東崎惟子のレビュー一覧

  • 美澄真白の正なる殺人(新潮文庫nex)

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    「ブリュンヒルドシリーズ」などの東崎惟子が2025年に書き下ろした長編小説。父親と同じ刑事を目指す女子高生の美澄真白は八年ぶりに再会した親友・紫音の抱える闇を見てしまい、彼女を救おうとします。最初に結末が掲示され、そこに至るまでの道程が描かれます。真白の努力が、こんな形で活かされてしまうとは皮肉です。最後まで正しいことをしていると信じているのですが、他に良い方法があったのではないかと感じてしまいます。これが若さゆえの過ちなんでしょうか。百合作品としてはあの1点で全て台無しだと個人的には感じました。

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    2025年10月02日
  • 竜殺しのブリュンヒルド

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    竜に育てられた少女の復讐譚。話の方向が一貫しており、まとまりの良い話であると感じた。育ての親を殺した竜殺しの実父への復讐という、ストーリーの核自体はありがちであるが、ザックスやジクルスといったサブキャラクターを生き生きと描けているからこそ退屈せずに読み通すことが出来た。安易な結末でなかったことも高評価である。

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    2025年09月07日
  • 少女星間漂流記【分冊版】 1

    購入済み

    淡い独特の絵柄

    淡い独特の絵柄が宇宙SFの雰囲気をとても盛り上げている。「漂流記」という題名が淡い絵柄やややとりとめがないようなストーリー展開を象徴的に表していてとても良い。銀河鉄道に対抗して馬車の宇宙船というものもノスタルジックさを狙ったのだろうな。

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    2025年08月28日
  • クリムヒルトとブリュンヒルド

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    ネタバレ

    東崎惟子さんの『クリムヒルトとブリュンヒルド』
    東崎惟子さんによる「ブリュンヒルド」シリーズの第3部です。

    王国はかつて神竜によって脅かされましたが、「竜殺しの女王」によってそれが葬られてから百年が経過していました。五代目女王の娘であるブリュンヒルドとクリムヒルト。
    姉として、6代目の女王を目指していたブリュンヒルドですが王室の病に蝕まれ、それを果たせません。戴冠の日を迎え、クリムヒルトは女王となりますが、その日王国の闇を知ります。
    やがて王国史から名を消された「暗愚の女王」とされるクリムヒルトでありますが、その後なにがあったのしょうか。真実を辿るストーリーです。
    忠臣ウォレン、琥珀の竜ベル

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    2025年08月13日
  • 竜の姫ブリュンヒルド

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    ネタバレ

    『竜殺しのブリュンヒルド』の続編的作品。
    邪竜の脅威にさらされる小国ノーヴェルラント王国は、神聖な竜(神竜)と契約して守護を受けていた。その神竜と心を通わせる者こそ「竜の巫女」であり、その家系に生まれた少女・ブリュンヒルドは幼い頃から神殿で竜と会話し、月に七人の生贄を捧げる儀式を務めていた 。しかし、ブリュンヒルドは竜が生贄を食べる残忍な姿を目撃することで王国を襲う邪龍は本当に存在するのか疑い始める。
    やがて、ブリュンヒルドは、従者ファーヴニル、王国の王子シグルス、王子に使える王国一の騎士スヴェンと共に神龍を倒すことを画策する。


    読んでいて話の着地地点がどこになるのかわからなくなる作品。

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    2025年07月13日
  • 竜殺しのブリュンヒルド

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    ネタバレ

    神秘の島「エデン」で、少女ブリュンヒルドは島の守護竜と共に穏やかに暮らしていた。幼いころ、竜の血を浴びたことで、彼女は人間でありながら半竜となった。守護竜と愛し合う仲となるブリュンヒルド。しかしある日、ノーヴェルラント帝国の竜殺しの名門・ジークフリート家が島を襲撃し、守護竜は殺され、島も焼き払われる。竜の血をすすったブリュンヒルドはただ一人生き残り、ヨハン・ザックスという軍人に助けられる。襲撃の指揮を執っていたのは、彼女の実の父であるシギベルトだった。
    守護竜との永遠王国で会おうという約束とは裏腹に、ブリュンヒルドはジギベルトへの復讐に駆られていく…

