【感想・ネタバレ】「超」入門 空気の研究―――日本人の思考と行動を支配する27の見えない圧力のレビュー

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日本人が陥りやすい空気を読むことのメカニズム、その弊害と打破するポイントを分かりやすく解説
企業不祥事やある大学の問題等はまさにこの空気にあるのではないかと感じる。とても示唆に富んでいて、自分事として意識したい

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2023年08月12日

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「何かやろうとするとき(もしくは拒むとき)、同調圧力が非常に強い。」

常々そう感じてはいるものの、何がそう思わせているのかは「空気」という言葉で思考停止していた。本書は空気の招待や対抗策を解き明かす。

空気の最大の弊害である「意図的な前提を掲げて押し付けることで、都合よく現実の一部を隠蔽する」ことは大なり小なりどこの組織でも起こっていることであり、まずはそれを認知し、対策案を知ることはこれからの組織人にとってひじょうに重要であると感じた。

すなわち、これからは空気を生み出している「真の動機・前提(=ごく特定のムラにだけ都合の良い前提)」を知り、真の動機に結論が誘導されないよう、きちんと見ていく必要がある、ということである。

また、「空気打破の4つの視点」として1.空気の相対化、2.閉鎖された劇場の破壊、3.空気を断ち切る思考の自由、4.流れに対する根本主義 が挙げられており、これは現状支配に対して非常に強い武器となりうる。ぜひとも使いこなせるようにしたい。

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2020年04月29日

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鈴木博毅さん超入門「失敗の本質」に続き2冊目。こちらも別著者の「空気の研究」を現代版に解説したもの。空気とは前提。いわゆる場の空気(前提)がどのように構成されて、いかに逆らえなくなるか。戦艦ヤマトの例や、忖度、パワハラ、いじめ、同調圧力、無責任主義など日本によくある逆らえない空気に隠された真実。解説は少々難しいが、最終章の空気を破壊する4つのアクションプランが嬉しい。1.空気の相対化、2.閉鎖された劇場の破壊、3.空気を断ち切る思考の自由、4.流れに対抗する根本主義。「失敗の本質」と併せて再読したい本。

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2021年05月01日

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空気に流される、組織の色に染まってしまう
ということをより言語化してくれている本。

どのようなメカニズムで空気がつくられているのかが分かる。面白い論理だと思った。

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2022年09月15日

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これから組織を率いていく立場にいると思っている若者におすすめ。

【概要】
●日本の失敗や悲劇を生み出している「空気」
●日本人を苦しめている日本組織の悪しき慣習

【感想】
●自分がいる組織内の環境を客観的に見つつ本書を読むと「なるほど」と思える点が多い。組織内の教育資料として使える本だと思った。
●組織の管理職についている人が読めばいいのだが、そういう人たちは自己保身が働くからあまり役に立たないかもしれない。ならば、未来を背負った若者に理解してもらいたい。

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2022年03月19日

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ネタバレ

■ 空気に支配される日本人
空気を読む、その空気こそが日本人の思考停止と非合理な決断を進め、人々を支配してきた。現代でも、その影響は大きい。

■ 空気の支払いからどう逃れるか?
① 相対化
② 場の開放
③ 思考の自由
④ 根本主義

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↪︎① 隠れた前提を見抜く
「AだからBである。」
このAは本当に事実であろうか?またBが唯一の選択肢であるか?絶対化された前提を疑う事で、支配する空気から脱する突破口となる。

↪︎②外の光を入れるか、自ら外に出るか
空気が支配する状況では、空間(学校の教室、会社の部署etc...) が閉じられている事が多い。
外部の光(情報や異なる前提や価値観)を取り入れる、もしくは自らが外部へ出ていく様にする。

↪︎③ 過去の延長線上で考えない
前提、通常性から離れた思考や行動をとってみる。
もしくは、第3者の視点で考える。

↪︎④最も譲れない事は何か?
原点(最も譲れない物) に回帰する事で、それと実際に抱えている前提とのズレを把握することができる。

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2022年01月24日

Posted by ブクログ

「空気に積極的に従う者にはアメが用意される」「結果よりも『やる気を見せろ」と叱咤する」「『前提』こそが結論を支配する」……。自分の属する会社や組織を考えると、ピッタリ当てはまることばかり。原典も読んでみたくなった。

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2022年01月11日

購入済み

とても理解しやすい

原書を読んでいたのですが、文言の定義がわからなかったり、難解な点があり、読み進めるのに苦労しました。
そこで、出会ったのがこの本です。
この本は、文言の定義が分かりやすくなされていて、とても理解しやすかったです。オススメです。

