東崎惟子のレビュー一覧
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さーて、今回のブリュンヒルドはどんな目に遭うのでしょうか!
と、もはやリョナ感を期待しているのではと自分でも思ってしまうくらい、安定して「登場人物(特に女の子)がひどい目に遭う」小説。
しかも今回はタイトルにある通り二人もいる。おいおい。楽しみだぜ。…いや、お話がね。楽しみなんですよ。
と思っ...続きを読むPosted by ブクログ -
なんとなく転生モノでもない、純粋なファンタジーを読みたくなって、タイトルと表紙と電撃文庫という組み合わせでなんかそんな感じがした本作をジャケ買い。
結果的にとてもファンタジーだった。満足。しかもだいぶ不幸気味。
ヨコオタロウや縹けいか作品ほど残酷で絶望というほどではなかったが。
強くて切ない主人公...続きを読むPosted by ブクログ -
決して幸せな物語ではない。
しかし、王国の女王として即位し、王国の闇と戦うクリムヒルトと、その姉であるブリュンヒルド間の無償の愛、そして老宰相ウォレンの王国に対する切実な想いが描かれた、読んでいて心に何かを残してくれる、感慨深い作品でした。
特に、ブリュンヒルドとクリムヒルトが中心で話が進む一方、ウ...続きを読むPosted by ブクログ -
鮮烈で脳にこびりつくぐらい印象的なストーリーだった。
主人公の少女の描き方がとにかく上手くて、いくつかのエピソードを通して、人称や視点も使い分けながら少女の多面的な部分を描くと同時に、登場人物の目を通して彼女が持つ心のうちの優しさや魅力にも自然と読み手側が気づけるようになっている。
復讐と愛という相...続きを読むPosted by ブクログ -
竜に育てられた少女・ブリュンヒルド。彼女の育て親である竜を殺した、実の父に対する復讐の物語。
親愛、愛情、友情、嫉妬。様々な思いが複雑に絡み合ったヘヴィな展開。心に色々なものを残してくれる、悲痛な愛の物語。名作でした。
勝手な想像ですが、「銀賞」だったのは、話が重すぎるのと、本巻だけで非常に綺麗にま...続きを読むPosted by ブクログ -
作者自身が抱えていたかと推測される「情の業」を描くために、超越存在(「神」)が「理」でさえないことを暗示する設定になっていると思う。ただし作者がそれをどこまで意識し得ていたかははっきりしない。
推測だが、作者の持つイメージのカオスが筆を引っ張って書かせたかたちだろう。テクニック的に未経験な部分が多...続きを読む -
前作の終わりを読んで一番疑問に思ったのが、「続くの…?」だったが、なるほどそういうことか。
一瞬パラレルワールドかと思ったが、あの時代の前、ファルシオンやバルムンク、ジークフリートの成り立ちの話だった。
「ブリュンヒルドの物語」…そういうことなー。
そして相変わらず残酷。縹けいか作品よりは絶望...続きを読むPosted by ブクログ -
タイトルと表紙を見て読んでみようと思った本。この物語、結構ツラい。でも、そう感じられるのは読み手が自然と感情移入できるストーリーになっているからだと思う。登場人物たちに立ちふさがる残酷なまでの現実的展開、ご都合主義に感じられないストーリーに胸が苦しくなって……最後のページを捲るときには切ない気持ちに...続きを読むPosted by ブクログ
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読み終わって心がざわつくなんとも言えない余韻のお話だった。
勿論これは少女の復讐の物語なのだけど、彼女にとっての正義のお話でもあり愛のお話でもあり報いのお話でもある。
けれど彼女に他の道はあったのだろうか?と考えたとき、どうにもそんな選択肢は見つけられない。
何かが違っていたら、たとえばそう、彼女が...続きを読むPosted by ブクログ -
人間の業の物語。
実の父親に、育ての父であり最愛の竜を殺されたブリュンヒルド。
復讐か、それとも人を赦すべきなのか。微塵も揺るがないヒロインのブレなさ加減が切なくも哀しい。Posted by ブクログ -
育ての親の竜を、実の親の竜殺しに殺された少女。彼女が選んだ運命の壮絶さ。
竜殺しの設定が秀逸。竜に育てられた少女の余りに真っ直ぐな想いと気性に心がきしむ。
復讐とは何のために行われるのか。その意味をも踏み越えて進む姿に涙する。Posted by ブクログ -
物語としてはかなり好き。まあ、メリバかなって感じなので(本人だけが満足、相手にとっても微妙)、ハッピーエンド好きには向かないと思う。復讐劇とか好きな人はいいのでは。
ただ、モノクロの挿絵がひどい……こういうガサガサした線の絵が苦手なのよ……。味があると言えばそうなのかもしれないし、こういうのが好き...続きを読むPosted by ブクログ -
第一作の「ある種の深さ」に比べたら、どうしようもなくありきたりの浅さでしかない。
テーマもプロットも、これを追加するくらいならシリーズ化しなければ良かったと言いきれるほど陳腐。せいぜい、キャラクター設定が第三作と比べればまだマシと言える程度。
否定的ニュアンスのタブがないから選べない。 -
好評を博した『竜殺しのブリュンヒルド』に続く第二弾。前作が綺麗に終わっているので、どうするのかと思ったら前日譚(というかかなり昔の話)で勝負してきた。
一作目に比べると、メインキャラが四人に増えた分、かなり書くのに苦労している印象。
もうすぐ、シリーズ三作目も出るようなので、次はどうなるか。Posted by ブクログ -
第2作に続く駄作。
そもそも舞台は似ているようでありながら、時代設定に歴史的連続性がない。これはつまり、一作目執筆時に二作目以降の構想が全くなかったことを示している。
プロットにもキャラクターにも一作目に匹敵する深みが全くと言って良いほど見られないのは二作目と同じ、というより三作目は二作目にも増し...続きを読む