東崎惟子のレビュー一覧
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購入済み
淡い独特の絵柄
淡い独特の絵柄が宇宙SFの雰囲気をとても盛り上げている。「漂流記」という題名が淡い絵柄やややとりとめがないようなストーリー展開を象徴的に表していてとても良い。銀河鉄道に対抗して馬車の宇宙船というものもノスタルジックさを狙ったのだろうな。
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ネタバレ東崎惟子さんの『クリムヒルトとブリュンヒルド』
東崎惟子さんによる「ブリュンヒルド」シリーズの第3部です。
王国はかつて神竜によって脅かされましたが、「竜殺しの女王」によってそれが葬られてから百年が経過していました。五代目女王の娘であるブリュンヒルドとクリムヒルト。
姉として、6代目の女王を目指していたブリュンヒルドですが王室の病に蝕まれ、それを果たせません。戴冠の日を迎え、クリムヒルトは女王となりますが、その日王国の闇を知ります。
やがて王国史から名を消された「暗愚の女王」とされるクリムヒルトでありますが、その後なにがあったのしょうか。真実を辿るストーリーです。
忠臣ウォレン、琥珀の竜ベル -
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ネタバレ『竜殺しのブリュンヒルド』の続編的作品。
邪竜の脅威にさらされる小国ノーヴェルラント王国は、神聖な竜(神竜)と契約して守護を受けていた。その神竜と心を通わせる者こそ「竜の巫女」であり、その家系に生まれた少女・ブリュンヒルドは幼い頃から神殿で竜と会話し、月に七人の生贄を捧げる儀式を務めていた 。しかし、ブリュンヒルドは竜が生贄を食べる残忍な姿を目撃することで王国を襲う邪龍は本当に存在するのか疑い始める。
やがて、ブリュンヒルドは、従者ファーヴニル、王国の王子シグルス、王子に使える王国一の騎士スヴェンと共に神龍を倒すことを画策する。
読んでいて話の着地地点がどこになるのかわからなくなる作品。
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ネタバレ神秘の島「エデン」で、少女ブリュンヒルドは島の守護竜と共に穏やかに暮らしていた。幼いころ、竜の血を浴びたことで、彼女は人間でありながら半竜となった。守護竜と愛し合う仲となるブリュンヒルド。しかしある日、ノーヴェルラント帝国の竜殺しの名門・ジークフリート家が島を襲撃し、守護竜は殺され、島も焼き払われる。竜の血をすすったブリュンヒルドはただ一人生き残り、ヨハン・ザックスという軍人に助けられる。襲撃の指揮を執っていたのは、彼女の実の父であるシギベルトだった。
守護竜との永遠王国で会おうという約束とは裏腹に、ブリュンヒルドはジギベルトへの復讐に駆られていく…
復讐劇のお話として面白いです。
ブリュン -
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購入済み
シリーズ第一作にして最高作
作者自身が抱えていたかと推測される「情の業」を描くために、超越存在(「神」)が「理」でさえないことを暗示する設定になっていると思う。ただし作者がそれをどこまで意識し得ていたかははっきりしない。
推測だが、作者の持つイメージのカオスが筆を引っ張って書かせたかたちだろう。テクニック的に未経験な部分が多い未熟さ故に重厚な「情の持つ本質的破綻」を描き出す結果となった作品と思われる。
この手の著作は、元来は連作第二作につながるだけの力量を伴わないことが多いが、実際、連作第二・第三は、プロットとしては小綺麗だが、テーマの扱いは第一作の半分にも達しない浅薄なものに留まっている。つまり、わかりやすいが軽い -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作の終わりを読んで一番疑問に思ったのが、「続くの…?」だったが、なるほどそういうことか。
一瞬パラレルワールドかと思ったが、あの時代の前、ファルシオンやバルムンク、ジークフリートの成り立ちの話だった。
「ブリュンヒルドの物語」…そういうことなー。
そして相変わらず残酷。縹けいか作品よりは絶望ではないが、全然ハッピーエンドじゃなくて良い。
しかしコミックだとしんどいものは読みたくなくてハッピーなものを読みたがる最近なのになぜ小説だと構わないのか、我ながら不思議。
最初読み始めてたときはあの神竜の700年前の話かと思ったが、途中でエデンにいないから違うと気づいた。というかエデンどんだけあ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ読み終わって心がざわつくなんとも言えない余韻のお話だった。
勿論これは少女の復讐の物語なのだけど、彼女にとっての正義のお話でもあり愛のお話でもあり報いのお話でもある。
けれど彼女に他の道はあったのだろうか?と考えたとき、どうにもそんな選択肢は見つけられない。
何かが違っていたら、たとえばそう、彼女がもう少し弱かったら、もっと愚かだったら、竜をそこまで愛さなければ、彼女には別の道があったのかもしれない。
けれど否応なくこの道に進むしかなかった。
そんな運命の物語りだ。
ストーリー的にはほぼ一本道。
ただラストで作者の仕掛けに気づいて驚かされる事になる。
これがおそらく作者のデビュー作。
今度は -
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