児島修のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
書名:THE WEALTH LADDER 富の階段-資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略-
著者:ニック・マジューリ
発行:2025年11月11日 第1刷発行
2025年12月15日 第3刷発行
この本は個人の富(経済的な意味での資産)を、その金額に基づいてランク分け(レベル1→6)し、各段階を登るために必要な戦略とその背景を説明している。
富の階段を登り続けるために、各資産レベルで集中するべき戦略があるのはそのためだ。「レベル1」は生き延びること、「レベル2」は教育を受けスキルを磨くこと、「レベル3」は投資をすること、「レベル4」は起業すること、「レベル5」は事業を拡大すること、「レベル6」は資産を守ること。
また、それよりも面白いのは、経済的な意味での資産の額がそのまま幸せの量に直結しているわけではないことを明言していること。そんなことは分かっているし、自分も「本当に大切なこと、本当に面白いことは無料」と思っている。それをもう少し因数分解してわかりやすく提示してくれている。本書の後半にエッセンスが詰まっているので、そこを意識て読み返したい。 -
Posted by ブクログ
米国の経済学者が、資産運用について書いた本。投資の手段を幅広く述べ、学者として奨める投資方法を説明している。私は絶対的投資方法としてバートン・マルキールの言うインデックス投信が第一義であると考えるが、本著者は違う意見を述べている。参考になった。冒頭の資本主義に関する考え方は、極めて重要であると思う。
「資本主義は人類史上、最も生産的な経済システムだ。同時に、これは強欲な獣のようなシステムでもある。資本主義は改革者より既得権益者を、貧しい者より富める者を、労働より資本を優遇し、喜びや苦しみを公平な方法で分配する。だからこそ私たち現代人には、資本主義と投資を理解し、うまく付き合っていくことが求められている」p4
「現時点では収入が同じ2人でも、キャリアとお金に対するアプローチの違いによって、将来的には大きく異なる場所に行きついている可能性が高い」p9
「本書のテーマは、長期的な視点に立ち、人生を豊かにし、大きな資産を手にする方法を読者に提示することだ」p9
「(目指すべき経済的自立)働かなくても、自分が望むライフスタイルを維持できる資産」p19
「資本主義は、「人々を消費に向かわせる」という唯一の目的のために、社会全体の知見やエネルギーをつぎ込ませようとする」p51
「ファイナンスに役立つものとして強くお勧めできるのは、よく運動することだ。ハイパフォーマーにはさまざまな人たちがいるが、ほとんどの人に共通しているのは、十分に運動していることだ」p86
「(自分のキッチン・キャビネットをつくる)組織の外にいる、率直で利害関係のない助言をしてくれる人たちの集団」p97
「あなたがなすべきことは、夢を追いかけることではなく、自分が能力を発揮できる仕事を見つけ、忍耐強く数千時間を費やして技能を磨き、道を究めることだ。そうすると、自分が成長している感覚や、技能が向上している感覚が得られ、十分な収入がもらえ、まわりから認められ、業界の仲間も増える。その結果、その仕事が何であれ、情熱を傾けられるようになる」p124
「(ビル・バーネットとデイブ・エヴァンス)もし、それに対してできることが何もないなら、それは問題ではなく状況だ」p188
「信頼は信頼を呼び、関係を深める。積極的に助言を求めれば、メンターはあなたの成功に投資してくれるようになるだろう」p200
「(マイク・ブルームバーグ)友人が昇進しても、お祝いの電話はしない。しかし、友人がクビになったら、その当日の夜に食事に誘う。なぜなら、私自身がソロモン・ブラザーズをクビになったときのことを、よく覚えているからだ。そのとき電話をかけてきてくれた友人のことは、今でも一人残らず覚えている。辛かったから、仲間の言葉が身に染みた。だが、同社でパートナーに昇進したときに、誰からお祝いの言葉をかけられたかは、全く覚えていない」p200
「私たちは、インフレ自体を避けられない。だが、その影響から逃れる方法が1つある。それ以上のペースで資産を増やすことだ」p222
「2008年に会社が倒産した時、私は純資産の7割を失った」p310
「(常に暴落に備える)投資の世界では、必ず流れ弾が飛んでくる。だから、それを防ぐ備えが必要だ」p311