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2020年02月01日

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著者の入門シリーズは、「失敗の本質」に続き、2冊目を読みました。
言わずと知れた山本七平氏の「『空気』の研究」を解説したものであり、理解しやすく構成されています。これまで機会がなく、原典を読んでいなかったので、入門としてこちらを読んでみました。
日本人の思想と行動を支配する「空気」という捉えにくいものを細かく紹介しています。

このような著書を読む際、本当に日本が特殊なのかということを注意するようにしています。
確かに先の大戦の時代は、現代と比較できないほど特殊な時代であったことは間違いないでしょう。そのような時代だから、日本が失敗したのか、日本人がもともとそういう性質を持っていたから失敗したのか、しっかり考えていくべきでしょう。

本書には、日本人の民族性や特徴を多数挙げていますが、読んでいると他国でも見られるようなことも多くあるように感じました。
「日本は古来から、外来の文明や宗教を、自国に受け入れたときから徐々に溶解させ、最後は消化吸収する形で変容させてしまう」という例は、これまで遣唐使や近代化などでいい面も生んでおり、隣に大国があったという利点を活かし、発展につながったことは間違いありません。きっと他国でも同様の例があるのだと思います。
また、取り入れたものの本質を骨抜きにしてしまう、という話で言えば、日本の過去の話にとどまらず、現代でも日本版TMO、日本版CCRCといわれるものはそうなのかもしれません。

多数決の結果に縛られるといった話でも、最近の消費前増税延期は、この話とは異なりますし、ブレグジットの混乱はイギリスでも同様の話がみられる気がします。

本書にもあるように、日本特殊論に偏ることは危険であり、外に解放していた時代が空気を変えるという部分は、正にそのとおりであるため、改めるべきところは改め、守るべきところは守る、相対的・客観的に評価し行動することの重要性を改めて感じた一冊となりました。


▼日本人の民族性の1つは、「状況に即応する」こと
 何かに染まりやすい、自らを進んで塗り替える性質を持っている
 裏を返せば、状況に即応する意味での一貫性が日本人には常に存在している
▼「仮装の西洋化」で日本人は自分が変身したように感じて、過去を捨ててしまう。しかしその実体は、「変化に即応する」「先に進む度に過去の歴史を捨てる」など、変わらない日本人の根源的な行動様式、一貫した思想の結果ではないか。

▼日本はムラ社会と言われる
 産業や共同体ごとに、ある特定の集団を形成している。
 ムラの特徴は、その共同体が「独自の善悪」を設定していること
▼ムラ社会の日本に欠けているものは、異なるムラを横断的に貫くことができる、「共通の社会正義」である。
 ムラを横断的に貫く共通の社会正義が日本に確立されると、ムラごとの主張が衝突したときに、どちらのムラの主張がより正しいかをその社会正義から判定できる。
 ところが、日本社会はこの共通の社会正義を持たず、別の形でこの複数のムラの問題を解決してきたと、山本氏は指摘している。それが「一君万民」の支配体制を横に広げていく世界である。

▼日本の集団が情況倫理に陥るとき
①共同体の前提(空気)が管理されず、その集団が隔離されて存在しているとき
②一君としての空気(前提)を管理する者から、お墨付きを得たと感じられたとき
③異なる共同体を貫き共有されるべき、社会正義が確立されていないとき
集団で共有された空気(前提)が狂うと、空気によって倫理基準も変化する。集団内の空気(前提)に完全に支配され、一人の生徒をいじめる行為に教師を含めた生徒が多数参加して、それを異常を思わない空気が出現する

▼日本人は「情況倫理(=情況によって善悪の基準が変わる倫理)」に支配されやすい

▼空気(前提)による悪影響
①誘導的な前提で、現実の本当の姿を隠ぺいする
②前提とは別の可能性を検討させない
▼空気の拘束力を説明する3つのキーワード
①臨在感(臨在感的把握)
②感情移入
③絶対化

▼すべてを倫理で説明しようとすると、因果関係が解明されるまで時間がかかる。西欧では感情と論理を切り離して判断する文化を長く育成してきたことで、臨在感を感じても、倫理がそれを説明できない限り、人や社会全体が動かない。そのため、感情に結び付けて出来事を理解して働く日本人が、時に先回りできるほど、一部の変化に対して西欧諸国の反応を遅い。
 逆に物理的な因果関係のない、精神的な臨在感でも日本人は同じように動く。合理性で動く西欧諸国は、そのような日本人の反応を冷笑するだろう。その場合は、完全な盲動、迷信主義や過剰な精神論などになってしまう。

