Posted by ブクログ
2009年10月04日
凄まじい、の一言。
漫画、しかもテーマがバレエだからとあなどっていたものの、序盤からの壮絶なストーリーと主人公の圧倒的な才能に思わず鳥肌が立ちました。まさかバレエ漫画でここまで圧倒されるとは…。
主人公、昴は小学生時代の弟の死を通して、次第に踊ることが好きな少女から、弟の死をバレエに重ねて踊...続きを読むるダンサーとなっていく。
そして彼女が持っていたダンサーとしての才能はあまりに途方もない可能性を秘めており、果ては新人バレエダンサーの登竜門、ローザンヌでグランプリを獲得するまでに至る。
しかしその反面、周りを取り残したまま更なる進化を続けて、行き急ぐ昴と他の登場人物との間に溝ができてしまい、孤立していく苦悩は天才にしか起こりえない苦悩なのだろうなぁ、と思ってしまいました。
没頭して読んでいると、独りで行き急いで壮絶に燃え尽きようとしている主人公に感情移入してしまい、切なくなります。
登場するキャラクターも個性的で、その中でもバレエ界の女王として君臨するプリシラ=ロバーツはどことなくMadonnaを髣髴とさせる存在感があります。
終盤の有名なバレエの「ボレロ」での昴とプリシラとの対決シーンは展開自体のインパクトだけで本当にゾクゾクします。
作者の都合で11巻で話は止まってしまっていますが、また連載が再開してもらいたいものです。
…とか言ってたら、祝連載再開です。