「2000年後半、ウォーレン・バフェットは、「今後10年間、市場平均に連動するS&P500指数を上回る運用パフォーマンスを出すアクティブファンドはないだろう。もし上回るファンドがあるなら、100万ドルを賭けてもいい」と申し出た。プイロテジェ・パートナーズという投資会社がバフェットの賭けに乗った。1年目、5つのアクティブファンドのパフォーマンスは、いずれもS&P500を大幅に上回った。翌2009年はS&P500の勝ち。2010年、2011年、それ以降もずっとS&P500が勝ち続けた。2017年時点でS&P500のリターンは126%、プロテジェは36%。賭けは2017年12月31日に終了したが、その夏までに、プロテジェは早々に負けを認めた」p312
「2000年から2022年にかけて、S&P500が値下がりした年は7回もあり、そのうち3年では20%以上も値下がりしている」p315
「「ランダム・ウォーク理論」を突き詰めると、誰も株価を予測できないことになる。そのような主張には賛否両論があるが、私はそれは言い過ぎだと思う。明瞭かつ冷静な観察者は、実際の勝ちと株価が乖離している場所を見抜き、その差から利益を得る(特に忍耐強くその資産を長期保有することによって)」p316
「リスクとリターン、分散投資、「市場を打ち負かそう」とするのは、無駄な試みである。これらは、投資の基本原則である」p317
「投資家として成功するために、全経済分野の専門家である必要はない。だが、その基本を理解し、資本主義システムの中でそれらがどう組み合わさっているかを理解するのは重要だ」p317
「投資は絶え間なく、着実に資金を増やしていく」p328
「映画『ウォール街』のゴードン・ゲッコーの言葉を借りれば「お金は眠らない」のだ」p328
「(F0)リスクの高い機会であればあるほど、投資を正当化するためにはリスクフリーレートを上回る期待収益率が必要になる」p354
「(80:20の法則)8割はパッシブ投資で運用する。残りの2割は、アクティブ投資で運用する」p359
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Posted by ブクログ
投資の神様として崇められるウォーレン・バフェットも、その資産845億ドルの内、842億ドルは50歳以降に増やしたという。彼に関する本は優に2000冊は超えるらしいが、ほとんどが割安なバリュー株投資についてである。しかし、バフェットの投資の本質は、黙ってじっと待つということである。
この本の中で最も感銘を受けたのが、そのバフェットでさえも利益の大部分が限られた数銘柄で湿られているということである。本書ではテールイベントの威力として紹介されているが、投資の5割は失敗しても富は築けるという事である。実際、これは評者の経験にもぴったりと合致している。株式や投資信託に投資してそれなりに利益は出ているが、何よりも居住していたマンションの売却益はその数十倍もあり、それによって老後の心配が不要となる程の資産を築くことが出来たのである。長期投資と並んで、鉄則とされる分散投資は基本的にはリスクの分散の目的で語られるが、結果的にはゲインの機会の分散であるとも言える。ベンチャーキャピタルなどはその典型だ。20社投資してその内1社がIPOすれば、全ての損失を上回ってそれでも大幅にお釣りが来るほどの利益を得るのがそのモデルである。それと同じ事が一般の投資家にも言えるのかもしれない。
そのためには、頻繁に投資先や銘柄を入れ替えるのではなく長くじっと待つということは大切なのかもしれない。
また、冒頭の逸話でビル・ゲイツが高校時代、レイクサイドスクールという学校に通い、そこに全米で初めて導入されたコンピューターがあったという。ゲイツはそこでコンピューターに没頭した。当時の世界中の高校生は3億人としてその内の300人、つまり1%の生徒がその幸運に恵まれたのだ。そこでは、ゲイツと共にコンピューターに打ち込み、自分よりも優秀だったと語った親友のケント・エバンスについて触れられている。彼は、若くして登山事故でこの世を去ったという。全米で登山事故でなくなる確率は100万分の1だという。ここで語られるのは、同じような幸運に恵まれながらも、その後の人生で明暗が別れた事であり、人生における運とリスクが表裏一体であることである。
