エドマクベインのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
言わずと知れた87分署シリーズの、記念すべき第一作。「この小説に現れる都会は架空のものである。ただし警察活動は実際の捜査方法に基づいている」という有名な扉書きも、マクベイン節などと言われる独特の美文調も、いや、そもそも警察小説というジャンル自体が全てはここから始まったのだ。捜査するマシンでしかなかったミステリーの刑事たちは、マクベインの登場で初めて血の通った人間になったのである。とにかく読み始めると、いつの間にか刑事たちのキャラクターに引き込まれ、気が付けばキャレラたちと一緒になって喜んだり、悲しんだりしている自分に気付く事になるのだ。
87分署シリーズには刑事ものの全ての要素が詰まっている。 -
Posted by ブクログ
マクベイン『87分署シリーズ』の第二作目の主人公は、バート・クリング。
一作目の『警官嫌い』では少年に肩を撃ち抜かれて病院送りになったクリングが、今回は大活躍をしてみせます。
タイトル『通り魔』とあるように、今回の事件は不可解な連続通り魔事件---犯行後、「クリフォードはお礼をもうします、マダム」と被害者に言い残し、立ち去る犯人『クリフォード』。そして、捜査を進める中、発生した一件の殺人事件。
一作目ではスティーブ・キャレラに付いて回っていただけの駆け出し警官だったクリングの成長を、足を使った地道な捜査の足取りと彼の人情深さを伺わせる交流の描写など、見所たっぷりの作品でした。
今回、作者