【感想・ネタバレ】竜殺しのブリュンヒルドのレビュー

あらすじ

竜殺しの英雄、シギベルト率いるノーヴェルラント帝国軍。伝説の島「エデン」の攻略に挑む彼らは、島を護る竜の返り討ちに遭い、幾度も殲滅された。
エデンの海岸に取り残され、偶然か必然か――生きのびたシギベルトの娘ブリュンヒルド。竜は幼い彼女を救い、娘のように育てた。一人と一匹は、愛し、愛された。
しかし十三年後、シギベルトの放つ大砲は遂に竜の命を奪い、英雄の娘ブリュンヒルドをも帝国に「奪還」した。
『神の国で再会したければ、他人を憎んではならないよ。』
復讐に燃えるブリュンヒルドの胸に去来するのは、正しさと赦しを望んだ竜の教え。従うべくは、愛した人の言葉か、滾り続ける愛そのものか――。
第28回電撃小説大賞《銀賞》受賞の本格ファンタジー、ここに開幕!

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Posted by ブクログ

竜に育てられた娘さんが、育ての竜を殺され、その血筋が故なんやかんやある、というお話(?)。

人竜関係、親子関係、友人関係、うまく絡み合っており、ラノベ(?)のためおっさんには合わないかとも思われましたが、楽しくサクッと読めました。

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2025年05月06日

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ネタバレ

シグルズの存在が物語を面白くしていた。
ラストを読んでから冒頭に戻ると心がぎゅーっとなってとても切ない。

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2025年02月13日

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ダークなおとぎ話といった感じ。
展開は予想できるし、ありきたりと言えばありきたりな内容だったけど、イラストの雰囲気と文体の調子がとてもあっていていい本でした。

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2024年05月19日

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ネタバレ

なんとなく転生モノでもない、純粋なファンタジーを読みたくなって、タイトルと表紙と電撃文庫という組み合わせでなんかそんな感じがした本作をジャケ買い。

結果的にとてもファンタジーだった。満足。しかもだいぶ不幸気味。
ヨコオタロウや縹けいか作品ほど残酷で絶望というほどではなかったが。
強くて切ない主人公
コミックだと明るいものを読みたい昨今だが、小説だとそうでもない。なぜかは自分にもよくわからない。
しかし一番の疑問点は、本屋で見かけたときはシリーズで、二冊目があったはずということ。
途中から「あれ、この展開どう考えても…」となり、読み終えた今でも「なぜ二冊目がありうるんだ?」ってなってる。変わった方向からネタバレを食らってしまった。

結局アレですね、人は愚か、と。

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2023年08月26日

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鮮烈で脳にこびりつくぐらい印象的なストーリーだった。
主人公の少女の描き方がとにかく上手くて、いくつかのエピソードを通して、人称や視点も使い分けながら少女の多面的な部分を描くと同時に、登場人物の目を通して彼女が持つ心のうちの優しさや魅力にも自然と読み手側が気づけるようになっている。
復讐と愛という相反するふたつの要素がテーマになっていると思うが、これも物語内で主人公視点の部分が少ないことによって、いわゆる心の中の葛藤のような部分に焦点を当てすぎることなく、程よく感情移入し、また程よく傍観しながら、メインストーリーの流れを追えるようになっている。それでいて、最後にはちゃんと感情の波に浸らせてくれる。
読み終わって全体を俯瞰すると、プロローグを絡めた構成のうまさには舌を巻いてしまうし、無機質気味ながらここぞと言うところで情熱的になる語り口も感情を動かす場面を演出するのに一役買っていると思う。
いやー読んでよかった。

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2023年04月25日

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ネタバレ

竜に育てられた少女・ブリュンヒルド。彼女の育て親である竜を殺した、実の父に対する復讐の物語。
親愛、愛情、友情、嫉妬。様々な思いが複雑に絡み合ったヘヴィな展開。心に色々なものを残してくれる、悲痛な愛の物語。名作でした。
勝手な想像ですが、「銀賞」だったのは、話が重すぎるのと、本巻だけで非常に綺麗にまとまっている(続きが書きにくい)からではないかと。
最後、二人は一時でも一緒になれて幸せだったのだと、そう信じたい。

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2022年09月04日

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竜に育てられた少女の復讐譚。話の方向が一貫しており、まとまりの良い話であると感じた。育ての親を殺した竜殺しの実父への復讐という、ストーリーの核自体はありがちであるが、ザックスやジクルスといったサブキャラクターを生き生きと描けているからこそ退屈せずに読み通すことが出来た。安易な結末でなかったことも高評価である。

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2025年09月07日

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ネタバレ

神秘の島「エデン」で、少女ブリュンヒルドは島の守護竜と共に穏やかに暮らしていた。幼いころ、竜の血を浴びたことで、彼女は人間でありながら半竜となった。守護竜と愛し合う仲となるブリュンヒルド。しかしある日、ノーヴェルラント帝国の竜殺しの名門・ジークフリート家が島を襲撃し、守護竜は殺され、島も焼き払われる。竜の血をすすったブリュンヒルドはただ一人生き残り、ヨハン・ザックスという軍人に助けられる。襲撃の指揮を執っていたのは、彼女の実の父であるシギベルトだった。
守護竜との永遠王国で会おうという約束とは裏腹に、ブリュンヒルドはジギベルトへの復讐に駆られていく…

復讐劇のお話として面白いです。
ブリュンヒルドはジギベルトに復讐などせず、全てを受け入れ愛していれば、永遠王国で再び愛する人と一緒になれたはずです。でもブリュンヒルドはそれをしなかった。