▼日本人は、「言葉=現実として絶対化する」、言霊信仰のような思考をしがち
▼日本人は、命題や言葉、心の中で結び付けられた意味と現実を同一視する、原始的な感覚を保持したまま、技術革新を成し遂げて近代化に成功した稀有な国

▼西欧の基本思想は「徹底的な相対化」。命題が正しい場合と、間違っている場合を明確に区別する

▼日本は古来から、外来の文明や宗教を、自国に受け入れたときから徐々に溶解させ、最後は消化吸収する形で変容させてしまう

▼日本で多数決原理を健全に活用する2つの対策
①議題のプラス・マイナスの2つの側面を必ず論じる時間を設ける
②多数決が通っても、指摘を受けたマイナス部分を無視せず対策を確実に行う

▼日本ではムラの外を知ることが、権力や富、支配力の源泉となる
①日本が島国で情報統制を行うことが容易であったこと、ならびに歴史を通じて、文化・技術輸入国としての作法を身に付けていたこと
②日本が比較的大きな島国であり、大陸と適度な距離があり、文化的な進化とマーケットや独自の文化圏として存在するだけの規模を持っていた

▼日本では、家族主義のような発想が重要とされているのか
 人間は生まれてくる家庭を選べないことが理由ではないか。家族とは、天与の関係性(つまり強固なもの)と感じている。家族的な感覚の組織運営が過去の日本で意味を持ったのは、契約など人為的なものよりも、天与の関係性である家族・一族という感覚を尊重したからではないか
▼日本人は、確固たる思想や主義を持たないと言われることがある。しかし、「思想や主義などの人為的な概念が、絶対的なものでも、神聖なものでもない」という確固たる思想を持っていると理解できる。
 この世をつくったのはただの人である、という日本人の根本思想。それゆえに、人為的な前提や概念、人がつくる“思想”を絶対視・神聖視しないという特徴がある
▼日本人は、このような根本思想を持つにも関わらず、空気に支配され、時に狂うのか
①思想や主義などにある人為性を嫌う反面、社会変化、時代のトレンドや方向性を、集団の多数派の考え方で判断してしまう傾向があること。一人の人間の意見は、「排除すべき人為」でも、集団の多数派を占める意見は「自然発生的なトレンド」と日本人は捉えてしまう。この文化的な思考につけこまれると、空気による大衆扇動が効果的に機能してしまう。
②言葉や図像に隠れて含まれる前提に、現代までの日本人が無頓着であったこと。さまざまに隠された前提を押し付けられることに警戒心がないことが、過去150年間の空気支配による幾多の悲劇の引き金になった





<目次>
はじめに 今も昔も日本人を支配するもの
第1章 日本を支配する妖怪の正体
──日本人が逃れられない「見えない圧力」
第2章 なぜ日本人は集団だと狂暴になるのか?
──日本的ムラ社会を動かす狂気の情況倫理
第3章 なぜ日本人は感染しやすいのか?
──日本人を思考停止に追いやる3つの要因
第4章 私たちはこうして思考を乗っ取られる
──空気の拘束を生む3つの基本構造
第5章 なぜ日本人は「常識」に縛られてしまうのか?
──新たな拘束力となる水の思考法
第6章 「日本劇場」を操る「何かの力」
──支配者にとって空気は世論をつくる最強の武器
第7章 どうすれば空気を破壊できるのか?
──巨大な圧力に抵抗する4つの方法
おわりに──空気を超克する新たな時代の創造へ
後注

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2019年05月18日

Posted by ブクログ

「超入門 失敗の法則」を書かれた著者の新作。
超入門でも少々難しく感じたが、空気=前提という考え方は、読んでいて膝を打ちそうになったと言っては大げさか!?日本に蔓延する空気の正体の一端が掴めたように思う。
科学的なことさえ都合の悪い点を隠すために使いかねないというのは、肝に銘じないといけないと思った

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2019年02月22日

Posted by ブクログ

空気という重要な要素の片鱗が理解できた。
ただし、原文を少し差し込まれているが、非常に難解。解説は非常にわかりやすく説明してくれているが、その断片しか理解できていないだろうことが残念。本書の問題というより原著の理解の難しさをどう突破するかという解決法が自分にないこと。

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2024年01月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

元ネタの"空気の研究"の本を読んでいないので確かではないですが、本書を読んだ感想としては科学というより哲学的な印象を持ちました。

空気=前提と考えることはとてもわかりやすい説明であり、空気を利用した詐欺的な行為を巧みに使う前提を隠して論じる手法は気づかないうちに使っていたり、使われていたりする事だと感じました。

