黒田硫黄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本人に向けて歌う以上、
日本語で歌うほうがいい
と、思うている私は、
かっこつけのために西欧を舞台にするのがあまり好きではなく、
というのも
カタカナでなじみの薄い地名や名前を認識する方に神経が偏ってしまいがちで
しかしそこは硫黄
かっこつけのために外国人を登板させるような無粋なことはせん
♪明けない夜はないさ〜
と歌うのが一般的な潮流にあって
「朝が来なければいいのに」
というセリフの切実さ
社会は往々にして
陽を前面に押し、一方で陰を否定的に扱う・隠蔽しようとする。
それは一見クリーンに映るが、過ぎたれば病的。
赤紙が届いたら素直に泣いていいし、泣くのはマイノリティでもないはずだ -
Posted by ブクログ
ネタバレ毎回どこかに茄子が絡む、連作短編集。
一番のお気に入りは、ロケに来た映画の撮影スタッフに炊き出しをする地元民の前後編『39人』。
美食バトルでもうんちく語りでもない、ただカレーと水餃子を作るだけの話が、こんなにも格好いいとは!
2度目の炊き出しを頼まれたとき、状況から瞬時に「水餃子にします」と決断した高橋さん(女子高生)が、まるで歴戦の司令官のように頼もしく見えます。
ありもので作れる最上の料理を、臨機応変に、おいしく、手際よく作る。
料理好きの作者だから描ける「料理をする人のかっこよさ」に、料理ができない自分は強烈に惹かれました。