曽田正人のレビュー一覧
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凄まじい、の一言。
漫画、しかもテーマがバレエだからとあなどっていたものの、序盤からの壮絶なストーリーと主人公の圧倒的な才能に思わず鳥肌が立ちました。まさかバレエ漫画でここまで圧倒されるとは…。
主人公、昴は小学生時代の弟の死を通して、次第に踊ることが好きな少女から、弟の死をバレエに重ねて踊るダンサーとなっていく。
そして彼女が持っていたダンサーとしての才能はあまりに途方もない可能性を秘めており、果ては新人バレエダンサーの登竜門、ローザンヌでグランプリを獲得するまでに至る。
しかしその反面、周りを取り残したまま更なる進化を続けて、行き急ぐ昴と他の登場人物との間に溝ができてしまい、孤 -
Posted by ブクログ
前々から読みたかった作品。
悲しみを背負った天才バレリーナのお話。
病床に臥す弟。生と死が隣り合わせにある中で研ぎ澄まされた集中力。
もう今日こそだめかもしれないという恐怖。
愛する人の死と言うトラウマ。
何のために生きるのか。自分はなにがしたいのか。
好きで踊っているのか。それとも使命感に、運命に踊らされているのか。
踊る意味、ひいては立つ意味さえも問い詰める。
真に一流のアスリート・アーティストしか覗くことの出来ないZONEの先には2つの異なるダンス。
視覚だけでなくそれ以上の情報を五感一杯に流し込む。
さもマリファナを吸ったようなダンス。麻薬。
音も無いのに耳から離れない戦慄。
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Posted by ブクログ
行き過ぎた才能、早すぎる成長がすばるの前に立ちはだかってくる、そんな予感がかもし出される巻です。
才能に富んでいることが、こんなにも深刻な問題、ダンサーとしての危機に繋がるなんて!
「バレエには自由はない。手が1cmずれたとか、足の甲が伸びてないとか。もう、気がヘンになりそうなこと、しょっちゅうあるよ。でも、本当にギリギリの、針の穴を通すような踊りができたとき、背筋がふるえるような感じがするの……!!バレエはほとんど楽しくない。でも、楽しいとか楽しくないのむこう…… 1cmとか1mmの、逃げ出したくなるような針の穴のむこうに、何かがあるの。死んじゃうくらい気持ちいいことが…………!!」 -
Posted by ブクログ
すばるの美貌、スタイルがうらやましい
レンズを黒く塗りつぶした眼鏡をかけて、空気を読む、空気を感じるって特訓。スポーツを題材にした漫画でよくよく目にする気がするけどどこまでほんと。。。?
宮本すばる、15歳。
プロのバレエ公演「白鳥の湖」の群舞候補となる。
本物のバレエの何も知らない読者にも、コール・ド・バレエとは何か、すばる目線で、そのプロの技・奥深さを知ることができ、すばるの気持ちになってすばるとともにストーリーに入り込むことができます!すばるにコール・ド・バレエを完璧にマスターして欲しいと願ってやまなくなる!
が、
そのずば抜けた才能ゆえの
致命的欠点が
踊りを否定され -
Posted by ブクログ
最悪のメンタル・コンディションにもかかわらず、それでも舞台の幕は開かれる。
「逃げようぜ、こんなとこ逃げちまおうスバル」
「帰ろう、ベルリンへ」「ここはお前の居場所じゃないっての、よくわかった」
「もう闘わなくていいよ。帰ろう、家に」
「スバル」
と言った口で、
「たださ、ほんとにこのままバックレたら、あのファンの皆サン、
スバル・ミヤモトとニコ・アスマー、さわぎになったわりには、二人のバレエはぜんぜん覚えてねーな・・・なんて・・・
言われるよな、絶対」
と言いたい放題のニコが最高です。二人の絆はものすごい勢いで強まっていきますね。
結局神がかった「椿姫」を演じきった二人。
もーアツいに