東崎椎子さんはあとがきにて「わたしは勝利の物語として胸を張れます」と書いています。復讐は甘美な蜜の味、と言ったところでしょうか。
全てを受け入れて天寿を全うするブリュンヒルドでは、劇的なストーリーにならなかったはずなので。

「その一言で、わたしは明けない暗闇をいくらでも歩けると思えるのだ。」

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2025年07月13日

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ネタバレ

竜に育てられた少女ブリュンビルド。父と慕う最愛の竜は竜殺しである実父の手で殺された。復讐に燃えるブリュンビルドの胸に去来するのは「他人を憎んではならないよ」という正しさと赦しを望んだ竜の教え。前に読んだ『少女星間漂流記』があまり私には合わなかったのでどーかなぁと心配で読むのを躊躇してたけどこれは面白かった。なんだかとても切ない物語で最後までどんな結末になるのか想像が出来なかった。シリーズ物だけどこのまま続いてる訳ではないみたいですね。世界観は好きなので続編を見かけたら多分買うかな。

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2025年01月14日

購入済み

シリーズ第一作にして最高作

作者自身が抱えていたかと推測される「情の業」を描くために、超越存在(「神」)が「理」でさえないことを暗示する設定になっていると思う。ただし作者がそれをどこまで意識し得ていたかははっきりしない。

推測だが、作者の持つイメージのカオスが筆を引っ張って書かせたかたちだろう。テクニック的に未経験な部分が多い未熟さ故に重厚な「情の持つ本質的破綻」を描き出す結果となった作品と思われる。

この手の著作は、元来は連作第二作につながるだけの力量を伴わないことが多いが、実際、連作第二・第三は、プロットとしては小綺麗だが、テーマの扱いは第一作の半分にも達しない浅薄なものに留まっている。つまり、わかりやすいが軽いものにしかなっていない。

これはつまり、作者が実際は連作全体にわたる十分な構想を持たないまま、構想の大部分は第一作で吐き出してしまい、以降は練りが甘いラフスケッチを文字化したにすぎない、ということだ。

予想したからそれほど失望はしなかったが、よほど時間を掛けて練り上げないと、別シリーズに取り組んでも、所詮ありきたりのプロットと人物描写の「良くあるシリーズ」に終わるだろう。
もともと格別優れた文章表現の才があるわけではないから、所詮は筋書きに頼るライトノベルしか書けないだろうと思われるが、それでも、第一作のイメージを主導した「情の極限のどうしようもなさ」の感性は持ち味だろうから、時間を掛けてイメージを練り上げる作家になることを期待する。

ただし。竜に絡めた人名から思わず期待したワグナーの楽劇『指輪』三部作に対応するイメージはシリーズを通して全く見られない。これほど認知度の高い人名を敢えて使うなら、せめて、人名採用先になったワグナーの楽劇の筋書きくらい、読んで消化する努力をして欲しい。身の程知らずも甚だしい借り方だ。

#ドロドロ #ダーク

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2024年03月16日

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タイトルと表紙を見て読んでみようと思った本。この物語、結構ツラい。でも、そう感じられるのは読み手が自然と感情移入できるストーリーになっているからだと思う。登場人物たちに立ちふさがる残酷なまでの現実的展開、ご都合主義に感じられないストーリーに胸が苦しくなって……最後のページを捲るときには切ない気持ちになってきます。
ライトノベルとしては珍しく1巻でキリよくまとまっているので、ライトノベル初心者にもおすすめできる一冊です。

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2023年06月03日

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ネタバレ

読み終わって心がざわつくなんとも言えない余韻のお話だった。
勿論これは少女の復讐の物語なのだけど、彼女にとっての正義のお話でもあり愛のお話でもあり報いのお話でもある。
けれど彼女に他の道はあったのだろうか?と考えたとき、どうにもそんな選択肢は見つけられない。
何かが違っていたら、たとえばそう、彼女がもう少し弱かったら、もっと愚かだったら、竜をそこまで愛さなければ、彼女には別の道があったのかもしれない。
けれど否応なくこの道に進むしかなかった。
そんな運命の物語りだ。

ストーリー的にはほぼ一本道。
ただラストで作者の仕掛けに気づいて驚かされる事になる。
これがおそらく作者のデビュー作。
今度はこの作者の救いのお話が読みたい。

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2023年03月30日

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人間の業の物語。

実の父親に、育ての父であり最愛の竜を殺されたブリュンヒルド。

復讐か、それとも人を赦すべきなのか。微塵も揺るがないヒロインのブレなさ加減が切なくも哀しい。

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2022年11月27日

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育ての親の竜を、実の親の竜殺しに殺された少女。彼女が選んだ運命の壮絶さ。
竜殺しの設定が秀逸。竜に育てられた少女の余りに真っ直ぐな想いと気性に心がきしむ。
復讐とは何のために行われるのか。その意味をも踏み越えて進む姿に涙する。

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2022年11月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

物語としてはかなり好き。まあ、メリバかなって感じなので(本人だけが満足、相手にとっても微妙)、ハッピーエンド好きには向かないと思う。復讐劇とか好きな人はいいのでは。

ただ、モノクロの挿絵がひどい……こういうガサガサした線の絵が苦手なのよ……。味があると言えばそうなのかもしれないし、こういうのが好きな方もいるのかもしれないけど、私にはラフに毛が生えたようにしか見えなくてな……すまんな……。

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2022年09月23日

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