    復讐劇のお話として面白いです。
    ブリュン

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    2025年07月13日
  • 少女星間漂流記 1

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    好きな作家さんの新作なので購入。デビュー作の画力より絵の上手さが上がっていてとても感動しました。1巻ということは長編になると思うので、3巻まで続いて欲しいと思っています。私は応援しています。

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    2025年06月13日
  • 王妹のブリュンヒルド

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    王家に生まれた兄妹、「神の力」を手に入れるため施設に入れられ、帰ってきた兄が別人のようになってしまい、妹は追放されてしまっていたが、、、というお話(?)。

    「ブリュンヒルド」シリーズ第4弾。変わってしまった兄、すれ違う思い、竜の力。

    今作もまた行き違い思い違いが絡み合い、ステキな作品となっておりましたなぁ。

    思い思われ絆の関係、中盤で明らかになる真実、からのさらに気になっていく展開で一気読みさせられるお話でございました。

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    2025年05月06日
  • クリムヒルトとブリュンヒルド

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    王族の姉妹が国の闇を知り、その暗部と戦う、、、というお話(?)。

    「ブリュンヒルド」シリーズ第3弾。姉妹の絆があり、単なる漆黒の闇ではなく暗部なりの思いがあり、そこに竜や過去や子孫などということが絡み合うステキなお話でした。

    今作も先が気になる展開で、最後までどうなるのかハラハラ楽しく、サクッと読めてしまいましたなぁ。

    今作は1と2の間の物語ということが明らかになっていて、読みやすくもありました。

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    2025年05月06日
  • 少女星間漂流記3

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    今回も平和(?)に星間漂流が続いていた。
    大きなことも小さなことも、2人の旅の軌跡で、これからもできる限り続いてほしいなとこの巻を読んで改めて思った。
    この巻だと、虚の星が好きでした。

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    2025年04月07日
  • 美澄真白の正なる殺人(新潮文庫nex)

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    美しい装画に学園百合×猟奇ホラーサスペンス、究極のバッドエンド…なんて煽り文句書いてあったら即買いだよね。大好物の盛り合わせです。
    ライトノベルなので読みやすいし、ホラー度も控えめでサスペンス慣れてない人でも読めそう。

    バッドエンドと書いてあるけど、私はメリーバッドエンドかトゥルーエンドかなと思った。

    正なる殺人、聖なる殺人
    雪の寒い時期に読みたかったな。

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    2025年03月29日
  • 竜殺しのブリュンヒルド

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    ネタバレ

    竜に育てられた少女ブリュンビルド。父と慕う最愛の竜は竜殺しである実父の手で殺された。復讐に燃えるブリュンビルドの胸に去来するのは「他人を憎んではならないよ」という正しさと赦しを望んだ竜の教え。前に読んだ『少女星間漂流記』があまり私には合わなかったのでどーかなぁと心配で読むのを躊躇してたけどこれは面白かった。なんだかとても切ない物語で最後までどんな結末になるのか想像が出来なかった。シリーズ物だけどこのまま続いてる訳ではないみたいですね。世界観は好きなので続編を見かけたら多分買うかな。

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    2025年01月14日
  • 竜の姫ブリュンヒルド

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    前巻もそうだったけど、ハッピーエンドともバッドエンドとも言えない、絶妙な終わり方がお上手。
    確かに悲しいんだけど、それが最善だったとしか言いようがない。

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    2024年11月01日
  • 少女星間漂流記

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    楽しい。地球文明滅亡後、二人の少女が永住できる星を求めて宇宙を旅する短編小説だが、星新一のような、『キノの旅』のようなシュールさ、愉快さ、怖さ、切なさが同居している。
    彼女たちが立ち寄る惑星はそれぞれ癖が強く、一筋縄にはいかない。
    シリアスになり過ぎず、ユーモラスで締めるところと緩めるところの落差が上手いのもいい。これは楽しみなシリーズに出会えた。

