいかに選ぶかが戦略である。
③局地的戦闘で勝利しても、「戦略となる指標」を取り出すことをせず、「体験そのものを再現」することに執着すると、目の前の勝利と同じ型を追いかけることに繋がる。日本軍は部分的な勝利のコピーを全ての戦場で追いかけた。
④新しい指標を発見することが、「戦略そのものを発見すること」。
具体的には、次の「イノベーションを創造する3ステップ」が大事になる。
STEP1 「既存の指標」の発見
STEP2 敵の指標の「無効化」
STEP3 「新指標」で戦う
例えば、
STEP1 零戦の強さは「旋回性能」
STEP2 1対1では戦わず2機1組で零戦を挟み撃ちにする
STEP3 「連携性」により空戦を優位にする
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「2対1で戦うというのは戦術じゃないの?」とか疑問もありますが、指標を見抜き、新しい有効な指標を発見し、それを追及すべき、というのは大事なことと思います。それこそ、日本の家電メーカーが「性能」ばかり追いかけて、新しい指標を発見できなかったのはその通りなので。
ビジネスで言えば、目標を明確にした上で、有効な指標を発見・設定し(見直しすることも含め)、KPIとして定める、ということになるでしょうか。
また、①については、KSFは何か(KSFの設定)ということになるかと考えます。
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いろんな思考法に関する本を超簡単にかいつまんで図解した本。あまりにも簡単なサマリーなので、よく理解できないところもあった。やはりそんなに簡単にはいかないよね。でも、「あ、これ読んでみたいな」という本や思考法ががいくつかあった。
■「問題解決力を高める『推論』の技術」
・機能法は、複数の事実から、共通点を発見し、発見した共通点に通ずる結論を出す推論法。
・演繹法はまず「前提となるルール・法則」があり、そのルールに当てはまるかどうかで、結論に導く推論方法。
■「クリティカルシンキング(入門編)」
・クリティカルシンキングとは「批判的な思考」ではなく、「良質な思考」のことである。
■ 「アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉」
・他の人を喜ばせようと考えて、行動してみる。他者への貢献こそが居場所をくれる。
■「青春とは、心の若さである」
・追憶の中に若さは無い。五感を研ぎ澄まして「この瞬間」を感じること。 -
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私は卒論のテーマが幕末明治維新の遣欧使節団だったこともあり、福澤諭吉関係の本は何度か読んでいたけれど、まさに今ですね!
明治維新や終戦後のように外的要因から価値観の転換をせざるを得ない状況になっている今読むと、今までよりずっと福澤諭吉の言葉が響きます。
「文明が促す本質的な変化の時代を迎えたときは、社会全体をより良い方向へ導くチャンスでもある、だからこそ、この機会に巡り合うすべての学問を志す人間は、時代が与えた絶好の機会を、最大限に生かす努力をすべきだと諭吉は述べています。」
息子たち、大学の授業がオンラインになり、部活は活動もできないけれど、これも大きなチャンスと捉えて、生かして欲しいな。
私も。 -
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ネタバレ元ネタの"空気の研究"の本を読んでいないので確かではないですが、本書を読んだ感想としては科学というより哲学的な印象を持ちました。
空気=前提と考えることはとてもわかりやすい説明であり、空気を利用した詐欺的な行為を巧みに使う前提を隠して論じる手法は気づかないうちに使っていたり、使われていたりする事だと感じました。
SDGsやEVなどのゲームチェンジはこの空気を利用したものの一つとも考えられるとも思いましたし、ウクライナ-ロシア間の戦争も同様な空気で巧みに前提を隠されている可能性があるのではと私は思わされました。
日本の話として書かれていますが、心理学的な観点から見ると他国の人も同じようなバイアスにハマり、日本とは多少違うのだろうけど、同調圧力や空気による大衆扇動を行なっているように私は感じる。
前提を疑うことの重要性を学ばせて頂けた良書でした。