SDGsやEVなどのゲームチェンジはこの空気を利用したものの一つとも考えられるとも思いましたし、ウクライナ-ロシア間の戦争も同様な空気で巧みに前提を隠されている可能性があるのではと私は思わされました。

日本の話として書かれていますが、心理学的な観点から見ると他国の人も同じようなバイアスにハマり、日本とは多少違うのだろうけど、同調圧力や空気による大衆扇動を行なっているように私は感じる。

前提を疑うことの重要性を学ばせて頂けた良書でした。

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2023年09月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 「空気の研究」を読み解く本である。平易な文章と図解などでわかりやすい。
 結局のところ「空気」とは何か。本書では27の圧力となっている。つきつめるとそれは「怖れ」。何らかの選択の結果が失敗の場合の最善策。
 失敗も怖れて向き合っていない。そのため正しい情報が得られていない。故に後からみると非常にまずい策をとっている。
 正しい選択をするためにはカロリーがいる。手間がかかる。コストがかかる。そしてそれと向き合う胆力もいる。逆に言えばそれをやらない。それが空気。そしてそれはよくない選択にならない。

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2023年04月01日

Posted by ブクログ

「変わってしまった状況に『即応する』のが日本人の行動原理」と言うのと、「状況倫理、つまり異なる『物の見方』を持つムラ同士が張り合う場合、(横断的な社会正義を追求するのではなく)どちらが正しいかを決めるため、それぞれの物の見方から超越した(より広い影響を持つ)象徴をつくり、象徴としての権威からのお墨付きを得た側が正義だとしてきた」と言うのは、八百万の神がいる宗教的。支配ー被支配の関係が歴史的に見て流動的だからだろう。「空気」とは、ごく特定のムラだけに都合のいい前提である。それは「前提」なので論理的ではない。日本では、利害の異なるムラは存在しないという(ムラ内部の)虚構のもと、忠孝一致というか、忠(契約)と孝(血縁)が混同、意図的に悪用されて「君、君たらずとも臣は臣たれ」との言葉も生まれた。この思考は現代の組織でも見受けられ、会社でも暴力団組織でも上司のことを「オヤジ」と呼ぶ者がいる。その虚構は、自己を正当化してムラを支配するツールである。

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2023年02月19日

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ネタバレ

私たちは「空気」という妖怪にとりつかれながら、日々判断する。「空気」とは、組織の中の前提。空気の読めないものは、同調圧力によって弾圧されてしまう。


人間の判断には2種類がある。
①論理的判断
しっかりと話し合って、判断していく。
②空気的判断
組織に横たわる「前提」が暗黙の了解となり、判断していくこと。

論理的判断と空気的判断は、切り離されるものではない。
あれもだめ、これもだめ、消去法による論理的判断を重ねていくと、いつのまにか組織の前提が固まり出す。

論理的判断から生まれる空気的判断は一見いいように見えるが、自分に有利な前提以外に全てダメ出しするような議論であると、現実の一部が都合よく隠蔽されてしまう。結果的に最新のから用意された結論しかない空気ができる。


よく「組織に染まる」という表現が出る。
組織の中に支配的な情況や物の見方があると、それに感染して、その組織にいる個人の倫理観が変わってしまう。価値観が上書きされる。


「あの時はああするしかなかった」は、空気によって生み出された物の見方に支配されている。その時点で、個人の見方もその集団倫理に染まってしまう。

空気が固定化されると、問題解決力は消失する。現実を無視して前提どおりにふるまう虚構は、問題を膨張させてしまう。空気の打破は、知性の回復。豊かな未来へのスタートライン。

空気を打破する4つの方法
①空気の相対化
②閉鎖された劇場の打破
③空気を断ち切る思考の自由
④流れに対抗する根本主義
今の状況を主観の外に置くこと。内部事情を白日のもとに公開すること。外部の考えを取り入れること。そもそもの理念を考えること。

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2020年01月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

空気を読む、水をさす
普段普通に使っているこの2つの言葉の意味を、多角的に掘り下げてくれている
日本ではこういった考え方を重んじるが、事なかれ主義の象徴でもあり、且つ、新しい時代への成長鈍化の主因になっているのも気付かされた
新しい事象を徹底的に分析し、その優位性と可能性を読む力が大切だと強く感じた

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2019年03月18日

Posted by ブクログ

情況倫理。一部の人の富の源泉。
多くの精神的な前提が、物理的な拘束力に利用されてしまう。

社員が力を発揮できるように、空気と情況の取り扱いはもちろんのこと、前提の擦り合わせが大事との気づき。

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2018年12月08日

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