山下和美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この物語は、スケールがでかい。そのスケールの大きさは「火の鳥」に匹敵するほどで、これだけの話しを描くとなると、並大抵の世界観では、どこかで破綻して失速してしまうものだと思うのだけれど、この作品の出来は素晴らしい。
話しの舞台や年代は多岐にわたっていて、それぞれが1話か2話程度で完結する、短編集のような形になっている。
永遠の命を持つところや、どの時代のどの場所にも自由に現れるところも、火の鳥に似ているけれど、人間の少年の姿をしているために、神のような雰囲気はない。
不思議な力をいくつか持ってはいても、基本的には傍観者としてのスタンスを貫いていて、人間の歴史に不必要に干渉することはない。
その点