また、人々が楽観論よりも悲観論に惹かれる事についても触れられている。ある人が「この株は10倍になる」と言ったとしても耳を貸さないが、「この株は不正会計の可能性があり暴落する可能性がある」といえば、一旦は耳を貸すだろう。しかし、実際に過去を振り返ってみれば変動はあるものの経済は拡大し、株価は上昇を続け、医療技術は向上している。未来は確実に良くなっているという。良くなるの定義は切り口次第ではあるが、ここで語られる楽観論は投資の視点では示唆に富む。どの時代にも語られる市場クラッシュ説やバブル崩壊も、結局のところは起こるときは起こるし起こらないいときは起こらない。大切なのは長期でじっくりと待つということである。医学の進歩は1年単位では感じられないが、50年の視点でみれば明らかに進歩しているはずである。
タイトルにあるサイコロジーオブマネー、富のマインドセットは、そうした人間の心理に宿る心のブレを無くして、長期で構えるという事だ。
本書は19章で、全てを総括する心構えを列挙している。時間が無い人はそこだけ読んでメモしておくだけでも十分価値があるはずだ。 -
Posted by ブクログ
不安や抑うつに悩んでいる人は、DMNが活発な人が多い。
遺伝は26%、日焼けしやすい人が日焼けするかどうかは、遺伝子で決まらないのと同じ。
遺伝的要素+ストレスの原因となる出来事=考え過ぎ
不安は恐怖を餌にする。
ストレスが外的要因、不安は内的要因。
対策
認識と不安を区別する。自分を客観的に認識しよう。
ジャーナリング。感謝日記など。
自己コントロール感を高める。自己効力感。時間管理。自分の価値観を明確にする。重要だけど、緊急ではないものに時間をかけよう。
心配の先延ばしをしてみる。
歪んだ思考を正す。とらえ方を変えてみる。リアプレイザル。
①コントロールできないことではなく、コントロールできることに集中する。自分で変えられないことは受け容れる。(ストア派)
②できないことではなく、できることに集中する。→①の具体化
③持っていないものではなく、持っているものに集中する。
④過去や未来ではなく、現在に集中する。
⑤欲しいものではなく、必要なものに集中する。
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Posted by ブクログ
人間の認知バイアス(勘違いや思い込み)・ハウスフライ効果(アムステルダムの空港の男性用小便器に的としてハエを描いたら掃除が減った)を基にした行動経済学の理論がとにかくたくさん紹介されていて面白い。
ナッジ=望ましい行動を自然に楽しく促す変化。トイレのハエの絵など。
スラッジ=物事を必要以上に難しくする事。解約しにくいサブスクなど。
カジノで現金ではなくプラスチックチップを使って賭けるのは負けの苦痛を感じにくくするため。客の歩みを遅くさせるため最短で出口に向かう道も分かりにくい。
人は自分を過信しやすい。それを分かっていれば大局的に物事を見れる。
目の錯覚で同じ量のおかずでも大きな皿に盛ると量が少なく見え、小さな皿に盛ると多く見える。
脳は面倒臭がり。そのためルーティンが好き。一貫した選択が好き。
変化する報酬(ランダムに多かったり少なかったり)はドーパミンを出す。
習慣化したい事があったら、行動を記録して視覚化する。
人に何かしてほしい時は、簡単、明確、楽しいものにする。
決断しないより、後悔しても構わないと行動する方がベター。人は将来自分がどう感じるかの見積もりが下手で、後悔を過度に大きく見積もっている。悪い事が起きても自分が思っている以上にそれを受け入れる事ができる。
人は自分がした親切を、その相手からは返されなくても他の人に伝えてもらいたいと思っている。(ペイフォワード)
スーパーの入口で野菜や果物が売られているのは、健康的なものを先に買うと不健康なものを買う罪悪感が薄れるから。
お金がない時、時間がない時は判断力が鈍る。
目標は具体的に想像するほど達成しやすくなる。
周りに公表するのも効果的。
注目を引くのは周りとのギャップの大きさ。カジュアルな場に1人だけタキシードで行くなど。脳はパターンから外れるものには注目するから。
同じものも繰り返すだけで魅力的に見える。
過去に何度か見ていて自分が生きてるなら安全と判断する。
完璧よりも少し抜けている方が好感を持たれる。
人は物語が好き。事実ではなく物語で動く。陰謀論、など勝手に物語が作られていく。
身元のわかる犠牲者効果=犠牲者◯名、というより1人のストーリーの方が人を動かしやすい。
フィードバックが人に良い行動を促す。
相手に選択の自由があると強調すると頼んだことをしてくれる可能性が高くなる。