東崎惟子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ジェットコースターのように凄まじい勢いで展開していくサスペンス。グロテスクで陰惨な不幸に向かって進んでいく物語でありながら不思議とスルスル勢いのまま読めてしまう。宗教二世の女の子の物語という点は今村夏子の「星の子」と共通しながらも物語はまったく異なる方向へと進む。
「聖書を勉強してみませんか?」優しそうなお姉さんの訪問が全ての始まりだった。
巧みな手練手管に飲み込まれるように母は宗教にのめり込み、そんな母親に娘はただ従う。お母さんを愛しているから。それに何より、お母さんの信じる神様に祈りを捧げれば家族四人が幸せになれると信じているから。願いとは裏腹に、幸せな家族はみるみるうちに崩壊していく。
転機となるのは、少女の初恋だった。
美しく成長した少女は聡明な文学少年と心を通わせ、次第にその想いはどんどん膨らんでいくーーひどくありふれた少年少女の間で交わされる淡い思いを、敬虔な信徒である母は決して赦さない。教団が彼女に与えた罰は彼女を壊し……。
くるだろうくるだろう、と身構えながら読んでいたら案の定降りかかる最悪の事態と、そこからの彼女の覚醒が凄まじい。
神に取り憑かれたのだという彼女の成そうとしたことは、悪魔の巣食うカルト教団を崩壊させること。数多の被害者と興味本位で顛末を見守る者たちは狂気に取り憑かれた彼女を祭り上げようとするが、ただひとり、彼女を愛した少年だけは違っていた。
信仰とはなにか。神の存在とは。救いとは。
陰惨極まりない悲劇を描きながらも、物語を一貫していたのは少年少女の淡い初恋の行き着く先を描いたジュブナイルストーリーであり、愛の物語だったように思う。 -
Posted by ブクログ
宗教は音もなく私の家に入り込んできた。すべては訪問勧誘からはじまった。家族の誰も関心を払わない『王国の暁』の冊子に同情心から興味を持ってしまったことがきっかけで、母親が新宗教である『王国の暁』にのめり込むようになってしまう。宗教活動に精を出す母、それを毛嫌いして離れることを選んだ父、一緒に暮らしながらも活動と距離を置こうとする姉、そして母親が遠ざかることを恐れる私……。そんな私はやがて神の声を聞くようになり――。
ということで新年最初に読んだ小説が本書でした。表紙やあらすじだけだとどういう展開になるのかはあまり想像が付かなかったので、こんな展開になるのか……、と後半の展開に結構びっくりしてしまいました。ネタバラシをしてしまうわけにはいかないので曖昧な言い方にはなってしまうのですが、過激で凄絶、そして残るやり場のない虚しさ、それでもひとすじの光を求めて行動する〈ある人物〉の想い。気軽に薦められるタイプの作品ではないかもしれませんが、一生忘れられない読書体験となるひとの存在を強く信じたくなる、そんな小説です。 -
ネタバレ 購入済み
原作は未読です
珍しく剣と鎧と弓と魔法とかではなく第一次~第二次世界大戦レベルの兵器がホイホイ出てくる世界観の作品。航空機の空襲の描写があったから第二次大戦くらいかな?
人類の技術の進化で狩られる対象になった竜に拾われ育てられた少女がその竜を殺されて復讐心を胸に行動していくお話。
少女には竜の血と力が混ざっているのでかなりの戦闘力があるんですが、近代兵器相手に大立ち回りするような作品では無いのかなという印象です。歩兵の小銃は見てから回避してるような描写があったので、一般歩兵相手に無双しつつ装甲兵器に対しては執念で身につけた知識や策略で対処していくのかな?そもそも大規模な戦闘はせずにじわじわ復讐相手に迫っていく作品の可能性もあるんですが。
ともかく続きが気になりました。期待。