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    2024年09月05日
  • 竜殺しのブリュンヒルド

    購入済み

    シリーズ第一作にして最高作

    作者自身が抱えていたかと推測される「情の業」を描くために、超越存在(「神」)が「理」でさえないことを暗示する設定になっていると思う。ただし作者がそれをどこまで意識し得ていたかははっきりしない。

    推測だが、作者の持つイメージのカオスが筆を引っ張って書かせたかたちだろう。テクニック的に未経験な部分が多い未熟さ故に重厚な「情の持つ本質的破綻」を描き出す結果となった作品と思われる。

    この手の著作は、元来は連作第二作につながるだけの力量を伴わないことが多いが、実際、連作第二・第三は、プロットとしては小綺麗だが、テーマの扱いは第一作の半分にも達しない浅薄なものに留まっている。つまり、わかりやすいが軽い

    #ダーク #ドロドロ

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    2024年03月16日
  • 竜の姫ブリュンヒルド

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    ネタバレ

    前作の終わりを読んで一番疑問に思ったのが、「続くの…?」だったが、なるほどそういうことか。



    一瞬パラレルワールドかと思ったが、あの時代の前、ファルシオンやバルムンク、ジークフリートの成り立ちの話だった。
    「ブリュンヒルドの物語」…そういうことなー。
    そして相変わらず残酷。縹けいか作品よりは絶望ではないが、全然ハッピーエンドじゃなくて良い。
    しかしコミックだとしんどいものは読みたくなくてハッピーなものを読みたがる最近なのになぜ小説だと構わないのか、我ながら不思議。

    最初読み始めてたときはあの神竜の700年前の話かと思ったが、途中でエデンにいないから違うと気づいた。というかエデンどんだけあ

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    2023年09月05日
  • 竜殺しのブリュンヒルド

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    タイトルと表紙を見て読んでみようと思った本。この物語、結構ツラい。でも、そう感じられるのは読み手が自然と感情移入できるストーリーになっているからだと思う。登場人物たちに立ちふさがる残酷なまでの現実的展開、ご都合主義に感じられないストーリーに胸が苦しくなって……最後のページを捲るときには切ない気持ちになってきます。
    ライトノベルとしては珍しく1巻でキリよくまとまっているので、ライトノベル初心者にもおすすめできる一冊です。

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    2023年06月03日
  • 竜殺しのブリュンヒルド

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    ネタバレ

    読み終わって心がざわつくなんとも言えない余韻のお話だった。
    勿論これは少女の復讐の物語なのだけど、彼女にとっての正義のお話でもあり愛のお話でもあり報いのお話でもある。
    けれど彼女に他の道はあったのだろうか?と考えたとき、どうにもそんな選択肢は見つけられない。
    何かが違っていたら、たとえばそう、彼女がもう少し弱かったら、もっと愚かだったら、竜をそこまで愛さなければ、彼女には別の道があったのかもしれない。
    けれど否応なくこの道に進むしかなかった。
    そんな運命の物語りだ。

    ストーリー的にはほぼ一本道。
    ただラストで作者の仕掛けに気づいて驚かされる事になる。
    これがおそらく作者のデビュー作。
    今度は

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    2023年03月30日
  • 竜殺しのブリュンヒルド

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    人間の業の物語。

    実の父親に、育ての父であり最愛の竜を殺されたブリュンヒルド。

    復讐か、それとも人を赦すべきなのか。微塵も揺るがないヒロインのブレなさ加減が切なくも哀しい。

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    2022年11月27日
  • 竜殺しのブリュンヒルド

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    育ての親の竜を、実の親の竜殺しに殺された少女。彼女が選んだ運命の壮絶さ。
    竜殺しの設定が秀逸。竜に育てられた少女の余りに真っ直ぐな想いと気性に心がきしむ。
    復讐とは何のために行われるのか。その意味をも踏み越えて進む姿に涙する。

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    2022年11月04日